魏文帝様の命日は、喪に服すという意味で全身黒で出社しました(笑)

黒いTシャツに黒いスカートに黒いニーハイ。

そしたら思わぬアクシデントで私まで命日を迎えてしまうかと・・・。

ホームページの運営をやっているのですがバグ恐怖症通り越してトラウマです。


さて、今朝からせいぜい無双くらいでしか三国志を知らない同期に、曹丕の命日を必死でアピールした私の極めつけの一言。


「私が彼を幸せにするの!!!」


まったくもって基地の外ですね。

語弊がありまくりなのでもう少し語彙力をつけようと思った次第でございます。

いや、ね、真に言いたいのは後世の私たちが彼の残した「文学」を伝え続けることで報われるのだろうという事なんですよ。

現代人のエゴかも知れないけど。


ということで、勝手に不定期でコーナー作っちゃいます。

気が向いた時に曹子桓を中心に建安文学をピックアップするコーナー!(笑)

ほぼ自分がこっそりやってるサイトから持ってくるだけになりそうですが。

漢字がばーっと出てくるけど文字化けじゃありませんよっ。

一回目の今日は詩人兄弟の掛け合いの詩を持ってこようかなと。

銅雀台で、夕方頃に酒宴が行われた際に曹丕がふと詠んだ詩。

それに対して曹植がアンサーソングを返してるのです(笑)

曹植バージョンはまた後日♪



「芙蓉池作」曹子桓


乗輦夜行游 逍遥歩西園
双渠相漑灌 嘉木繞通川
卑枝払羽蓋 脩条摩蒼天
驚風扶輪轂 飛鳥翔我前
丹霞挟名月 華星出雲間
上天垂光彩 五色一何鮮
寿命非松喬 誰能得神仙
遨游快心意 保己終百年


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輦に乗りて夜行きて遊び、逍遥して西園に歩む
双渠 相漑灌し、嘉木 通川を繞る
卑き枝は羽蓋を払い、脩き条は蒼天を摩す
驚風は輪轂を扶け、飛鳥は我が前を翔ける
丹霞 名月を挟み、華星は雲間より出づ
上天は光彩を垂れ、五色一に何ぞ鮮やかなる
寿命は松喬に非ず、誰か能く神仙たるを得ん
遨遊して心意を快くし、己を保ちて百年を終えん


曹丕・曹植兄弟を語るのに欠かせない一篇です。
穏やかな景色の中で兄弟仲良く一緒に詩を詠んでいる…
想像するとなんか温かくなります。
恐らく、曹丕24歳、曹植19歳。

小説のように鮮やかな情景描写も素晴らしいですが、「遨游快心意 保己終百年」というところが曹丕らしくて好きです。

ここに私は彼の本質を見ました。

人の命は短く儚い。
だからせめてこんな美しい情景の中で心を落ち着かせて、百年の天命を終えたい。

そう詠んでいるわけです。

しかし実際は100年の半分にも満たず、心を落ち着かせるどころか後継争いと天下取りの大乱の中を生きたわけですが・・・。

私は、曹丕は優秀な君主ですが軍事面では心許ないと思っていました。

対呉の戦いで何度も追い返されてる辺り、自らが采配を振るう戦は得意ではないように見えるので。

だけど内政面では「文帝」の称号を得るほどの善政、さらには文化も尊重して築き上げました。

(曹丕が制定した九月九日の節句は現代でも残っているそうです。日本でいう雛祭りみたいなモノ?)

敢えて自ら望まずして、それだけのことをやってのけたのは凄いなーと思います。

才知あってこそだろうけど、どうしても本当は平和を望んでいたような気がするんです。