一人暮らしをはじめる一人娘のために作家の田口ランディさんが語ったことばをまとめた本をご案内します。ランディさんはわたしがネット書店での本の購入や書評投稿にどっぷりハマっていた頃に頻繁に小説やエッセイを刊行されていました。ネット書店でも特集が組まれていたりして一大ブームを巻き起こしていたという印象です。わたしも読んでいました。娘さんのことにもついてもエッセイや日記で書かれていましたが、その子が大学生なのか…とちょっと感慨深い。まぁその頃生まれたうちの長男ももう高校生なんですけどね。
「ありがとう」がエンドレス/晶文社
2015年8月発行
《目次》
家を出て一人暮らしというのは長い人生のなかでも最高に刺激的なこと。自由な気分を満喫!けれど、しばらくすると自分がどう生きていればいいかわからなくなる…でも、それがふつう。悩みこそ学び、という田口ランディさん。娘さんの「どうしたらいいのかなあ?」ということばに答えたり、そこから話が展開していき、ランディさんがこう思うよ、というところを伝えています。
Twitterから生まれたということで、ひとつひとつの項目は140字以内。さらっと読めます。娘さん世代の若い人だけではなく、ランディさんと同じく母親世代も、それより若い、結婚前で現在仕事に邁進中、という人にも、深くうなづいたり、そうなのか!とはっとさせられることがきっとみつかります。
娘さんの疑問はこんなかんじ。
どうしても気の合わない人とも仲良くしたほうがいいの?
社交ってどうしたらいいの?
いじわるをされたときはどうしたらいいの?
地震が来たらどうしよう
神さまっているのかなあ?
感謝の気持ちがわいてこないときはどうしたらいいの?
謙遜とか謙虚っていうのがよくわからない。礼儀もよくわからない。
大学って何のために行くところだと思う?
元気ってどこから来るのかなあ?
覚悟を決めるってどういうこと?
お金持ちになるにはどうしたらいいの?
お金がないときはどうしたらいいの?
いじめられたらどうしたらいい?
こんな直球の問いかけもあります。
お母さんってどうして恥ずかしいことができるの?
お母さん、結婚してよかったと思う?
さて、ランディさんはなんと答えているでしょう…?
わたしがこれと思ったところをいくつか挙げてみます。
「ひがみっぽくて、うらみがましくて、文句と不平ばかり言っている人は、自分に同調しない相手がこしゃくなの。そういう人に会ったら、さらっとかわして、社交で逃げるの」「でも基本は誰にでも親切なんでしょう?」「そうよ。転んだら手を貸す。でも、深入りしない」(20p)
愚痴や文句や不平や他人の欠点をあげつらう人に調子を合わせてつきあうのなら、一人のほうがいい。(56p)
笑顔で「はい」と言ってごらん。あなたを嫌う人は激減する。とても生きやすくなるよ。笑顔はね、人間に与えられた万国共通の最強のコミュニケーションツールなの。(27p)
人生は食べたものと、言葉と出会った人でできている (45p)
「思いついたことはすぐ実行してね、考えているうちに古くなるから」「思いつきにも賞味期限があるの?」「思いつきの賞味期限は24時間だよ」「げっ!」「24時間以内に思いつきのための種を蒔くの。人に話すとか、メモ帳に書くとかでもいいの。行為に移すの。そうしないと思いつきの種が腐る」(41p)
悩みって頭が勝手に作り出しているものだから、からだが動き出すと消えるの。だからどうしても悩みから抜け出したいと思ったら、強制的にからだを動かすこと。歩くだけでも軽減するよ。(102p)
人づきあいは難しいんだよ。何歳になっても人づきあいは難しい。誰にとっても難しい。だからね、自分と親友になっておくといいんだ。自分ってのは、じつに頼りになるんだよ。(108p)
めんどうなことはなるべく楽しくできるように、自分を育てていくと、些細なことで落ち込まなくてすむからいいよ。大事なことをじっくり考える時間を作るために、些細なことは、さっさとやるように脳を仕込むんだよ。やってみれば簡単だから、実験してみてごらんよ。(122p)
働くってね、人のためになにかしてあげることなのね。ほとんどそうなの。ものをつくるのでも、サービス業でも、だれかのためになにかしてあげることなのね。だれのためにもならないお金もうけは犯罪なのね。仕事するって、すてきなことでしょう?(151p)
こんなふうに娘さんに母親からのことばを残せるのはいいですね。どの親も子どもと会話してノートに書き残しておく、なんてことはできますよね。
さぁ、きょうも些細なことはさっさとやって(←わかっちゃいるのだがわたしにはこれがいちばん大変!)笑顔で働きましょうか。そんな元気が湧いてくる一冊。
最後にタイトルの意味について書かれているところをご紹介します。
幸せになるのに、ノウハウはいらない。あのね「ありがとう」って言えばいいの。「友だちがいてありがとう」「今日も元気でありがとう」「寝坊ができてありがとう」。「ありがとう」がエンドレス。それが幸せってこと。(95p)
本家ブログ【本のこと あれこれ】since 2004
愛犬パンの日々の記録きょうのパン あしたのパン
「ありがとう」がエンドレス/晶文社
2015年8月発行
《目次》
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家を出て一人暮らしというのは長い人生のなかでも最高に刺激的なこと。自由な気分を満喫!けれど、しばらくすると自分がどう生きていればいいかわからなくなる…でも、それがふつう。悩みこそ学び、という田口ランディさん。娘さんの「どうしたらいいのかなあ?」ということばに答えたり、そこから話が展開していき、ランディさんがこう思うよ、というところを伝えています。
Twitterから生まれたということで、ひとつひとつの項目は140字以内。さらっと読めます。娘さん世代の若い人だけではなく、ランディさんと同じく母親世代も、それより若い、結婚前で現在仕事に邁進中、という人にも、深くうなづいたり、そうなのか!とはっとさせられることがきっとみつかります。
娘さんの疑問はこんなかんじ。
どうしても気の合わない人とも仲良くしたほうがいいの?
