■J1■2015シーズン総括「2シーズン制はゴトビが悪い」 part2 | picture of player

■J1■2015シーズン総括「2シーズン制はゴトビが悪い」 part2

part1 より続く!!
困惑の中位編!


■7位 横浜FM
前半はイマイチな出来でモンバエルツ監督の手腕が不安視されたが、後半になって帳尻を合わせたシーズンとなった。長期欠場から復帰した中村初号機とアデミウソンをどう組み合わせるのか、という問題があったが、お互いに試合をこなすごとに棲み分けができてきたようで、ベストパートナーという程ではなかったが連携は合うようになってきた。彼らを補完するように三門や喜田など運動量を期待できる選手を積極的に起用したモンバエルツ監督のバランス感覚は褒められてしかるべき。一番恩恵を受けたのは、齋藤学か。2人にマークが集中する間隙を縫って、去年のW杯以来なんとなく低調だったのが、終盤にきてまたキレを取り戻してきた。2列目の技巧派たちのために犠牲になり続けた元和製アンリも目立ってはいないが、貢献度大だったと言えるだろう。また、日本を代表する筋肉系故障の大家である矢島御大将もベンチやベンチ外から睨みを利かせていたし、らふぃにゃんも足がとっても痛いニャンに何度かなりつつも出場した時にはやはり違いを見せていた。また、若手の抜擢もモンサンミッシェル監督は敢行。前述の喜田を始め、栗原の代わりにファビオをレギュラーに、仲川、和田、富樫などにチャンスを与えた。アンドリューは寝てた。しかし、来年どうなるかはまた微妙。今季長期欠場したように中村初号機もさすがに年をとってきていて、中澤も機械ではない。今季軸となったアデミウソンの去就もまったく不明である。また1トップの元和製アンリもがんばってはいたが得点数は少なく、唯一違いを出せるFWのらふぃにゃんは1年間常時出場など夢のまた夢。若手はチャンスを得たといってもまだ海のものとも山のものともベントナーともわからず、彼らに賭けるのはギャンブル。アデミウソンの去就いかんによっては一気に中村初号機のセットプレー必殺攻撃頼みに逆戻りする可能性もある。モンキーターン監督は来年も指揮を取りそうだが、どうしても切れない選手が多いのでドラスティックな改革は難しく、来年も難しい舵取りになりそうだ。なので、やはり違いを出せるのは外国人ということで、シティOBをふんだんに使って、ボヤタ、スクリーニ、サマラスなどの選手の獲得に尽力していただきたいものである。補強ポイントは1トップとボランチかなあ。


・気になった人 三門雄大
新潟で半レギュラーみたいな存在になっていて、横浜FMでも守備のユーティリティー程度の評価だったのだが、チームのバランスを取る上で重要なキーとなった。前半戦は守備で走り回れるわけではないアデミウソンのために、トップ下で出場することも多く、その持ち前の運動量で穴を埋めまくり、攻撃にも顔を出した。影のMVP。意外と足元のテクニックもそこそこあったのが幸いした。中村俊輔が戻ってきたあともボランチとして出場し、堅実なプレーを披露。はっと驚くようなプレーはほとんどないのだが、ミスもそんなに多くない。黒子の鏡である。ただ、いかんせん攻撃面では力不足は否めなかったので、門前の小僧習わぬ経を読む監督の意向によってはボランチを獲得するかもしれない。ただ、それでもサイドバックまでできるユーティリティー性で仕事がなくなることはないだろう。その絶妙な生え際をなびかせて、来季もピッチを疾走してしていただきたいものである。アンドリューは生え際以外をちょっと見習え。




