自殺総合対策大綱の改正についての声明 | いのちリスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン
2012-08-28 13:38:40

自殺総合対策大綱の改正についての声明

テーマ:事務局より
すでにニュースなどで報じられていますが、本日8月28日、自殺対策の新大綱が閣議決定されました。これまで「いのちリスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン」では大綱改正に向けて様々な取り組みをしてきた経緯から、今回の新大綱を迎えるにあたり、以下の声明を出したいと思います。

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自殺総合対策大綱の改正についての声明

2012年8月28日
いのちリスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン

本日の閣議決定で「自殺総合対策大綱」が5年ぶりに改正されることとなりました。

年間自殺者が3万人を超える日本の状況を改善させるための方針として、新大綱において性的マイノリティの自殺対策について具体的な言及がなされたことを私たちは高く評価します。

特にこのたび性同一性障害のみならず性的マイノリティという言葉を用いることで性に関する誤解や無理解が生み出している生きづらさの問題に幅広く焦点があてられたことに注目し、今後に大いに期待していきたいと考えています。

私たちは、LGBTなど性的マイノリティの自殺対策に取り組む民間団体として、日本社会において無理解や孤立の中へと置き去りにされている多くの性的マイノリティの声を社会に向けて発信してきました。
いまだに学校や家庭、職場内において、誤解や偏見にさらされることが多い性的マイノリティは、悩みを抱えても相談できる場所の乏しさなどから非常に孤立しています。調査では性的マイノリティの6割が自殺を考えた経験を持ち約15%が自殺未遂経験者という深刻な現状が指摘され、これまでにも私たちはかけがえのない仲間たちを失ってきました。新大綱に基づいた対策は急務となっています。

性的マイノリティのうち性同一性障害については、今日では社会的にも少しずつ認知があがってきていますが、同性愛や両性愛などの性的指向(恋愛や性愛の対象となる相手の性別の在り様)におけるマイノリティについては、いまだに「お笑い」「個人の趣味」などと片づけられることが少なくなく、当事者の心労は深刻な状況にあります。

このような状況を打開するために新大綱が十分に機能し、孤立や不安を覚える人々が、一日でも早く「安心できる日常」を取り戻すことができるよう、当団体としても今後の動きに注目し強く期待したいと思います。
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