ママブロネタ「妊娠&出産」からの投稿
「帝王切開」ということばは、妊娠・出産の近辺にいる人ならだれもが聞いたことはあるでしょう。「お母さんか赤ちゃんに何らかの問題が生じて、経腟分娩(通常のお産)が難しいと判断される場合に、麻酔をして、手術でおなかと子宮を切開して、赤ちゃんを出産する方法」のことです。いざというときの救命手段だった帝王切開は、自然分娩があたり前という意識が強かった日本でも現在は分娩件数全体の20%、5人に1人となっているそうです。
この本のサブタイトルは「産前・産後すべてがわかる安心 産前・産後のすべてがわかる安心ガイド」。帝王切開というお産のすべてがわかる画期的なガイドをご案内します。
ママのための帝王切開の本―産前・産後のすべてがわかる安心ガイド/中央法規出版
2013年8月発行
≪目次≫
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この長い目次を打ち込むのにおもわずチカラが入りました(時間もかかりました…)。ご覧いただくとわかるように、出産が帝王切開になる場合の理由(産むお母さん側と生まれる赤ちゃん側の両面から説明されています)、メリットとリスク、手術前のこと、手術中のこと、手術後から退院までのこと、退院後の変化、次の子の妊娠と出産まで、からだはもちろん、気持ちまで、まさにすべてを網羅しています。各章ごとにお母さんが気になるQ&Aが設けられており、その数は全部で83にものぼります。帝王切開について徹底的に解説している本は日本初だそうです。
この本は、3人が作り上げたもの。少しでも安心できるための帝王切開情報を伝えたいと熱望していた産婦人科医の竹内正人先生、3回の帝王切開の経験から「大切なのは産み方よりも育て方」をコンセプトに体験者参加型のサイト「くもといっしょに」を立ち上げ、長年お母さんたちをサポートをしてきた細田恭子さん、助産師として帝王切開の研究を続けながら、自らも2回の帝王切開経験のある横手直美さんです。
特にメンタル面での気がかりについて知ることができるのが大きなポイントです。
まわりの人の生半可な知識や思い込みで発することばに傷ついたり、思い描いていた出産にならなかったと悔やんだり自分を責めたりする。残念なことによくあることですが、そんなときにはぜひ読みたい。
過去のご案内もご参考までに…
誤解しないで 帝王切開─NHK「あさイチ」2014年7月3日放送
帝王切開はこれから出産の人にとって「自分には関係ない」他人事ではありません。とはいえ、すべての妊娠中の人が読むべき本、ではありません。
「帝王切開」ということばを医師や助産師、友人や姉妹、はたまた娘や嫁から聞いて、何かしら疑問があれば、ぜひともご一読を。妊娠・出産にまつわる情報や逸話は玉石混交、都市伝説まがいのことも多々あります。惑わされてはいけません。
正しい情報を得ることが不安をやわらげますし、安心にもつながります。
パートナーが帝王切開になる、なったという男性は必読です。赤ちゃんの沐浴やおむつ替えや家事全般ももちろん大事ですが、知識を得てパートナーのメンタル面も含めて支えてください。「何をしてあげられますか」という疑問の答えも掲載されています。
わたしは最初の出産(15年前の1999年)が妊娠38週での予定帝王切開でした。妊娠・出産に関する本はいくつか読んでいましたが、帝王切開について書かれている項目はごくわずか。産院で先生や助産師さんの言うことをよく聞き、納得しての手術ではあったものの、陣痛を知らないお産はどこか「メインディッシュのないコース料理」のようで物足りなさをおぼえました。そこから「いったいお産とはなんぞや?」と調べたり、経験者に話を聞いたりすることをはじめたのです。
帝王切開になったことは、結果的にベストだったのだと受け入れているものの、悔いが残っているのは、妊娠中、さらに遡って妊娠前にもっといろいろと知っておくべきだったということです。当時のわたしは、なるべく余計な情報は入れないようにしていたかもしれません。
【産後の読書案内】というこのブログを立ち上げて出産前後に読みたい本をご案内しているのも、元をたどってみると、自身の帝王切開による出産がはじまりなのでした。
わたしの現在に至るまでの「原点」を思い起こさせてくれる一冊。これ以上のガイドブックは今後出てこないのではないか?と思えるほどの決定版です。
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