●これからの管理栄養士
アメリカは、ご存知、高度肥満社会である。
実は、アメリカの栄養士の技術レベルは高い。
しかし、食品関連のコマーシャルの激化、
安価な特大サイズのジャンクフード、
大皿てんこもりの料理がレストランに出されている環境なので、
肥満が食い止められないでいるのも事実。
アメリカを反面教師とした場合、やはり消費者が頭で考えて、
知的に食べるものをサポートすることも1つの方法である。
宣伝に踊らされず、欲望の赴くままでない食の在り方。
知識の啓発だけでは、なかなか壁を乗り越えらえそうにない。
たとえば、食品業界の政策からのアプローチ。
マーケッティング戦略から栄養士が参加することも、有効かもしれない。
●コミュニケーションの幅を広げる
そのことを踏まえても、社会においてより管理栄養士が活躍するためには、
それぞれの領域で、関連する他の分野の人とのコミュニケーション能力は大切である。
医師、看護師などの医療従事者、飲食店、食品会社、研究機関、マスメディア…。
人々と交流しながら、いっしょにつくり上げていく。
そこで、自分の専門外のことは学び、自分の専門は伝えていく。
このようなコミュニケーションを通じて、管理栄養士の仕事は理解されていく。
他とのコミュニケーションは、単なる情報交換だけでなく、
私たちが何を求められているのかを、再認識させられる動機づけとなる。
●自分の専門性を高める
コミュニケーションが活発なほど、自分の役割りを考えさせられる。
専門性を高めることが、他の分野の方々と共同で行うメリットがある。
管理栄養士としての専門職のなかの、「自分の役割は何であるのか」。
もちろん興味好奇心関心は、幅が広いほうがいい。
たくさんの情報の中から、自分に必要なことを学ぶことで、専門性は高まり、個性につながる。
そのことがまた、コミュニケーションを活発にする。
「自分の役割は何であるのか」、そのことを把握するのは容易ではないし、時間とともに変化する。
しかし、そのことを認識し、お互い助け合っていくことで、効率よく仕事ができると思う。
●多くの場で
食の専門家であり、食のプロである管理栄養士の活躍の場は、まだまだ少ない。
病院、保健所、学校以外でも、もっと多くのステージで活躍していくことが、
今後の管理栄養士の姿だと思う。
私自身も、人々が心身ともに健康になりたいというニーズを満たす「食」を追求し、
ベースにしながら、クリエイティブ精神を磨いていきたいと思っている。