■8位 湘南
ついに念願のJ1残留となり、ミッションコンプリートである。しかも最後まで残留争いには加わらず、中位でのフィニッシュは求められたもの以上の結果だろう。昨年J2を席捲した運動量での破壊は、トップのウェリントンがいなくなったこともあって、さすがにJ1レベルではうまくいかないことも多かった。だが、そこをキジェ監督がうまくバランスをとった。攻撃でかける人数を減らしてリスクを軽減、その結果破壊的な攻撃力はなくなったが、攻守にバランスのとれたチームへと変貌。個々人は確かにJ1レベルで見劣りする部分もあるのだが、高山、永木、菊地俊、遠藤、バイアなどの中心選手を筆頭に、足りない部分は運動量でカバー。徐々に他の選手もJ1レベルに適応していった。というわけで一昨年の大爆死を避けることができた。欲を言えばトップにパンチ力のある選手が欲しかったが、大槻ほど運動量があって点もバカスカ取れる選手は稀であるし、ブルーノ・セザル、アリソンもうまく適応できてなかったので、ここはしょうがないと言えるかもしれない。その点で終盤にようやく藤田が戻ってきて点をとったのはだいぶ助かっただろう。そういえばキリノとか獲ってたな。また、獲得した山田直輝が微妙に活躍できなかったのだが、まあそれもしょうがないであろう。さて、来季だがここまでチームを作ってきたキジェ監督の退任が決定的。行先は新潟という噂があるのだが、なんかそれってあんまりやること変わらんような気もする。松屋からガストに転職、みたいな。後任が誰になるかは知らんのだが、この運動量というベースを生かせる監督なら大崩れはしなさそう。間違っても「よし、ここからはポゼッションも」とか思ってしまうと途端にバランスを壊して悲惨なことになるだろう。隠し味は少し足すから隠し味なのであって、ミートソースに醤油どばどばかけるのは隠し味ではないのだ。長野県人「え?ミートソースに醤油かけないの?」。割とどこの監督でもなぜか「ポゼッションで自分から崩すのがカウンターより一段上」と思ってるふしがあり、実際そりゃ崩せりゃ素晴らしいんだろうが、崩すためにはそれなりのクオリティを持つ選手とそれなりのアイデアを持つ監督がいなけりゃ無理であり、そういう選手と監督ってお高いのである。自分のチームの身の丈にあったサッカーをするのが本当の「自分たちのサッカー」ではないだろうか。なので湘南は来年はトレーニングにサーフィンを導入し、Jのビッグウェーブとなるべく努力していただきたい(適当なまとめ)。そういえば、永木はとてもいいボランチになってましたな。


・気になった人 チョウ・キジェ監督
昨年はJ2をぶっちぎりで走りきり、今年もJ1を席捲とまではいかなかったが、しっかりと走り抜いた。予算規模的に獲得できる選手が限られている中で、既存の選手を戦えるように鍛え上げた手腕はすごかった。もちろん山田直輝や大竹などうまく使えなかった選手も多いのだが、そこはまあしょうがない。欧州レベルでのインテンシティの重要性を知る監督であり、また攻撃だけでなくバランスも取れることも証明。今後はどうなるのかはわからないのだが、次の仕事としては地位もあり名誉もあり結果も残した代表クラスの選手にちゃんと言うことを聞かせて走らせる、というところになるだろうか。意外とこの仕事は簡単なようで難しくもあり、これまでの「教える」という方法以外のマネジメントが必要となってくる。そこをうまく乗りきれるかで大きいチームを指揮できるかどうかが分かれてくるだろう。まあ、本人は普通に海外とか目指してるのかもしれないので、そこを望んでるのかどうかはよくわからないのだけれども。とりあえず、もし湘南を辞めるとしたら来年はすぐに監督業をやらず、小倉さんの後を継いで最強クラスの難物である田中マルクス闘莉王を従わせる、あるいは風間大僧正の後を継いで大久保を殴る、という仕事で男を上げるといいと思う。




