…という名の魏文帝ファンによる愛情表現(笑)

まずは一番の汚点とされる甄洛に死を賜った話。
これは正室の地位を狙った郭氏の讒言のせいで…まぁ信じるほうも信じるほうだと思いますけど。
「短歌行」に顕れてるように曹丕は疑心暗鬼だったのかも知れないな~。
有能な部下はもちろん、身内だっているのに「我孤煢独」と明言してるくらいだし。
当時の宮廷なんて物理的に自由なだけの牢獄みたいなもんです。
常に側近や世間の目がついて回り、悪評立てば帝の肩書きなど意味を成さないと分かっていたが故に、人に嫌われる事を過度に恐れていた気がします。
実際、後継問題の時も一時は曹植が優勢で、時勢に見合った才知(結局、曹植の詩作が所謂"一般ウケ"だったので)の前に長男の肩書きが役立たない事を知っていたはず。
そんな中、正室が恨み言を漏らしていたと聞けばそこから身の危険を察知してもおかしくないです。
でも、そこは聡明な曹丕のこと。
すぐに感づいて甄洛の自害を止めに行ったが時既に遅し…だったというわけです。

話が前後しますが後継になれなかった曹植のほうはもっと居ずらかったでしょうね。
何とか切り抜けて殺されずには済みましたが、やはり中央から遠ざけられ居場所をなくします。
曹植派だった丁儀とか楊修とかは悉く殺されてますしね。
そもそも曹丕は個人的にブサイク丁儀が嫌(ry
それでも曹丕と曹植は最後まで仲の良い兄弟だったと私は思ってます。
この辺は私が尊敬する陳舜臣先生が全てを仰ってくれているので、あまり偉そうに語るのもナンですが…。
結局、後継者"争い"をしていたのは側近ですからね。
曹丕は特別自分が皇帝になりたかったのではなく、曹植が選ばれたならそれはそれで補佐するという考えを固めていたみたいで。
弟の才は認めてますね。
必要悪とはいえ側近に引き離されてしまったようで可哀想。
当事者の曹操もちょっと後継に関しては甘く見てた感がありますね。
カクにそこはかとなく袁家の話を持ち出されてやっと危機感覚えたくらいにして。

あれ、なんか正妻殺しから脱線してる(笑)
ちなみに陳先生の小説で甄洛が死んだんじゃなくて出家した事になってて、曹植とちょっとしたロマンスがある話は好きでした(笑)
だってまず洛神賦とか…タイトルからして掛け詞っぽい。
傾国の美女は奥が深い。