■J1■2015前半戦まとめ「ファーストはキスだけにして」part1 | picture of player

■J1■2015前半戦まとめ「ファーストはキスだけにして」part1

さあ、J1もファーストステージという名の謎の前半戦が終わったことだし、軽くまとめてみようといういつもの試み。前置きはいらぬ、さあいこう!




■1位 浦和
開幕からスタートダッシュをキメると、そのままファーストステージを走り抜け、2015年ファースト手ステージ王者と相成った。おめでとう!ぱちぱちぱち。無敗は素晴らしい。足かせとなるはずのACLは早めに捨てたのか捨てられたのかわからないが、普通にロングボール放り込まれて終了。ACLが負担ではなくなり、リーグに集中できたことが大きい。去年からの最大の改善点は柏木をボランチに固定したこと。彼から前線に配給ができることによって、スムーズな攻撃が可能となった。また去年のように「これだけ人数をかけてもまだ崩せないならさらに倍プッシュだ!」と狂ったように前線に人を送り込むことをやめたため、かえって動きが整理された。槙野とか森脇とかけっこう自重してるもんな、自重してたらしてたでウザいけど。補強では武藤別人が思った以上にフィットしてレギュラーを掴むと、重要なゴールを上げ続けた。また、生え抜きの関根もブレイク。1対1ならほぼ抜き去る技術とスピードに加えて、ゴール前に顔を出して仕事ができるようになった。橋本、青木、高木長兄。、加賀など微妙に第二、第三の関口が生み出されつつあるが、まあ勝利と科学の発展のためには犠牲はツキモノデース。さて、このまま後半も走り続けられるかが問題なのだが、よくよく考えたら去年のこの時期も突っ走っていたような気もする。いい加減2015Ver.の浦和にもそろそろみなさん適応してきた頃なので、後半はどんどんきつくなっていくだろう。やはり我々が期待するのは終盤逆噴射浦和ロボであり、リーグの盛り上がりのためにも是非ともとんでもない大逆転を食らってほしいものである。試合終盤に勝ってるのにカウンターで攻め上がって誰もいないゴール前にクロスとか普通にやってるので、まだまだ十分に可能性はありそうだ。真面目な話、阿部と那須が壊れるとたぶん終わる。ただし、今年は追ってくるガンバに迫力がなく、鹿島が大コケの気配なので、終盤しおしおでも後期も優勝してもらうかもしれない。そうなると、肝煎りのプレーオフがさっぱり盛り上がらない消化試合になってしまうので、なんか闇の力が働くと面白いのだが・・・(電通本社方面を睨みながら)


・気になった人 武藤雄樹
「じゃない方」「別人」「バッタモン」「アンパンマンっぽい方」などと散々な言われようだったが、間違いなく優勝の立役者の1人。機動力を活かしたスタイルは浦和にはあっていたようで、重要なゴールを決め続けた。仙台時代に見たことねえぞ、こんな姿。興梠、ズラタンなどの将軍級の周りを動きまわることで相手に的を絞らせなかった。ラッキーボーイ的な位置付けだったが、後期もこのまま活躍できたらもう「じゃない方」なんて呼び方をされなくなるのではないだろうか。ただし浦和的なノリにはまだついていけてないらしく、槙野とインタビューに一緒に出ると散々いじり倒されてたりするのだが、まあ染まっていいことは一つもないと思うので、このまま純朴な感じを残していっていただきたい。染まるんだったら、どうせなら破局した水沢アリーを奪うなどして槙野を挑発していただきたいものである。




