無知は至福、という英語の諺がある。
何も知らないと言うことは、素晴らしいこと。

どんなに深い考えも、
バカとか若さの前では全く無力。
どんな細やかな思いやりも、
おそらく記憶にすら残っていないのだろう。

ホテルマンなんかだと「こちらの気遣いに気付かれない」というのが、
一番良いもてなしだとか、

素晴らしい気遣いだとかいうのかもしれないけれど、
あいにくこちらはそれが商売でもないので、

ぶっちゃけ、多少は気付いて欲しいなと思ってしまう。

「どうせこいつには通じないだろうなー」
なんて思いながらやっていた事なんかも、
「あー、やっぱり通じなかった」と思ってしまう。

ふー。やれやれ、だ。

逆に何も知らないのは強いよ。
なんでも言えるし、なんでも出来るからね。
それに、その若さに押されて、或いはバカのタワゴトを信じて、
周囲が一歩譲ることによって、成功してしまうこともある。
これこそ瓢箪から駒なのだろうか。
嘘から出た誠なのだろうか。

周囲の思惑に鈍感というのはいいよね。
相手がだめ押ししようとすると、曖昧な方法だと分からないジャン?
ずばっと言わなきゃならないから、
そこでしっぽを掴むことが出来る。

太公望のフリをして、実は剣の達人・・・みたいな昔の人。
すごい兵法学者なのにバカを装う人。
こういう賢人の気持ちが分かる気がする。

才気走って、いろんなことを口にするのは、小人。
自分を賢く見せたいのは、子供。

本当に賢い人は、難しい内容を平易な言葉で書くというけれど、
バカな顔を平気ですることが出来るのが
もしかしたら最強なのかも知れない。