古川先生が勢力的にメディア発信されているので
わたしも微力後押し!
みなさんで医療をかえたいですね!
「がん細胞が主な栄養源としているのは、
炭水化物から合成されるブドウ糖。
一方、正常細胞は、ブドウ糖の供給が途絶えても、
「ケトン体」という緊急用のエネルギーを作りだすことができる。
ならば、がん患者の体質をケトン体依存に変えれば、
がんが治療できることになる。
その具体例を、『ケトン食ががんを消す』(光文社新書)を
上梓したばかりの古川健司氏が解説する。
※
私たち人間が生きていくためには、
炭水化物(糖質+食物繊維)、
タンパク質、脂質という三大栄養素が、
必要だと言われています。
厚生労働省が作成した「日本人の食事摂取基準2015年版」には、
エネルギーを得るために推奨する三大栄養素の摂取割合は、
炭水化物50~65%、タンパク質13~20%、脂質20~30%と明記されています。
炭水化物の割合が高いのは、そのなかに多く含まれる糖質が、
脳や肉体の生命活動を維持するための主要なエネルギー源と考えられているからです。
さて、ここで質問です。あなたが「日本人の食事摂取基準」を遵守し、
総エネルギーの60%を糖質でまかなっているとします。
その糖質を全エネルギーの10%以下、それも0%へと可能な限り
引き下げてみたらどうでしょうか。
「冗談じゃない」という声が、どこからか聞こえてきそうです。
「そんなに極端な糖質カットをしたら、頭の働きは鈍るし、
第一体力が持つはずがない。これでは、仕事どころか、
日常生活にも支障をきたすじゃないか」と。
はたして、本当にそうなのでしょうか。
実は、私が目下、がん治療に取り入れている
「免疫栄養ケトン食」は、まさにこの極端な糖質制限を
拠り所としているのです。
もちろん、血液データその他を吟味しつつですが、
なかには「糖質95%カット」を実施している患者さんもいるほどです。
免疫栄養ケトン食とは、私が臨床栄養学に基づいて作り上げ、
2015年の臨床研究の成果をもって本格的にスタートさせた、
がん治療に特化した栄養療法です。
2014年、抗がん剤効果が期待できなくなったステージ4の
乳がんの患者さんに、炭水化物の摂取を極端に控えた
糖質制限食を指導したところ、まもなく3センチ大の腫瘍がほぼ消失。
肺転移と皮膚転移の一部も消失し、QOL(生活の質)が大きく改善されました。
免疫栄養ケトン食の3か月以上の実施者は、
この乳がん患者さんを含めて18人。
その治療成績を見ると、がんの完全寛解(消失)が5人、
がんが30%以上消失した部分奏効が2人、
がんの進行制御が8人にも上り、増悪(悪化)はわずか3人にすぎません。
完全寛解が部分奏効よりも多いのは、がんの顕著な縮小や
転移巣の消失によって、手術に持ち込めた症例が多いためです。
完全寛解率は約28%。完全寛解も含めた奏効率
(がんが消失、もしくは縮小した患者さんの割合)は約39%。
進行制御を加えた病勢コントロール率に至っては、実に83%にも上っています。
しかも、実施者の多くは、ステージ4のがん患者さんです。
ステージ4と言えば、いわば末期と呼ばれる状態で、
この時点で医師の多くは「もはや打つ手なし」と、治療の匙を投げてしまいます。
それを考えると、奏効率39%、病勢コントロール率83%という数字は、
まさに驚異的であり、これまでの医学界の常識を覆したと言っても過言ではありません。
私の免疫栄養ケトン食では、炭水化物を極端にカットする
代わりに、健常者の約2倍のタンパク質を摂取するようにしています。
ごはん、うどん、パン、パスタなど主食となる炭水化物は、
一日3食すべてでNG。
かわりに、良質なタンパク質と脂質をメインにした食事に切り替えます。
タンパク質を豊富に含んだ食べ物には、魚介類や肉、大豆、
卵などがあります。
タンパク質が豊富でも、炭水化物も豊富に含まれている食べ物は、
基本的にNGです。
青魚など魚介類の刺身は積極的に摂取する必要があります。
肉は、飽和脂肪酸の少ない鶏肉(皮はNG)や牛・豚のヒレ、
モモ肉を選び、脂身の部分をできるだけカットして食べます。
鶏肉に関しては、羽を動かす胸肉を推奨しています。
なかでも、何万キロも休みなく飛び続ける渡り鳥の胸肉には、
イミダゾールジペプチドという抗疲労成分が豊富に含まれており、
これが驚異のスタミナの源泉になっています——。
(引用:『ケトン食ががんを消す』)」