■9位 名古屋
また中位である。初期の低迷期とピクシーのわずかな期間を除けばずっと定位置にいるという驚異のチーム、それが名古屋である。今季は何をしたいのかよくわからなかったが、チームの要である田口@味噌煮込みシャビの長期離脱が最も痛かった。彼がいないことで中盤でボールが落ち着くことはなく、矢田が一人でボールを運ぶもそれだけでは限界があり、前線には川又、永井という代表の脳筋枠がヒャッハーしていたため、とにかくボールを適当に放り込んで彼らがなんとかするという不確実なサッカーに頼らざるを得なかった。西野監督は3バックにしたり、4バックにしたり、永井を左WBにしたり、ノヴァコ塾長に反乱を起こされたりしたが、最終的には「闘莉王を前線に送る」というエンゲルスメソッドを採用してなんかはちゃめちゃなままシーズンを終えた。個人的には闘莉王を前線に送ったのは攻撃のためよりも、ラインを高くしたいからという守備的な理由が大きいような気がするのだが、これは闘莉王には内緒な!な!こういう窮状を救うのは外国人枠なのだが、レアンドロ・ハゲミンゲスは長期休暇、ノヴァコビッチは戦術にフィットしないで反乱を起こし、ダニルソンは筋肉であるため、ほとんど役に立たず。来季はおそらく総入れ替えとなるだろう。ただ、光明も若干見えた。長期離脱していた野田がようやく復帰して前線のポストマンとして輝きを見せ、矢田はそのテクニックと献身性で田口のいない中盤を支え続けた。でも、西野監督は退任。優勝して下り坂のチームを引き受けたにしては、なんとか持たせたと思うが、特に優れた手腕を発揮したわけでもなかった。そして、後任で名古屋サポに激震。なんと監督未経験の小倉さんをGM兼任で爆誕させてしまったのである。小倉さんの監督としての指導力は未知数だが、戦術が一貫してるチームではない、外国人総入れ替え、元代表のうるさ型大ベテランがいる、という数え役満の不利な状況で成功してる絵が全然浮かばないのだがどうだろうか。正直、闘莉王とか楢崎が新人監督の言うことにちゃんと従う気がしない。少なくとも成績が悪くなってくると、田中マルクス闘莉王炎のオーバーラップが小倉監督に炸裂しそうなので、今から楽しみで楽しみで仕方がありません!大榎「レジェンドの」江尻「1年目は」名波「ほんとに」松波「地獄だぞ!」・・・森保「俺はそうでもなかったけど」。小倉監督の運命やいかに!


・気になった人 野田隆之介
移籍直後の大怪我からようやく復帰した直後に存在感を示したポストマン。川又、永井の「ポストプレイ?新しいプロテイン?」という脳筋系FWしかいなかったところに現れた救世主。ともかくボールが収まる。テクニックと体格を活かしたポストプレイとそこからの捌きは闘莉王の次くらいにうまかった、っていうか闘莉王が異常なんだけど。彼が入ることで足りなかったタメが出来て、前述の脳筋系FWも躍動した。長いこと試合にでていなかったのでスタミナには問題があって、試合終盤にはゾンビみたいになっていたが、それでも気力だけでボールを追う根性も披露。間違いなく来季もFWの軸として活躍するだろう。しかし、希望が見えた瞬間に骨折してシーズンエンド。なんか若干スペランカー的な匂いがしてきて少し不安感があるのだが、大丈夫なのだろうか。彼がいるといないとでは前線のクオリティと厚みが全然違ってくるので、是非とも来季の開幕には万全の状態で迎えてほしい。怪我には味噌を塗るとよいという名古屋治療メソッドがあるので、ちゃんと実践して怪我の養生に十分努めていただきたい。




■10位 柏
ユースからのシームレスでコードレスなサッカーや!!ほんとだ、つけてないみたいな感触!0.01mm!!と宿願のユースからの継続的なサッカーを目指すも、予想通り苦難のシーズン。テクニカルなユース上がりの選手には闘えるフィジカルが足りず、ネルシーニョヴィトーリア朝の主力はフィジカル的な要素は強いもののテクニックが足らず、ということで理想と現実の乖離は大きかった。その中でも吉田監督は我慢強く意志を貫徹。茨田をアンカーに使ったり、秋野、小林などのユース組を抜擢、出戻りの武富はレギュラーに定着した。しかし、それでも勝ちきれず。前半戦は鳴かず飛ばず、後半戦も序盤は調子がよかったものの終盤に来て失速。テクニカルな理想のサッカーをしたいのだが足りない部分が多いので、そこを人間魚雷クリスティアーノやエデルソンなどの外国人と工藤で埋めようとしたのだが、埋めきれなかった。ただし、途中でエースのレアンドロが出奔しながら、現実的な戦いでACLベスト8まで残ったのは素直に素晴らしいと思う。意識改革がよかったのか、大谷やエドゥアルド、輪湖、鈴木などは明らかにボールテクニックが向上していたし。まあ成績はかんばしくないけど、このまま我慢するんだろうなーと思ったのだが、まさかの吉田監督退任。なにこれ。ちょっとどういう内情でこうなったのかわからないのだが、ユースからのシームレスでワイアレスでセックスレスなサッカーなんてそんな簡単に実現するわけないのだよ。世界に名を轟かすバルサだって、ほんとにしょーもないくらい勝てない時期は長かったし、今の彼らの栄華があるのは、そういう時期でも一貫して同じ教育をしていたから。それを一年で方針を変えてしまうのは、そもそもどういうつもりで今年を始めたのかもよくわからん。吉田さんが自ら身を引いた可能性もあるが、代わりに呼んできたのがブラジル人のメンデス監督で、吉田さんもクラブを離れる見込みということは、クラブの方向修正は免れないだろう。ていうか、ほんとに来年からどうするんだろうなあ。