■2位 FC東京
序盤は突っ走ったのだが、徐々に尻すぼみ。今年のJ最高の塩試合メーカーは早々に優勝争いから脱落してしまった。とにかく序盤の守備は固かった。基本的にポジション固定で動かさないのだからそりゃ固くなる。攻撃のときは戦術武藤、戦術太田が基本。カウンターは武藤にどっかんと蹴ってなんとかしてもらい、遅攻のときは太田が狂ったようにクロスを上げまくるというもので、「とる、はなす」しかなかった昔のPCのアドベンチャーゲーム並の選択肢の少なさ。守備が固くて攻撃がアレならば、塩試合になるのも必定。何度か見たことがあるが、第三者としてはしんどい試合が多かった・・・。ここ1年半で、ポマード監督は攻撃の組織を作れないことを露呈。守備に関してもなぜかアンカーに梶山を据えたのもわけがわからない。ピルロみたいなことをさせたいのかと思ったが、別にそういうわけでもなく、単に守備の穴になってた。梶山もこれはかわいそうだ。さすがに順位が下がってきてポマードも冷や汗で落ちてきたので考え直したのか、4-3-1-2から4-4-2にしているのだが、これが解決策になるとも思えず。武藤が抜けることもあって、攻撃はさらに苦境を迎えることだろう。ラサッドとかいう謎のチュニジア人が武藤並の働きを見せればいけるのだが、どうもその可能性は薄そう。退団しました!!ポマード監督がここから劇的な進化を遂げることも考えづらいので、やはりここは定期的に噂される大物の獲得をついに実行に移す時か。ユベントス退団が噂されるピルロをとれれば最高だが、「くるわけねーだろ」案件であり、「ちゃんとお薬飲みましょうね」と言われてしまうのが関の山。ここは多少妥協してリバプール退団の紅蓮ジョンソンにターゲットを定めてもらいたい。とにかく前進することだけに関しては他の追随を許さない肉体派は徳永伍長の上位互換であり、獲得の際には二人を右サイドに縦に並べて、とにかく前進して前をふさがれたらバックパス→上がってきたどっちかが前進してバックパスという無間肉体地獄を味あわせていただきたい。タイトルはたぶん取れないが、まあいいだろう。


・気になった人 太田宏介
詰まった状況での唯一の突破口として、アーリークロスを上げまくった。Jでぶっちぎりのクロス回数であり、これだったらクロス本数×○万円の出来高契約をしておくべきだったのではないか。平山が大怪我をしているのでターゲット的な選手も特にいない中でひたすらクロスをあげているのはものすごく徒労感があるとは思うのだが、精神状態は大丈夫なのだろうか。代表監督がモイーズだったら間違いなくレギュラーである。真面目な話としては今の守備力では代表レギュラーは厳しいし、プレーもクロスバカ一代からもうちょっと幅を広げなきゃ厳しいですね、という感じである。ただ、最早クロスを上げないと足が震える中毒患者になっていることは間違いなく、シーズン終盤には「クロス・・・クロス・・・」と呟きながら自陣からアーリークロスを上げるクロスゾンビとなった太田の姿が見れるであろう。




■3位 広島
高萩、石原の両シャドーが抜けてどうなることかと思ったが、うまくその穴を埋めて上々の成績。ツーシャドーにはいろいろな選手を使ったが、結局ドウグラスとじゃない方の柴崎で落ち着いた。ドウグラスはパワーと運動量、柴崎の細かなところでも生きるテクニックでチャンスを創りだした。また中々調子が上がらなかった佐藤寿人の交代選手として浅野拓磨がプチプレイク。元来二列目で使われていて最前線で生きたのは意外だったが、その異常に早いスピードと確かな技術は武器になっていた。野津田は今までどおりで左足馬鹿一代、皆川は影も形も見当たらない、飼い殺された上に松本に流刑になった工藤浩平、時間つぶしに佐々木を使うなどの負の面もあるが、それについては積極的に目をつむっていきたい。チームが安定してるのはボランチの青山と森崎が安定して試合に出場してるからというのもある。ACLもないので疲労も少なく、後半も同じペースで勝ち続けられるのではないか。調子の上がらなかった佐藤寿人も山形戦で9分でハットトリックという「出会って即挿入」のAVみたいな感じのことをかかましており、ぐんぐん調子を上げてるのも朗報である。ただ、優勝までは届かないか。ミシャ式から完全に脱却できてないのもまた事実で、本家はようやく結果を出したが、基本的にはもう手口はバレている。これに拘る必要もあんまりなさそうな気がするのだが、そういう重大なモデルチェンジはシーズン中には行えない。監督ごと変えるしかないので、変わるとしたらシーズン後だろうか。「このサッカーはもおなかいっぱい」感が見ている側にもやってる側にも感じる。森保監督はとんこつだの醤油だのゆずを効かせたりだの工夫を凝らしているが、まあラーメンはラーメンだし。そろそろオムライス食いてえって話ですよ。


・気になった人 柴崎晃誠
Jリーグナンバーワン紐を頭に巻いてる縄文人の称号があったが、髪を切ってしまった。なぜだ!!最近では鹿島の柴崎岳の台頭もあり、さいきんではじゃない方の柴崎と呼ばれることもしばしば。だ、代表だって一度呼ばれたことあるんだから!(出場はなし)というわけで、すっごい年下にじゃない方で差別される感じだったが、新境地を開拓。ボランチだったがシャドーで使うと大当たり。元ヴェルディらしい細かいテクニックを駆使して、高萩がいなくなった穴を十分に埋める活躍。元々ボランチなので下がっても効果的なプレーができていて、森保監督はうまい使い方をするなあ、と。相棒のドウグラスがフィジカル道一直線な感じなので、知性派としてキャラとしてもバランスがいい。ただ、やっぱり長髪を紐で巻いていたほうが魅力的であり、ピッチを掘ったら土器とか出てきて欲しいのであり、勝敗は甲羅を焼いて占って欲しい。俺は全体的に縄文人に誤解がある。