社交ってどうしたらいいの?
いじわるをされたときはどうしたらいいの?
地震が来たらどうしよう
神さまっているのかなあ?
感謝の気持ちがわいてこないときはどうしたらいいの?
謙遜とか謙虚っていうのがよくわからない。礼儀もよくわからない。
大学って何のために行くところだと思う?
元気ってどこから来るのかなあ?
覚悟を決めるってどういうこと?
お金持ちになるにはどうしたらいいの?
お金がないときはどうしたらいいの?
いじめられたらどうしたらいい?
こんな直球の問いかけもあります。
お母さんってどうして恥ずかしいことができるの?
お母さん、結婚してよかったと思う?
さて、ランディさんはなんと答えているでしょう…?
わたしがこれと思ったところをいくつか挙げてみます。
「ひがみっぽくて、うらみがましくて、文句と不平ばかり言っている人は、自分に同調しない相手がこしゃくなの。そういう人に会ったら、さらっとかわして、社交で逃げるの」「でも基本は誰にでも親切なんでしょう?」「そうよ。転んだら手を貸す。でも、深入りしない」(20p)
愚痴や文句や不平や他人の欠点をあげつらう人に調子を合わせてつきあうのなら、一人のほうがいい。(56p)
笑顔で「はい」と言ってごらん。あなたを嫌う人は激減する。とても生きやすくなるよ。笑顔はね、人間に与えられた万国共通の最強のコミュニケーションツールなの。(27p)
人生は食べたものと、言葉と出会った人でできている (45p)
「思いついたことはすぐ実行してね、考えているうちに古くなるから」「思いつきにも賞味期限があるの?」「思いつきの賞味期限は24時間だよ」「げっ!」「24時間以内に思いつきのための種を蒔くの。人に話すとか、メモ帳に書くとかでもいいの。行為に移すの。そうしないと思いつきの種が腐る」(41p)
悩みって頭が勝手に作り出しているものだから、からだが動き出すと消えるの。だからどうしても悩みから抜け出したいと思ったら、強制的にからだを動かすこと。歩くだけでも軽減するよ。(102p)
人づきあいは難しいんだよ。何歳になっても人づきあいは難しい。誰にとっても難しい。だからね、自分と親友になっておくといいんだ。自分ってのは、じつに頼りになるんだよ。(108p)
めんどうなことはなるべく楽しくできるように、自分を育てていくと、些細なことで落ち込まなくてすむからいいよ。大事なことをじっくり考える時間を作るために、些細なことは、さっさとやるように脳を仕込むんだよ。やってみれば簡単だから、実験してみてごらんよ。(122p)
働くってね、人のためになにかしてあげることなのね。ほとんどそうなの。ものをつくるのでも、サービス業でも、だれかのためになにかしてあげることなのね。だれのためにもならないお金もうけは犯罪なのね。仕事するって、すてきなことでしょう?(151p)
こんなふうに娘さんに母親からのことばを残せるのはいいですね。どの親も子どもと会話してノートに書き残しておく、なんてことはできますよね。
さぁ、きょうも些細なことはさっさとやって(←わかっちゃいるのだがわたしにはこれがいちばん大変!)笑顔で働きましょうか。そんな元気が湧いてくる一冊。
最後にタイトルの意味について書かれているところをご紹介します。
幸せになるのに、ノウハウはいらない。あのね「ありがとう」って言えばいいの。「友だちがいてありがとう」「今日も元気でありがとう」「寝坊ができてありがとう」。「ありがとう」がエンドレス。それが幸せってこと。(95p)
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