・気になった人 クリスティアーノ
甲府で人間魚雷としてよくわからない活躍をしていたので、柏にフィットするのかどうか不明だったが、見事に攻撃の最終兵器として機能した。ポゼッションチームの常として最後の部分で勝負できる選手がいないと手詰まりになるのだが、クリスティアーノはその超人的な推進力で決定機に多く絡んだ。とにかくめいいっぱいの力でシュートを枠外に外す、なぜそこにパスをするのかという視野20度くらいの奇跡の状況判断力も披露していたが、シーズンが進むにつれて、吉田監督の教育がよかったのか、徐々に改善。視野は20度から40度くらいまでにはなった。ただ、フィニッシャーとしての精度はいまいちだとしても、守備でもパワーとスピードを活かして働ける選手なので、ACLなどの苦しい戦いが多かったチームとしてはだいぶ助けとなっていた。移籍金の問題なのかなんなのか、柏には残らないことが濃厚。来季は甲府に戻るのかどうかわからないのだけれども、かなりプレーの幅を広げたので、どこでも活躍できるだろう。もしよかったら千葉にきてください。たくさんシュート外しても、そんなには怒らないから。




■11位 鳥栖
地味に爆死!ユンジョンファン監督の遺産をどうにかこうにかやりくりして5位に持っていった2014年から急降下。まあ予想されていたことではあるが、それでも割とぎりぎりのポジションとなってしまった。前政権時代の堅守はどこへやら、「ピッチのマッサージ師」である森下監督によって適度に緩められた守備は崩壊の一途をたどり、浦和には6点、神戸には7点取られて負けるというとんでもない試合までやってしまった。森下監督は途中から4バックを諦めて3バックにするなどして、あれほどコンパクトだった布陣は見る影もなく、ふつーのJ1下位のチームになったのは残念だった。まあ普通にやればこれくらいの順位にいる戦力なのだが。鎌田という大器を我慢強く使ったのは確かにがんばったが、肝心の大エース豊田が怪我で常時出場というわけにもいかないのが痛かった。豊田がいないと途端に点を取る手段がなくなってしまい、和製シェーン・ロングこと池田圭が適度に嫌がらせをするも、最終的に得点源はセットプレーからの谷口というどこの一時期の横浜FMだというふしぎなチームに。最終的に森下監督が作り上げたのは何をどうしたいのかよくわからないチームで、前に監督をした磐田もそんなんだったなあ、と。突撃一本槍だった武将に書を読ませ、軍学を教えたら、変に知恵がついて突撃しなくなってしまったという逆呉下の阿蒙。予算的に幅広い仕事ができる選手がたくさんはとれないので、タスクを限定するというのも監督の重要な仕事なのだよなあ、と思ったりもした。その点でユンジョンファン監督は優秀だった。さて、タスクを限定すると言えば、今話題になってる新監督候補のマガト軍曹。この人はタスクを限定と言うよりは、人権を限定することには定評がある。3部練習でとにかく走らせる、朝3時に叩き起こして練習を始める、怪我した足にチーズを塗ると治る、ヌーディスト・ビーチでランニング、とただの選手への嫌がらせではないか、と思われる練習方法もあるマガト監督が爆誕したら、もう本当に面白いだろう。元々走れる選手が多いので、それでハードワークを取り戻したら、走れるチームにめっぽう弱いJ1チームなので、意外とうまくいくのではないか。でも、たぶん1シーズンで水沼は死ぬと思うし、韓国人選手は軒並み反乱を起こしてマガトに銃殺されると思う。個人的には、毎年無人島で謎のシーズン前キャンプを行っている岡山の話を聞いたマガトが、選手に作らせた手漕ぎの船で鳥栖から瀬戸内に強襲するというシナリオが起きたらすっごく楽しいです。迎え撃つ岡山は手製の投石器で岩政を射出してください。そして、注目はいかにもITな感じのサガン・ドリームス社長の竹原さん。最終節終了後の挨拶で突然詩の朗読を始めてスタジアムを困惑の渦に陥れるという偉業を達成。来季は是非山田大記を呼び、ポエム対決で試合を盛り上げていただきたいものである。


