食品の味には、基本として甘味・酸味・塩味・苦味・旨味の5つがあり、
他に補助味として、辛味・渋味・えぐ味があります。
味覚物質の味の強さを表現するために、味の閾値があります。
閾値には、刺激閾値(味覚刺激を感知できる味覚物質の最低濃度)と、
弁別閾値(2種類の刺激の違いを認識できる味覚物質の最低濃度)があります。
食品中の2種類以上の味覚物質が、相互作用を示すことがあります。
①相乗作用
2種類の呈味物質の刺激を同時に与えることにより、
それぞれ単独に存在する場合の感覚量の和でなく、
それ以上の感覚が感知される。
例:かつおと昆布で、美味しい出汁。
②対比効果
異なる呈味物質を同時にまたは継続して与えたときに、
一方の味の刺激が他方の味の刺激により強められる。
例:おしるこに塩をいれると、甘味が増す。
③相殺効果・抑制効果・マスキング効果
複数の異なる味が共存するとき、一方または双方の味が弱まる
(あるいはまったく感じなくなる)ことをいう。
例:夏みかんに砂糖を加えると、酸味も甘味も弱まる。
④味覚修飾(味覚変革)
ミラクリンというたんぱく質は、それ自体甘くないが、口に含んだあと酸味を甘く感じる。
例:ミラクリンはアフリカ産ミラクルフルーツの実に含まれ、食べると酸味はなくなり甘く感じる。
⑤味覚抑制
ギムネマ酸を口に含んだ後、甘さを感じない。
例:ギムネマ酸は、インドで自生するギムネマ・シルベスタの葉に含まれる。
私たちが、口にしている料理もこうした観点からみると、
料理の理は理科の理かなと思ってしまいます。