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「多くの人間は、糖質は運動に必要だと信じるような罠に陥っています。

 これが、マラソンランナーやトライアスロン参加者が

そのイベントの前夜にパスタパーティーを主催したり、

その会場では、彼らのパフォーマンスを上げるとされる高糖質の

スポーツドリンクやエナジーバーのスポンサ-が

それらの商品をずらりと並べている理由です。


しかし、事前のカーボローディング(糖質の体への搭載)や

運動中の糖質摂取は不必要なだけでなく、

それらは結果的には体に「有害な影響」をもたらします――

長年健康的な運動をずっとやっているにもかかわらず。



それはすべて、50年前に運動研究家が言い出したことに始まります。

「食事を制限しなかった運動選手の体内で糖質供給が途切れ

てしまうと、最初の週の運動成績は落ちてしまう」:

疲労のピークは早くなり、特定の自転車競技、

ランニング、水泳や他の運動を完了する時間がより長くかかる、と―。


これは、何回も裏付けされ、

その最初の週の落ちた成績も実際観察されたために、

運動の前と途中にカーボローディングすることが

成績を上げるという定説につながっていきました。


それらの初期の研究が見落としたこととは、

もし糖質が急激に制限されて、

それでも3、4週間かもっと経過するのを待ってみたなら、

選手の運動成績はまた回復して、

糖質制限前のパフォーマンスレベルも

上回るほどにさえなり得たということです。

(運動選手以外のほとんどの人にも言えることですが) 

カーボ抜きのケトーシス状態にして普段から鍛えている

スポーツ選手でさえも、成績が落ちることはなかったのです。


カーボローディングやエクササイズのための糖質は

筋肉や肝臓のグリコーゲンが減っていくにつれて

また補給・貯蔵するために使われます。


グリコーゲンとは、長い糖の鎖で、

エネルギーの必要に応じて燃やされます。


平均的な人では、グリコーゲンとして蓄えられている

エネルギーは40分かそこらしか持ちません


一旦それが切れると、例えば自転車を12マイル精力的にこいだとして、

ある時点で「壁にぶち当たる」とか俗に言われるような、

エネルギーの急激な低下がやってきます。


それゆえに従来の知恵では、

炭水化物や砂糖を事前にしっかり摂っておくか、

手軽に糖を摂れるように、

熟れたバナナ、スポーツドリンクやエナジーバー、

飲むゼリーや他の市販されているような食品を

携帯するかをするとよいといいます。


これらのやり方は、確かにグリコーゲンを補充するべく

糖のコンスタントな流れをもたらす一方、

それらは高血糖値の急上昇を引き起こし、

糖化(糖が体のたんぱく質と結合して変質すること)につながります。


それが長年にわたって何度も何度も繰り返されるなら、

白内障、内臓脂肪の蓄積、関節の軟骨の劣化やリウマチ、

早期の認知症や他の症状へとなっていきます。 


そのような砂糖たっぷりの商品の消費はまた、

消化器官における浸透作用(水分を体内に滞留させること)を生じさせます。


これが、マラソンルートにたくさんのポータブルトイレが用意されて

いたり、人々が経験する嘔吐や下痢の理由となっています。


またそれは、筋肉や肝臓のグリコーゲンを補充するために、

エネルギーを蓄えられた脂肪から

引っ張ってくるという、

本来ヒトに備わった機能を

オフにしてしまい

あなたは糖質がコンスタントに入ってこないとやっていられないようになります。


Wheat Belly生活(小麦/穀物抜きの食生活)を始める目標の一つが、

肝臓や筋肉にグリコーゲンとして蓄えられている糖に

頼らないようになることです。


本当の健康法とは、健康を損なうのではなく、

健康を増進して体重を落としていくのを妨げないようにすることです:

運動前と最中にそのような甘い食品を摂ることをお止めなさい。

 ただしこのアプローチは、あなたが穀物や砂糖を消費しないという

Wheat Belly生活を実践していて、

糖質を一回の食事で実質15g以下に制限している場合

(糖質=炭水化物総量‐食物繊維)、

そして数日に渡る解毒/禁断症状の過程も乗り越えて、

それからさらに4~6週間の期間を置いた場合にだけ、

効果が発揮されてくるものです。


この最後の一か月かそれ以上待つという部分が、

エネルギーの主な源をグリコーゲンから脂質へと移行するのに

体が必要とする時間になります。


言い換えるなら、筋肉や肝臓は40分に渡る

精力的な肉体的活動を支えるような

十分な糖エネルギーを含んでいますが、

蓄えられている脂肪には(それがほっそりした人でも)、

何週間も供給できるような十分なエネルギーがあるのです。 


それゆえに優秀なアスリートは、

肝臓のグリコーゲンでなく脂肪を優先的に燃やすべきです


(大昔に野生で暮らしていることを想像してください、

あなたが次の食事になるもの、

例えば傷ついた動物を追い込まなくてはいけないとして、

4時間以上にも及ぶ追跡で―― 

体に燃料を補給するために、エナジードリンクやゼリーが周りにあると思いますか? 


相当なエネルギーを、体に蓄えられている脂肪から引き出す方が筋が通っていませんか? 


それが、人間が何万年もの間行ってきた事なのです。


そして、それこそが、健康的な現代人がすべきことだったのです――

間違った解釈がそれをめちゃくちゃにしてしまうまでは)


小麦/穀物も除去して糖質制限した後でさえ、多少の糖質を取り込む

ことが、あなたの今までのパフォーマンスレベルを達成するのには必要、

という思い込みにあなたは今まで陥っていたかもしれません。


しかし、これも、低糖質食を4~6週間

(=エネルギー源に脂肪を使うという

能力を最大限に高めるのに必要とされる期間)

継続してやることによって、

必要なくなってしまいます。


ですから、もしあなたがWheat Belly生活をしながらも

高い肉体的パフォーマンスを目標とするなら、

最初の4~6週間は、運動成績が落ちてしまうことを覚悟せねばなりません。


この期間後、成績はまた上がり、たまに糖質制限を始める前の成績さえ超えることもあるでしょう。



炭水化物や砂糖がいくらか役に立つ唯一の時は、

究極の持久レースをしている時、例えば14マイルマラソンとか、

50マイルの自転車競技、それに類似した激しい長時間の運動をして

いる時であり、ズンバを一時間やるとか5マイルマラソンぐらいでは決してありません。


そんな激しい運動時でさえ、競技の最中には、

ちょっとした量の糖が必要となるだけです:バナナ一本やスポーツ

ドリンク一飲みなど、エネルギーを維持するために必要とされる25gほどの量が。


この、低糖質で高いパフォーマンスが持続できるという

新しい概念がより多くのエリート選手の間で広まっていくにつれて、

自分の競技中の燃料補給に、

炭水化物や砂糖ではなく、

水と電解質以外何も必要ないことを実際に体感する人が増えています。


それでも最高のパフォーマンスを、

40分だけでなく数時間持続することができるのです。


小麦や穀物抜きの生活における、他の恩恵を享受しなさい:

関節や筋肉のより大きな柔軟性、

足やその他の部位のむくみ(水分滞留)がないこと、

クリアーな思考、消化機能が阻害されないこと、運動後の素早い体力の回復など。 

このライフスタイルは、運動能力の新基準となっていくでしょう。


Dr.William Davisのブログ記事:http://www.wheatbellyblog.com/…/04/wheat-belly-for-athletes/

訳:トンプソン真理子