■4位 G大阪
特に調子が悪いというわけでもないのだが、ACLに残っていることがけっこうな足かせとなっている。代表でハリルホ爺に「お前はジェダイの騎士だ」と言われた宇佐美が覚醒して攻撃は元よりプレスバックまでするようになったのは朗報。しかし、その他がいまいち。遠藤が春先から低調なプレーを繰り返していて、なかなか調子が上がってこないのが痛い。おかげで大森、倉田、阿部、疾風伝説藤春がいくら走ろうとも中々点に結びつかず、パトリックがパトリックであることがバレてしまった。赤嶺もほとんど出場してない状態で、得点は宇佐美の単騎特攻による得点がメインになっており、宇佐美依存度はかえって上がっている。浦和との直接対決においても普通に完敗しており、これが後半戦になって上がってくるかというと微妙。また、代えの効かない選手があまりに多すぎるのも後半戦に向けてネックである。そんな少し閉塞感溢れる前半戦だったが、ハイライトはやはり岩下“Worst”敬輔。広島の清水に対して、完全に故意の肘打ちをして、槍玉にあげられた。それを見ていた元暗殺者の福西さんが「いいですねぇー」と膝を打ったとか打たないとか(未確認)。「反省してまーす」と言ったものの、直後の川崎戦ではカウンターで一対一になった大久保を引き倒すなどプロの仕事を披露。まあこれはプロフェッショナルファウルだしいいんじゃないのと思ったのだが、前科と性根のせいでこれも叩かれた。私見ではあるが、いくら言ってもこれは治らない。治ったら岩下でなくなってしまうのだ。むしろこの悪癖は治すのではなく、伸ばす方向でいきたい。岩下が悪事を働くと「待ってました!」と岩下コールを送り、電光掲示板には「今年3回目の狼藉!」とでかでかと出していく。それを見ればさらに岩下は奮い立つはずである。ダーティーヒーローにはダーティーヒーローのやり方があるのだ。あ、後期優勝できるためにはもう一人くらいブラジル人獲ってきたほうがいいと思う。


・気になった人 宇佐美貴史
凄みが出てきた。前を向いてのドリブルを単独で止めれる選手はほとんどJリーグにはおらず、代表でハッパをかけられたせいか、守備にも意欲が出ているし、オフザボールの動きも大きく改善。。パスも出せればミドルも撃てるので、破綻がない状況を崩すことに関しては、Jでナンバーワンの選手。今までは早かったのだが、一度ずつ止まる感じが多かったのだが、今は判断含めてすべてにスピードアップしている印象。これはほんとに代表選手である。髪型が全く似合っていないことを除けば、文句のつけようがない活躍。ただし、どんな髪型が似合っているのかと言われたら答えに窮してしまうのは確かであり、大体どんな髪型をしていても許せない気がする。岐阜のHAEGIWALASTBOYである難波みたいになれば俺はようやく宇佐美を受け入れられると思うので、今のうちはがんがん髪を染めてダメージを与えていただきたい。




