新常識となる生涯運用

11月6日(水)

人生100年時代で余命が延びる

 「人生100年時代」のフレーズで世間への意識もすっかり定着した高齢社会本格化の日本。直近の平均寿命は男性が81歳で女性は87歳程ですが、平均余命で見ると人生100年が決して絵空事ではないことが実感出来ます。実際60歳まで生きている人の平均余命は男24年で女29年程度と平均寿命を上回り、ならば85歳まで生きている人はと見れば、統計では平均余命がざっと男6年女8年もあるわけで、いわゆる長生きリスクを考えた時には、人生100年を見据えることが必要な時代になったのです。

 つい最近まで人生80年を何となく常識として想定していた私たちは、プラス20年の新たに生きる時間を加えて、人生の考え方をリセットしなければならないわけです。

 

資産寿命も延ばすには

 人生の時間を20年加えて考えるということは、20年ぶんの生きるに必要なお金も追加して準備して行かねばなりません。つまり人生が長寿化すると共に、お金(金融資産)の寿命も長期化させることが、自身の納得出来る豊かな人生創りに不可欠な行動となり、その対処法が資産形成(運用)期間を更に長期化させて、生涯軸で長期投資を継続させることなのです。

 自身は時間の経過と共に年老いて行くとしても、お金はいつまでも現役として元気に働き続けられるわけで、人生を通じて言わばエンドレスでお金を育てる作業を続けて行くことによって、長寿化のリビングコストをカバーする考え方が、新たな長寿社会の行動規範として常識化する時代が始まったと言えましょう。

 要するに、従来は60歳をゴールに資産形成し、そこからは預貯金に戻して余生を賄って行くというライフプランが常識だったとすると、60歳から先の大いに長い時間を有効活用して資産形成期間を継続させることで、金融所得を恒常化させて長寿に対処することが、令和時代からの新常識となるのでしょう。

 ちなみに政府は長寿化をポジティブに捉えなおし、ひと声70歳まで仕事を続ける現役世代の長期化を見据えた社会保障改革に動き出しています。

 

人生100年前提の計画的取崩し

 これから更に長寿化が進展し、70歳を超えても仕事を持ち続けるといった就労期間の長期化も急速に一般化して来ることでしょう。とは言え、やはりいつかは大半の人に、仕事からリタイアする時が訪れます。リタイア後は年金収入がベースとなるなかで、生涯資産運用を続け金融所得を付加させることによって、豊かな人生基盤を描くことが可能となるわけですが、そのためには運用資産の資金化についてもプランニングする必要があります。即ちリタイア後は育てて来た運用資産を豊かな人生実現に向けて遣って行く資産活用期でもあるのです。

 もう言及せずともご理解いただいている通り、リタイア期に運用を終えて一括資金化するという固定概念は過去の常識。人生100年から引き直した残りの期間で、少しづつ引き出して行きながら、残った資産は相変わらず運用を継続させて更に育成させて行く。つまり計画的に運用資産を取り崩しながら運用を続ける、「遣いながら殖やす」資産管理が新たな高齢期の行動常識です。

 投資信託はいつでも必要な分だけ解約することが可能です。そして計画的取り崩しの方法としては、毎月定額の単純な考え方だけでなく、毎月定口数を取り崩すプランニングによって残りの人生期間に鑑みた、より計画的な資金化が可能になるのです。

 セゾン投信では、いまそうした新たな需要に対応する定時解約サービスの準備に動いています。近い将来「セゾン号」乗客の皆さまに、コツコツ毎月積立投資で資産育成して来たのと同じ要領で、毎月コツコツと取り崩して行く機能を、ご自分の人生プランに合わせて便利に活用いただきたいと考えています。

 

お金を働かせながら次世代へ

 長期保有型投資信託を活用して、計画的に「遣いながら殖やす」ことによって、長生きへの経済的不安を解消していただきたいし、更には長期投資を継続した資産は、いつか迎える人生最期の時にも変わらず元気に経済活動の中で働いていることでしょう。その時は、投資信託をそのまま次世代に相続して欲しいのです。

そうすれば、世代を繋ぐ長期投資のバトンリレーを行うことが出来ます。それをまた孫世代が長期投資のまま受け継いで行くとすれば、世代を超えた100年スパンの超長期投資が実現可能となります。もうお金の不安はすっかり雲散霧消どころか、充分立派なリッチファミリーになっていることでしょう。そうしたロマンも乗せながら、「セゾン号」の旅をエンドレスに活用いただくことが、「セゾン号」乗務員のロマンでもあるのです。