ケトン体回路の回し方3
ケトン体か糖かは……細胞に組み込まれている!⇒旧石器時代がカギ

よく「日本人の体にはお米が合っている」とか「食事に主食(ご飯)は欠かせない」などと耳にします。果たして本当にそうでしょうか。
考えてもみてください、精製された白米や白糖を人間が摂りはじめたのはたった200年前からなのです。そもそも人類が農耕をはじめたのは1万年前で、それまで250万年ものあいだ、魚を含む動物の肉や内臓、木の実、自然に生えているきのこや植物などを食べていたわけです。その長い長〜い肉食自然食生活に比べ、人類が炭水化物を摂取するようになったのは、なんと最近のことなのでしょう!
しかも、飢餓時代が長かったため、人間の体は、万が一食べ物を摂取できなくとも、生きるために血糖値を上げるホルモンをたくさん備えるようになりました。グルカゴンやアドレナリンなどがそれです。ところが血糖値を下げるホルモンは、といえばインスリンたった1つだけ。糖質はぜいたく品でめったに手に入らなかったため、わざわざ血糖値を下げる必要もなかったのです。
人間の体のしくみそのものは、昔と変わっていません。つまり、脂質代謝はDNAレベルにインストールされた私たちの本能なのです。それに比べて糖質は、ごく最近食生活に摂り入れられるようになったために、代謝がこなれていません。お米やパン、パスタなどの炭水化物に慣れているというならば、×250倍で肉食自然食に慣れているのが私たち人間なのです。