私が勤めていた会社に、「お父ちゃん」と呼んでいた大切な人がいました。いつも明るく元気で、口が悪いのに憎めなくて、凄く私を可愛がってくれた。病気になった時も、「お前と代わってやれたらな。」と言ってくれました。
お父ちゃんは血圧が高く、いつも健康診断で引っ掛かっていて、私はいつも「タバコやめて、コーヒーも減らしなさい!」って口がすっぱくなる程言っていました。
あんなに元気だったのに、血圧以外悪い所もなかったのに、それなのにどうして??
だからあんなに言ったでしょ?「俺は病院嫌いなんだよ!」じゃないよ。
そんな事言ってるから、こんな事になっちゃったじゃない。
娘さん、泣いてたよ?奥さんなんて、憔悴しきってるよ?
「前兆があったのに、病院に連れていけばまだ間に合ったのに、悔しい…」って、沢山の後悔を残してた。
お父ちゃん、命は一つしかないんだよ。自分が大切にしないといけないんだよ。皆が悲しむんだよ。何でそんな所で寝てるの?冗談キツすぎる。早く起きてよ!いつもみたいに、「おっ!?なんだお前、元気か?ワシは元気だよ!元気分けようか?」って笑ってよ!
どうして酷い頭痛で、吐き気まであったのに、病院行かなかったの?
体は大切にって言ったじゃない!注射が嫌いなんて言ってる場合じゃないでしょ?まだ言いたい事は山程あるのに、いつものように言い返してくれないと、張り合いないじゃない。私の声、聞こえてるでしょ??
お父ちゃん、起きてよ!
繰り返し繰り返し、同じ言葉を言っていた気がする。あまりのショックで他に言葉が見つからないよ。でも、凄く綺麗な顔して、若返ったようだよ。笑っているみたい。
きっと泣いてる私達をみて、いつものように笑ってるんだろうね。
お父ちゃん、これまでありがとね。後何十年かしたら、私もそっちに行くから、それまで見守っていてね。ただし、またそっちで再会したら、お説教だけどね。覚悟しておいてよ!!
だからさよならとは言わない。またいつかね。
どうかどうか、安らかに眠って下さい。
いつまでもわんぱく小僧のようだったお父ちゃん、大好きだよ。