全ての病気の中で、精神病って一番難しくて複雑な領域だと思う。

一昔前だったら鬱も無かった世界。
だって人々は生きるのに必死だったから。
きっと鬱だのひっきーだのになっている余裕なんてなかったんだろうな。
どーしてもダメなら自殺する。

そういや今、一時期に比べて自殺が少ないような気がする。
まあ、社会人なんかが金策に困ってっていうのは不景気だからあるんだろうけれど、
経済も、あまり実感がないものの、一応回復しているようだし、
悲惨な自殺の話は聞かなくなったなあ。
かわりにヒッキーやヲタクや精神病ばかりが目に付く気もするけれど。
ということは、人々は自殺する気力もなくなって、
ゆるーくたるーく生きているという事なんだろうか。

これって結構実感ともなって分かるような気がする。

だって、最近の人たちって、ホントなに考えているかわかんないぐらい、
やる気はないし、めちゃくちゃだし、その日暮らしだし。

ま、逆を言えば、そんな時代だからこそ、
きっと「頑張れば報われる」世界になるのかもしれないと、
ポジティブにあたしなんかは考えているんだけれどね。

でも、いずれにせよ、
みんな、おそろしいぐらいなに考えているかわかんない。
楽しいことが好きなのは分かるけれど、
その「楽しさ」が共有出来なかったりするし、
何よりも気力のなさ、がんばることが出来ないトコに危機感を感じる。
こんなんで、将来、この社会をこの人達に渡してしまっていいんだろうか。

多分、ほどほどを知ってしまっているからなんだろうな。
上に行くにはがんばらなきゃ。
そしてがんばることは、正直しんどい。
(そこらへんが甘いと思ってしまうのだけれど)
上に行っても、ホリエモンみたいに逮捕されて終わってしまうかも知れない。
そして、下へゆるく転がり落ちていってもたかが知れている。

きっと、そんな中で、ニートやらヒッキーやらが増えていくんだろう。

睡眠薬や安定剤を飲んでいる人も増えている。

周囲が甘やかすから、或いは病名がついてしまうから
精神病って言うのは病気として確立されてしまうのではないんだろうか。
これがちょっと切り口が変わると、「精神病を作れる」という状態になるのでしょう。

「おかしい」人はこの世界にはたくさんいるんだけれど、
その「おかしい」ってのも随分幅があって。

何が正しいのか、何が正常なのかっていうのは或る意味哲学的な気もする。

はみ出す幅、はみ出す方向。
そういうものがいろんな特質を作っているような気がする。
「天才」と呼ばれる人たちも、「規格外」。
占いや予言なんかの方向にはみ出している人だっているだろう。

全ての人間がマイナス方向に飛び出しているわけじゃない。
そして、一見マイナス方向に飛び出している人だって、
才能の生かし方によってはプラスに転化することだってできる。
例えば殺人の天才だったら、それ自体はマイナス要因かも知れないけれど、
戦争地帯で傭兵になれば、きっとそれはプラスになるはず。

何が精神病なのか。

そこらへんの基準は果てしなく曖昧。