・気になった人 吉田豊
安田がいなくなったサイドの代わりとして、をひたすら走り回って埋めた献身性の男。驚くようなボールテクニックやクロスは特にないのだが、試合終盤まで走り回って間延びしがちなチームを支え続けた。左右両方いけるのも非常にユーティリティー性が高く、4バックでも3バックでもいけるというのは使い勝手がよい。今シーズンほぼフル出場ということで、選手層がそんなに厚くないチームを支えていた。代表に入るとかそういう感じでは全然ないのだけれど、Jではとてもいいサイドバック。放出された清水がサイドバックとWBで非常に苦労して枝村とかデュークを使ってたのを見て、なんで吉田を出したのかさっぱりわからなかったなあ。闇である。サイズがないのでなかなかこれ以上というのは厳しいかもしれんが、まだ25歳と若いので、クロスにさらに磨きをかけるとより大きなチームからお声がかかるかもしれぬ。




■12位 神戸
ネルちゃんのヴィトーリアでVやねん!と鼻息荒く突撃するも、大爆死のシーズンとなった。序盤からチームは安定せず、まあ新監督だからしょうがないよね・・・(震え声)と我慢していたが、なかなかチームは軌道に乗らず。前半戦はこんなもんかと思ったところでなぜか途中獲得できたレアンドロも来たし、後半戦勝負だ!となったのだが、思ったほど伸びず。一瞬だけレアンドロ、マルキーニョス、森岡というトリオがJレベルではめったにみられないハーモニーを奏でて機能していたが、マルキーニョスを干したことでフェードアウト。そしてレアンドロも怪我で離脱という悶絶の展開。石津や渡邉千真、増山、PJを使うも決定打にはならず。終盤に渡邉千真が謎の大爆発を見せるも、もはや大勢に影響なし。チームの10番である森岡はボランチをやらされたり、トップをやらされたりと度重なる配置転換で明らかにキレを失っていった。最終盤になってようやくチームのスピードスター小川が復活するも時すでに遅し、という状況。またDFも最後までボランチが固定できなかった。チョン・ウヨンは3バックの中央だったりボランチをやらされたりしたし、三原はとにかく頑張っていたが、森岡と組まされると仕事量1.5倍になるため、それはさすがにきつい。最終版にはネルシーニョによって行動を制限されたミスター全方位プレスこと田中英雄がボランチをやったりもしてた。彼らが逃した相手の攻撃陣をCBはもろに受けることになり、高橋“クローズ”祥平、岩波、増川などはかなり苦労していた。もちろん彼ら自身の問題もあり、一度失点をし始めるとなかなか止まらないというのもあった。ネルシーニョは「大谷と栗澤いたらなあ」と思ったことだろう。こんな体たらくだった神戸だが、首切り妖怪ミキタニーは仙台にファックスを送ることに忙しかったようで介入はなし。来年ネルちゃんがどうなるかも定かではございませぬ。野球の方は来年は梨田さんが監督で、ミキタニーは適当にあしらわれそうなので、暇になってサッカーの方にファックスを送ってくるかもしれぬ。ネルちゃんはそのファックスに「グローバルならポルトガル語で書いてこい」と書いて送り返すといいと思うよ。


・気になった人 森岡亮太
とにかくどこで使ってもうまくてオシャレだった。日本の代表クラスでは一番なんじゃないかといういうくらい足元がうまいので、本当にハマったときは神のようなプレイを連発するのだが、ハマる回数が圧倒的に少ないという非常に使いづらい選手。守備のタスクを頑張ってこなそうとするのだが、それをやり過ぎると明らかに輝きを失っていくのがわかり、ネルシーニョもどう使っていいのか悩んでいた感じ。まあ確実にボランチではない。理想としてはトップでフラフラさせるバルビディアやフランサのような役割をさせるのがベストだと思うのだけれど、彼らほどの違いを生み出さないと収支が全く合わないよなあ、と。海外志向が強いそうだが、正直インテンシティの高いヨーロッパで活躍している姿が全く思い浮かばない。むしろ隣にいる石津のほうがまだ通用しそうな気がする。海外に行くもあまり試合に出れずに浦和に戻ってくるという姿がなんか想像できてしまうのである。神戸の妖精の運命はどうなるのか。


part3 に続く!!