産前・産後にぜひ読みたい本をご案内しているこのブログでは、窪美澄さんの小説は必ずや読みたいMUST本と認定しております。
過去のご案内はこちら。(小説作品ではありませんが…)
「性」と「生」─これからも生きていく。映画『ふがいない僕は空を見た』
子育てがつらいときは、小説を読んでみるのもいいですよ 窪美澄 日本経済新聞2013年11月3日
窪さんの新しい単行本が発売になりましたのでご案内します。これはMUST中のMUST(←こんな言い方があるのかどうか知りませんが作りました)。いますぐ手に取って読んでください。「家族」を描いた5つの短篇集です。
水やりはいつも深夜だけど/KADOKAWA/角川書店
2014年11月発行
思い通りにならない毎日、言葉にできない本音。
それでも、一緒に歩んでいく
─だって、家族だから。
ごく普通の家族の生々しい現実を強烈に描き出した山田風太郎賞作家、珠玉の連作集。
小説で誰かを救う。そんな大それたことは言いづらい。
だけど、それに本気で挑戦している作家は確かにいるのだと、窪美澄を読むといつもそう思う。
─朝井リョウ(作家)
セレブママとしてブログを更新しながら周囲の評価に怯える主婦。
仕事が忙しく子育てに参加できず、妻や義理の両親からうとまれる夫。
自分の娘の発達障害を疑い、自己嫌悪に陥る主婦。
出産を経て変貌した妻に違和感を覚え、若い女に傾いてしまう男。
父の再婚により突然やってきた義母に戸惑う、高一女子。
同じ幼稚園に子どもを通わせる家々の、
もがきながらも前を向いて生きる姿を描いた、魂ゆさぶる5つの物語。
≪目次≫
出会って結婚して子どもが生まれて家族になった。選択してこの街に来て、子どもは幼稚園に通うようになった。日常を過ごし、子どもが成長して、まわりの人との関わり方も変わる。夫婦の気持ちやことばもどこかすれちがったり、かみあわなかったりしていきちがっていく…。
物語の語り部はさまざまです。母、妻である女性だけではありません。
どの作品にもちらりと植物が出てきて、それがとても効いています。
角川書店の特設サイトで植物の写真を見ることができます。著者インタビュー動画、応援コメントなどもあります。
『水やりはいつも深夜だけど』特設サイト
理想の家族像って、ばーんと掲げるわけではなくとも、なんだかできあがっててしまっていて、それとのギャップにとまどったり、がっかりしたりするものかもしれない。
現実を直視して、どうにかしたいなら自分の行動を変えてみて、話し合うしかない。といっても、大々的なことではなくちょっとしたことからはじめればいい。だけど放置しておくとちゃぶ台ひっくり返し(イメージ)みたいな、大騒ぎになる。植物だったら、枯れる。
ここに出てくる人たちは、修復不可能なところまではいきません。その前に、ひとこと言ったり、気持ちを話してみたり、聞いてみたりしている。そこから未来が変わっていきそうな予感が生まれています。
タイトルに出てくる「水やり」をキーワードに考えてみると、水やりをしなかったわけではない。いつも決まった時間や陽の出ているときではなくとも、深夜でも、やっている。水やりは子どもや家族に対してだけではなく、自分自身のためでもあったり。
家族だからこそ、言わなくてもわかる、雰囲気や気配でもわかる。それはそれでたしかに言えるのだけれど、言わなくちゃわからないことは、もっとたくさんある。
時間をかけて、育てていくのが家族。そして思わぬふうに変化していくのも家族。その都度、どうしようか、どうしたいかを自分と、他のメンバーとともに考えていくのが家族。
じんわりと沁みて、ほろりと泣いたあと、感じたのはこのようなことでした。
さて、あなたはどのように感じるのでしょうか…?
本家ブログ【本のこと あれこれ】since 2004
愛犬パンの日々の記録きょうのパン あしたのパン
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子育てがつらいときは、小説を読んでみるのもいいですよ 窪美澄 日本経済新聞2013年11月3日
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水やりはいつも深夜だけど/KADOKAWA/角川書店
2014年11月発行
思い通りにならない毎日、言葉にできない本音。
それでも、一緒に歩んでいく
─だって、家族だから。
ごく普通の家族の生々しい現実を強烈に描き出した山田風太郎賞作家、珠玉の連作集。
小説で誰かを救う。そんな大それたことは言いづらい。
だけど、それに本気で挑戦している作家は確かにいるのだと、窪美澄を読むといつもそう思う。
─朝井リョウ(作家)
セレブママとしてブログを更新しながら周囲の評価に怯える主婦。
仕事が忙しく子育てに参加できず、妻や義理の両親からうとまれる夫。
自分の娘の発達障害を疑い、自己嫌悪に陥る主婦。
出産を経て変貌した妻に違和感を覚え、若い女に傾いてしまう男。
父の再婚により突然やってきた義母に戸惑う、高一女子。
同じ幼稚園に子どもを通わせる家々の、
もがきながらも前を向いて生きる姿を描いた、魂ゆさぶる5つの物語。
≪目次≫
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出会って結婚して子どもが生まれて家族になった。選択してこの街に来て、子どもは幼稚園に通うようになった。日常を過ごし、子どもが成長して、まわりの人との関わり方も変わる。夫婦の気持ちやことばもどこかすれちがったり、かみあわなかったりしていきちがっていく…。
物語の語り部はさまざまです。母、妻である女性だけではありません。
どの作品にもちらりと植物が出てきて、それがとても効いています。
角川書店の特設サイトで植物の写真を見ることができます。著者インタビュー動画、応援コメントなどもあります。
『水やりはいつも深夜だけど』特設サイト
理想の家族像って、ばーんと掲げるわけではなくとも、なんだかできあがっててしまっていて、それとのギャップにとまどったり、がっかりしたりするものかもしれない。
現実を直視して、どうにかしたいなら自分の行動を変えてみて、話し合うしかない。といっても、大々的なことではなくちょっとしたことからはじめればいい。だけど放置しておくとちゃぶ台ひっくり返し(イメージ)みたいな、大騒ぎになる。植物だったら、枯れる。
ここに出てくる人たちは、修復不可能なところまではいきません。その前に、ひとこと言ったり、気持ちを話してみたり、聞いてみたりしている。そこから未来が変わっていきそうな予感が生まれています。
タイトルに出てくる「水やり」をキーワードに考えてみると、水やりをしなかったわけではない。いつも決まった時間や陽の出ているときではなくとも、深夜でも、やっている。水やりは子どもや家族に対してだけではなく、自分自身のためでもあったり。
家族だからこそ、言わなくてもわかる、雰囲気や気配でもわかる。それはそれでたしかに言えるのだけれど、言わなくちゃわからないことは、もっとたくさんある。
時間をかけて、育てていくのが家族。そして思わぬふうに変化していくのも家族。その都度、どうしようか、どうしたいかを自分と、他のメンバーとともに考えていくのが家族。
じんわりと沁みて、ほろりと泣いたあと、感じたのはこのようなことでした。
さて、あなたはどのように感じるのでしょうか…?
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