昨日に続き

千葉県、宗田マタニティークリニック、宗田先生からのシェアをハート♡



“メディカルトリビューンに掲載された


アメリカの変化をよく物語るインタビュー記事を紹介しよう。

アメリカでは昨年、糖質制限食は、

アメリカ糖尿病学会(ADA)で公認されています。

【糖質でなくケトン体を主要なエネルギー源に】

山田 日本では糖質制限によるケトン体の増加を懸念する

声が強いのですが,いかがお考えですか。



Westman ご承知の通り,三大栄養素の中で炭水化物,
つまり糖質だけが血糖値を直接上昇させる栄養素であり,
糖質を制限して血糖値の上昇を抑えることは糖尿病治療において理にかなっています。


そもそも,現在ほど糖質をヒトが食べるようになったのは,
太古からの人類の歴史からすればまだ非常に最近のことです。

一方,体内燃料としてのケトン体は健康的で,良いものであり,
グルコースよりも毒性が低い。

私たちが厳格な糖質制限食を実践しているのは,
糖質中心の食生活から狩猟漁猟時代のより
自然な食生活に近づけることで
体内の主要エネルギー源を現在の「糖質と脂肪酸」から
以前の「脂肪酸とケトン体」へと戻し,
インスリンの作用でため込まれた余分な脂肪を燃焼する経路を
活性化することを意図しています。

クリニックでは,20g/日未満に炭水化物を制限すると
尿中ケトン値は上昇するとまず患者全員に説明していますし,
「脂肪を燃焼するために脂肪を取りましょう」と話してもいます。

まれに,ケトン体は炭水化物50g/日程度でも上昇する例もあります。
ですから,ケトン食の定義は20~50g/日としてよいかもしれません。

ケトン食の実践では体重や血糖値の劇的な改善を経験することも
よく認められるため,定期的な血液検査と医師による
診察を受けることが重要です。


Yancy Jr. 肥満の2型糖尿病を対象としたBodenらの研究では,

ケトン食の開始から3日で尿中ケトン値が急激に上昇しますが,

その後徐々に下降してくることが示されています。

これらは体内でケトン体がエネルギーとしてよりうまく消費されるよう

になった結果ではないかと推察しています。


山田 ケトン食を実践している日本人のデータでは,

尿中ケトン値が出ていなく,血中ケトン値が上昇している例があります。



Westman 私にも同様の経験があります。

内因性インスリン分泌が保たれているか,

あるいはインスリンを投与していれば,

糖尿病性ケトアシドーシスを来すことはまずありません。


糖質制限で血中ケトン値が上昇したといっても,

それは糖尿病性ケトアシドーシスとは全く異なるものです。

いたずらに恐れる必要はありません。



Yancy Jr. 私たちの研究のサブ解析で,

血中および尿中ケトン値と動脈血のpH値を測定したものがありますが,

pH値に変化はなく,重炭酸値がわずかに減少していました。

これは,明らかに血中ケトン体の中和が適切に行われていたと考えてよいと思います。



Westman ですから,今後の研究としては尿中よりも

血中ケトン値に注目しています。

糖質制限を導入して5年余りたちましたが,患者を診れば診るほど,

糖質制限で懸念されていた問題は現実には非常にまれであることが分かってきました」”。