のつづき。
詳細は、
「ケトン食ががんを消す」を読まれるとよいでしょう。
「糖質の摂取を「限りなくゼロ」にするケトン食療法
この食療法の基本となるのは、
主食である炭水化物の極端なカットです。
その代わりに、免疫機能の指標となる
たんぱく質(魚介類、大豆類、肉などから摂取)と、
がんの進行と炎症を抑えるオメガ3脂肪酸のEPA
(エイコサペンタエン酸。魚の刺身やアマニ油などに含まれる)
の摂取を強化し、さらに、その燃焼性の高さからケトン体の
産生を強力に促してくれる中鎖脂肪酸(MCTオイルを主に活用)を、
1日数回に分けて摂取するようにしています。」
亜麻仁油は、
酸化しやすいので
遮光瓶に入ったものをおススメしています。
亜麻仁油、MCTオイルは
加熱不可ですのでサラダにかけたり
料理の最後にかけるといいでしょう。
「食事メニューの詳細、栄養の組み合わせなどは
『ケトン食ががんを消す』に譲りますが、
こうした高脂肪、高たんぱく、低糖質のケトン食に、
抗がん剤や放射線などの化学治療を併用すると、
患者のがん細胞が縮小、消滅する確率である
「奏功率」がアップすることも、私の臨床研究で明らかになりました。
この食事療法は、3カ月の継続をベースに、実施の安全性が
確認されている1年までを目処に行われます。」
赤字が大切!
私も古川健司先生も
ケトン体は緊急用エネルギーなのだと
思っています。
「参加者の臨床開始から3カ月後時点での病勢の
中間報告によれば、PR(部分奏効)が6例、SD(進行抑制)が1例、
PD(増悪)が2例となっています。
血中の最高ケトン体数が1000μM/ℓを超えると、
がんは縮小する傾向にあることが見て取れます。
さて、この9例の1年後の評価はどうなったのでしょうか。
3例がCR(完全寛解)、3例がPR(部分奏功)、
1例がSD(進行抑制)、2例がPD(増悪)による死亡と、
奏効率が67%、病勢コントロール率が78%という結果になりました。
臨床対象者以外の免疫栄養ケトン食実施者も含めると
(総勢18人が3カ月以上実施)、その病勢コントロール率は
83%にものぼり、免疫栄養ケトン食と化学療法の併用の有意性が、
さらに明確に示されています。」
「「ケトン食」の実施が危険な人もいる
ただし、この極端な糖質カットによる免疫栄養ケトン食をすべての
患者さんに実施できるわけではありません。
肝臓にがんの原発巣(最初に発生したがん)を抱える患者さんや、
先天的な要素が関係するⅠ型糖尿病の人には、
適用することができないのです。
まず、肝臓にがんの原発巣がある場合は、
ケトン体を合成し、全身に送り出す役割を担う肝臓が、
ケトン体をエネルギーにできないことが理由になります。
また、Ⅰ型糖尿病の場合は、血液や体液の濃度が
酸性に傾く「ケトアシドーシス」が多く見られることが理由です。
このケトアシドーシスに見舞われると、嘔吐や頭痛、頻脈、
ひどいときには昏睡の引き金にもなりますので、注意が必要です。
私の臨床研究でも、PD(増悪)によって亡くなられた上記の2例は、
インスリンや内服薬の導入はなかったものの、
いずれも生活習慣によるⅡ型糖尿病の傾向が見られました。
理屈から考えれば、Ⅱ型糖尿病でも緩やかな糖質制限を行えば、
血糖やがんの病勢をコントロールできるはずでしたが、
こうしたことから糖尿病の患者さんに対しては、
現時点でケトン食を推奨できないという残念な結果が導かれています。
しかし、インスリンの働きが正常である限り、
ケトン体がいくら増えてもケトアシドーシスを引き起こさないことが、
私の臨床を含めた多くの臨床研究から明らかにされています。
免疫栄養ケトン食を3カ月以上にわたって継続した、
糖尿病のない患者さんの総ケトン体数と、血液及び尿が酸性か
アルカリ性かを示すpHを調べてみると、
ケトン体数が異様に高いにも拘らず(基準値は28~120μM/ℓ)、
血中pHと尿中pHのいずれも、基準値内に収まっていることが分かります。」
とはいえ、いずれにしてもがん治療におけるケトン食療法は、
素人判断で行うべきではありません。
がん患者の栄養管理や食事指導内容や抗がん剤などの
副作用対策に精通した、医師の指導のもとで行われる必要があります。
そのためにも、日本病態栄養学会が認定する
「がん病態栄養専門管理栄養士」の充実と、がん治療に特化した
食事療法の保険適用化の実現が、何よりも急務になるでしょう。」
私も実際に、この臨床研究に参加された、
ステージ4でも元気な患者さんたちをみていると、
ぜひ専門の医師の指導で行われることと、
保険適用化の実現を願ってやみません。
http://toyokeizai.net/articles/-/144042
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