■Jリーグ■「監督解任ブースト」は存在するのか? | picture of player

■Jリーグ■「監督解任ブースト」は存在するのか?

どうもこんばんは。2日連続更新するなんて去年のW杯以来だよ・・・。

なぜ、更新するのかというと巷で言われてる監督交代による成績向上があるのかどうか、ということ。
シーズンを通しての成績については前に俺のブログで調べてみたことがある。
結論としてはだいたい28%くらいは効果があるかもしれない、というものだった。

なのだが、1シーズンよりさらに短期的にはどうなのだろうか?
いわゆる巷でいわれている「監督解任ブースト」はあるのだろうか?
超絶おもろい能田達規先生の「マネーフットボール 」によると、次のように断じられてしまっている。


だが、監督が変わった直後は人が変わったようにチームも変化してるという例を見る。
いったいどっちなの!!?あたいわかんなくなっちゃう!!
では、調べてみようではないか!!
なお、特にマネーフットボールに異議を唱えてるわけではなk,ふつーに気になったからでござる。


というわけで、まず言葉の定義。
まず「監督解任ブースト」という言葉は意味が定まっていない。
なので、ここでは「監督交代後の5試合の成績」ということにする。あまりにも長いと単なる監督交代と同じだし、1試合だけだとあまりにも短すぎるので、まあまあ妥当なのではないか。
というわけで、早速調べたデータをどどーん。


2010


2011


2012


2013

2014


2015


というわけで、2010年から2015年10月の時点で監督交代は45例あった。
シーズン中に2回変えている場合もあるので、その時は2回とカウントしている。

上の表は監督交代までの平均勝点と、解任された直後の5試合の成績を載せている。
この数字を成功と失敗で分けていて、失敗は横ばいも含んでいる(誤差-0.3から+0.3は横ばいとみなした)


A 完全成功例
これは監督解任後の成績が5試合で明らかによくなっている場合で黄色く染めている。
2012年C大阪のソアレスからクルピ、そして2015年鹿島のセレーゾから石井さん、甲府の樋口さんから佐久間さんなどが劇的に成績を上げている。
面白いのは短期的に上げても長期的には失敗している例があること。
昨年の大宮は渋谷さんに変わってから成績が上がったが、そこからはペースが落ち、前半戦の借金もあって降格の憂き目にあった。
あと、去年の千葉も一応成功なのね、ぎぎぎ・・・。


B 3試合成功例
これは表で水色に染めているものである。
3試合では成績を向上させたものの、5試合トータルでは成績が横ばいあるいは下降してしまったものである。
特に出落ち感が強く、「監督解任ブースト」としては最も正しい形かもしれない。


C 5試合成功例
これは表で緑に染めたものである。
最初の3試合では成績は下降もしくは横ばいだが5試合トータルでは成績を上げたものである。
2013年の岐阜は最たる例で、突然の監督交代で戸惑うもののラモスパワーで復活という心あたたまるストーリーである。

D 失敗例
これは表で何も色をつけてないものである。
2015年札幌、2014年の鳥栖、2013年大宮、2011年千葉などは惨憺たるもので、鳥人間コンテストで開始直後に墜落したようなものである。
出だしが悪ければだいたい失敗するもので、ほとんどの場合は長期的にも監督交代によって失敗している。
しかし、例外もあって、前述の札幌は持ち直してプレーオフ争いに最後まで絡んできたし、2012年の横浜FCはここから一気に持ち直してプレーオフまで進出した。


以上のことをまとめたのが次の表である。


matome

全部で監督交代は45例であり、完全成功は19例、失敗例は19例ということでほぼ五分となった。
成績が明らかに上がった例と上がらなかった例が半々あるのだから、「監督解任ブースト」は存在すると言っても間違いではないだろう。
完全成功率、失敗率はともに42.22%である。
ただし、完全成功例に3試合成功と5試合成功の例を加えると26例となり、57.78%となる。
ここまで成功・失敗が五分の展開となるとは全く思ってなかったので、驚いている。


というわけで、まとめとしては以下のようになるだろう。

・「監督解任ブースト」は存在する。
ただし、その効果は短期間限定的であり、失敗する確率と大体同じであり、丁半博打である。
・「監督解任ブースト」に成功しても長期的に失敗するチームはけっこうある。



というわけで、以上のことを踏まえて、次のチームがどうなるのか楽しみですなー!!

cerezo

祈ろう!!!何かに!!