歓楽街スカート | 六畳間の王様

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うさぎの仮面の中の人のブログです




歓楽街スカートがついに発売になりました
http://drinkme.ocnk.net/product/38

テキスタイルデザインだけなら
服飾の知識はいらないだろうとおもっていたら大間違いで、
スカートのパターンを知らなきゃ駄目だし
布の種類も知らなきゃ駄目で、
本やネットで必要最低限の知識を拾い集めながら
イラレ上で図案の配置を何度もシュミレーションして
どうにかようやくここまでこぎつけました
我ながら、初めてにしてはすごくよい出来だとおもう

モデルは週刊誌グラビアや有名写真家の間で話題になっている
特殊モデルの七菜乃ちゃんです
彼女をモデルにしようというのは今年の春くらいに決めていたのだけど
普段ヌードモデルをやることが多い、裸の状態がデフォな彼女に
このタイミングで敢えて服を着せることの重み、、とでもいうべきか、
なにか特別な意味のある作品にしなければならないという
ただならぬプレッシャーをわたしは勝手に感じていた
裸ってすべての関係性の最後にあるものだから
人の心を無条件にゆさぶる表現としてそれ以上はないとおもうのです
Drink meは最初から裸を切り札として使ってしまっているので
なにを期待されてもそれ以上のものはもう出せないという不安があって
これから先わたしが頑張って作品を発表しても
つまんないって言われるんじゃないかっていう葛藤がこの半年間ずっとあった
でも、ヌードを仕事にしている七菜乃ちゃんとなら
新境地に飛び込めるかもしれない、そんな予感がした
結果的に仕上がった写真を見て
彼女にお願いしてほんとうに良かったなとおもっている
容姿が美しいことは言うまでもなく、
モデルとしての類稀なる表現力に驚かされた

この話をするのはちと恥ずかしいのだけど、
わたしは20歳そこらのとき世の中でじぶんがいちばん可愛いとおもっていた
まわりに可愛い可愛いと言われるから余計にものすごく調子に乗っていて
無敵なんじゃないかとおもっていた時期がある

絵がうまいねと言われて絵で食べていけるとおもっていた時期もあるし
歌がうまいねと言われてミュージシャンになれるかもとおもっていた時期もある
負けず嫌いな性格も手伝って、すぐ自分を過信してしまう

Drink meのタグを描いてくださった竹谷嘉人さんに出会ったときに
「竹谷さんみたいな人見ちゃうと、
 わたしごときが絵を仕事にしなくてよかったっておもいます」
と言ったんだけど、それは本心から出た言葉で、
圧倒的な才能を目の前にして、
この人には敵わないなって思い知らされることがたまにある

大森靖子ちゃんに出会ったとき、
わたしはフロントマンとしての表現者にならなくてよかった、
なったとて、とても戦えるレベルじゃなかっただろう、とおもったし
七菜乃さんに出会って、容姿を武器にする仕事をやめてよかった、
こんな美人が世の中にいるんだから到底太刀打ちできない、とおもった

そういう、圧倒的な存在と巡り合って
自分の身の丈を思い知ってゆけることは
とても幸せなことだとおもった
「もしかしたら自分にも可能性があるかも」という
夢見がちなぼんやりした感覚のまま歳を取っていたらと考えると恐ろしい
現実を目の当たりにできたことは幸運だったとおもう
でも、なにかで一番になりたいという気持ちは今も変わってなくて
世の中にわたしの価値を認めさせたいという気持ちは変わらなくて
それは既存のジャンルの中にはないかもしれないけど
ナンバーワンになれる場所がきっとどこかにあると
信じているから生きていられるのかもしれなくて
たまにじぶんは凡人だっておもって死にたくなるのだけど
もうすこしがんばって、みんなにすごいって言わせたいです

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