■5位 川崎
疾走するカルト集団は瞑想しながら迷走し続けている。去年と同じように点は取りまくっているのだが、守備は案の定絶賛炎上中。上位陣では唯一20失点超えと貫禄の内容。「せめてカウンターされるときの対策だけでも・・・」と普通は考えるのだが、でもねえ、宗教的にできないんですよ、それ。教義が「ボール持ち続けてればずっと俺のターン」だから、ディフェンスのことを考えるのは異端として石を投げられて破門された上に悪魔祓いの対称となるのである。「異教徒は全員磔刑じゃーーー!!!」というボダン大司教並の逆脳筋。谷口、角田に守備の全てを任せているのだが、両サイドががんがん上がる上に前線はポジションレスで動き回ってボールを奪われた後に守備ができないので、彼らがいくら優秀でも焼け石に水であり、噴火中の火山に冷えピタである。しかも点はとれてるといっても広島と大差なく、浦和には水を開けられる状態。狂気のポゼッション率から繰り出されるアホみたいなシュート回数の割には点が取れてない。この守備でも4、50点とれてれば誰も文句は言わないのだけれど、正直収支が全然合ってない。惨敗した試合の後のインタビューで風間大僧正は「とにかくプレーが雑」と割と選手のせいにしがちなのもおかしい。選手の能力を含めてプレーをデザインするのは監督の仕事であり、それがうまくいかなかったら責を負うのは監督。「信心が足りぬ」と信者を糾弾するのならそれは本当に宗教団体と変わらんね。そろそろタイトルを足りないとさすがに信者の洗脳が解けてしまうと思うので、今年なんらかのタイトルを取れないとさすがに大僧正自身がポアされてしまうだろう。たぶん、無理なんだけど。ハリルホ爺になぜか代表に呼ばれてプチ覚醒しかけた杉本健勇だったが、これはセレッソ時代にもよあった出来事で、プチ覚醒→やった!ついに俺たちの杉本健勇が!→数試合沈黙→プチ覚醒という本家ベントナーと同じサイクルを辿っていて、個人的には素晴らしいと思う。この捨てていいんだか残していいんだかという線を延々と行ったり来たりするのが、未完の大器としてあるべき姿である。


・気になった人 エウシーニョ
右のアウトサイドを蹂躙しまくったブラジルラテラル。ワイドなポジションに張っているのだが、そこにこだわらず、SBとCBの間に突撃してきたり、中にはいってシュートをかましてみたり、いい意味でフリーダムな動きで攻撃の一翼を担った。ドリブルもけっこういけるのだがオフザボールの動きがうまく、中村Z司令官もパスを出しやすかっただろう。ただ、その攻撃力があんまり点に結びついてないのも確か。アウトサイドで3点は立派だが、それ以上に作ったチャンスを自分もチームメイトも決められない場面が多く、安打数が多い割には打席が多くて打率が伸びない感じである。ただ、後半も爆走しまくるであろう。守備については何も言うな。それはこの土地では禁じられた質問なのだ。




■6位 横浜FM
補強が異常に少なく、モンバエルツ新監督の下で不安の船出だったが、成績は上々だった。噂のアデミウソンは完全に当たり。細かいテクニックでチャンスを量産し、格の違いを見せつけている。守備が得意でないという弱点はあるが、それができたら日本なんぞにはきてないのでそこは目を瞑ろう。中村初号機が怪我でほぼ離脱していたのも、アデミウソンという自由人をチームに組み込むためにはよかったのかもしれない。彼を支えるために、兵藤、喜田、三門などのブルーワーカーたちがとても良く働いていた。反面、継続した課題があるのも確か。アデミウソンのパートナーとして伊藤翔、らふぃにゃんが試されたがどっちもぱっとせず、問題はそのままに。左サイドの齋藤学も点に絡めず不振状態、なぜか逆サイドの藤本がフィニッシャーになっているのだが、それも限界はある。繊細なバランスを保っているこの布陣に中村初号機が戻ってきたらどうなるのだろうという不安感は強い。ていうか、融合している絵が見えない。守備は固くて盤石なので、ここは一発シティドーピングをキメるのが成功の一番の近道か。シティ人脈としては「脳筋イングランド代表」「ミスター筋肉」の誉れ高く、この夏に移籍を目論んでいるマイカー・リチャーズなどはどうだろうか。チーム成績はたぶん向上しないが「サッカーとは筋肉である」という間違った信念を横浜のファンにたっぷりと味あわせてくれるだろう。


・気になった人 アデミウソン
中村初号機不在の前半戦を救ったのは、間違いなくこの人。ブラジル人らしいテクニックと独特の間合いでボールを奪われず、時間とスペースを創りだした。欲を言えばもっと点を取れたと思うが、それができてたら(以下同文)。あだ、上にも書いたけど、この人と中村初号機がうまく機能する場面があんまり想像できないんだよね。ぶっちゃけ、ほぼ同じタイプだと思うし。ウルトラCで前線に二人並べて攻撃は勝手にやってもらうと、3試合に1度くらい信じがたいプレーが見られると思う。試合はたぶん負けるけど。ただ、まあ復帰してもすぐに本調子というわけにはいかないだろうし、攻撃の軸は今年はこの選手かな。ちなみに南米選手権についてインタビューを受けてて「やっぱりスタンドに美女が多いから注目だよ、奥さんや彼女がいる人は気をつけてねHAHAHAHA!」とクソつまらない冗談を言っていたので、ジョークセンスはいまいちのようだ。



part2 に続くミウソンー