ソウルメイト・ドラゴン⑯ 人は誰かにコントロールされるのを、本能的に嫌う | 立ち止まったハートが前進する!未来が視える奇跡リーディング

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【未来が視える!奇跡リーディング】で、立ち止まったあなたのハートを開きます。女性の健やかな幸せのためにポラリスは輝きます。人響三九楽ヒビキサクラ

 

ソウルメイト・ドラゴン ① 天命を載せた龍

ソウルメイト・ドラゴン② 私は龍の背中に乗る

ソウルメイト・ドラゴン③ 運命は「もし・・・」を超えた積み重ね

ソウルメイト・ドラゴン④未来は過去を手放した「今」から開かれる

ソウルメイト・ドラゴン⑤ 星が私を導く

ソウルメイト・ドラゴン⑥ 一見ネガティブな出来事にでさえ、最善の未来がある

ソウルメイト・ドラゴン⑦ 私は皆に応援されている

ソウルメイト・ドラゴン⑧ この結婚生活は、仮面夫婦でセックスレス

ソウルメイト・ドラゴン⑨ あきらめが明らかに改まった時、光が見える

ソウルメイト・ドラゴン⑩ 運命という龍に選ばれここに来た

ソウルメイト・ドラゴン⑪ 神様が用意した束の間のドルチェヴィータ

ソウルメイト・ドラゴン⑫ 愛を言葉で伝えたい

ソウルメイト・ドラゴン⑬ 幸せは与えられるものではなく、自らが作り出すもの

ソウルメイト・ドラゴン⑭ あなたは本物のソウルメイト

ソウルメイト・ドラゴン⑮ 女のプライド

 

 

初めて嫁となる和宮様を目にした時、お雛様かと思った。

雅なお顔立ちに、小さなお身体。

精巧に作られた手の込んだアンティークドールのよう。
私達武家の女とは、まったくちがうイキモノ。
瞬きもせず、無表情だった。
和宮様はまるでお雛様のように絵巻物から現れたお姫様だった。

家茂様も初めて顔を合わせた時、一瞬驚き目を見開いた。
が、やさしく彼女に微笑んだ。

和宮様との結婚が決まった時、家茂様は
「義母上様、私は側室を持たない事に致します」
とキッパリ言った。

「そうですか。
あなたが決めた事なら私は何も言いませんが、訳を教えていただけますか?」

と尋ねた。

「和宮様は、幼い頃に決まった婚約者とのご縁を切り、この国の為に徳川に嫁いでこられます。
誠意を持ってお迎えし、末永く慈しみ共に過ごしたいと思います。
それに私と和宮様の間にお子ができれば、その子がこの国の争いを止めることができるでしょう。

そのために、私は側室を持つことは致しません」

彼は和宮様に心からの愛情をささげる決心をしていた。
その姿はかつての私を思い出させ、胸をしめつけられた。

そして、心の中でつぶやいた。

「家定様、あなたが決めた跡継ぎは確かにこの方で間違いありませんでした。

やはりあなたは先を見通す目を持った、すばらしいお方でしたね」

家茂様は少し照れたように微笑んで言った。

「私は義母上様と義父上様のように仲のよい夫婦になりたいのです」

「まぁ、うれしい。

でも家茂様が私と家定様が二人でいるところを見たのはほんの一、二度ですねよね?」

「はい。

 それでも、お二人からは深い信頼と愛情が感じられました。
 幼い私でしたが、お二人のところだけ何か色が違うというか、あたたかい空気が流れているのがわかりました。
その時、私もお二人のようなご縁を未来の御台となる方と結びたい、と決めたのです」

彼の言葉に一瞬泣きそうになり、涙をこらえるため思わず膝をつねった。

家茂様が退出された後、私は手を合わせ天に向かい祈った。

家定様、お聞きになりましたか?
あなたが命をかけて運んだバトンは、こうやってしっかり受け継がれましたよ。

そうつぶやいた時、ちちち、と鳥が鳴いた。

「そうだよ、御台」

家定様が答えてくれた気がした。

 

そうやって迎えた婚礼の日。
だが和宮様は、一切私と目を合わせようとしない。
嫁ぐのに自分の母親と一緒に京都から輿入れしている。

嫁入りに母親も一緒についてくるのが公家のしきたりなのか、意味がわからなかった。

一人ぼっちで大奥に入ってくるわけではない。

たくさんのおつきの者たちも従えている。
彼女が考えていることが、さっぱりわからなかった。
しかも嫁ぐなり彼女側からクレームが来た。

 

「結婚の時に取り決めた約束とちがいます」
はて、そんな話は何も聞いていないが・・・と思いつつ
「幾島、何か聞いておるか?」
と尋ねてみた。
すると幾島がおずおずと言った。
「実は、和宮様が嫁ぐのが決まった時、大奥に入っても御所の流儀を通す、という条件があったそうです」
「なんと・・・!!

幾島、そのような大事なことをどうして黙っていた!!」

「大変申し訳ございません。

が、このような申し出を天璋院様にしたとて、通るわけがございません。」

「当たり前だ!

嫁ぐ、ということは、そういうことではないか!!」

「確かにそうです。

ですが、家定様のところに輿入れされる前、天璋院様は『自分という誇りは捨てない』と言われました。
それは和宮様も同じかと思います。

御所のやり方は手放してもいいでしょう。
けれど、孝明天皇の妹様、という皇族の誇りは捨てられないものですし、捨ててはいけないと思います。
天璋院様は和宮様のその誇りを、守ってあげられたらいいのではないでしょうか?」

なるほど、とそこは腑に落ちた。

「そうだな。

幾島、その通りだ。

だが、それを和宮様はわかってくれるだろうか?」

「それは夫である家茂様からお伝えしてもらった方がいいかと存じます。
幸い、家茂様と和宮様は仲睦まじいご様子に見受けられます」

「そうか、そうだな」

事は一件落着したように見えた。

だがこれだけでは済まなかった。


和宮様が私に挨拶しに来た時だ。
私は姑として上座に座り、下座に嫁の和宮様の席を用意していた。
ところが彼女にしたら
「皇族なのに、席が下座だった。何たる侮辱!!」
と、寝込んでしまったのだ。

激しくプライドが傷ついた、ということだそうだ。
大きなため息が口からもれた。
そんなに体面やプライドが大切なのだろうか。
自分、という誇りは持っていてもいい。
けれど、そこに~の娘だから、~家の出身だから、という余分なものはいらない。
己という自分に誇りを持てばいいだけだ。
人は変わる。
いつでも変わることができる。
私はそれを和宮様に伝えたかった。

 

だがこの時、私はまだ気づいていなかった。
私こそが、彼女を変えようとしていたことを。
徳川に合わせることを無意識にコントロールしようとしていたことを。
人は誰かにコントロールされるのを、本能的に嫌う。

そのことに気づいていなかった。

 

こうして嫁と姑のひそやかな戦いは始まった。

だがそれは表向きのこと。

本当は、武家と公家との戦いだった。

 

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あなたは、誰かをコントロールしようとしていませんか?

 

あるいは誰かにコントロールされていませんか?

 

どうしてそうしたい、と望むのでしょう?

 

そこにあるあなたの本音

 

なんでしょうね。

 

 

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