3月8日は国際女性デー。この日がそう呼ばれるようになった経緯を含め、女性による女性たちのための150年の闘いを描いたノルウェーのコミックをご案内します。

ウーマン・イン・バトル: 自由・平等・シスターフッド!

ウーマン・イン・バトル 自由・平等・シスターフッド!』

マルタ・ブレーン文 イェニー・ヨルダル絵 

枇谷玲子

2019年7月 合同出版発行

 

─この本で出会う女性たちと、彼女たちの言葉を、私は忘れることがないでしょう。
ミレニアル世代の私は、“自由”な環境で育ってきた。自分が性暴力被害を経験するまでは、この社会に鎖が存在することにも、その鎖に傷つけられてきたことにも、気づかなかった。気づきたくなかったのかもしれない。鎖から放たれようと行動するのは容易なことではない。けれど「言葉ではなく行動を」

あなたが動けば必ず波が生まれ、それはいずれ未来を動かす大波にもなる。
一人一人にそのパワーがある。そうこの本は教えてくれる。

──ジャーナリスト 伊藤詩織

 

hoshi* 見出しと紹介されている人物

歴史を変えた会議

エリザベス・キャディー・スタントン(1815-1902) 女権宣言を起草

ルクレティア・モット(1793-1880) 人権運動の活動家

 

女性らによる奴隷解放運動

ハリエット・タブマン(1822頃~1913) 

ソジャーナ・トゥルース(1797頃~1883)

 

女性運動が目指してきた三つの権利

1教育を受け、職を持ち、自分でお金を稼ぐ機会を得る権利

2参政権

3身体の自己決定権

 

オランプ・ド・グージュ(1748-1793) 思想家・作家

メアリ・ウルストンクラフト(1759-1797) 作家・哲学者

ミリセント・フォーセット(1847-1929) 作家・フェミニスト

エメリン・パンクハースト(1858-1928) イギリス人主婦

 

世界で初めて女性が年齢以外の制約を受けずに参政権を得たのはニュージーランド

1893年 ニュージーランド

1902年 オーストラリア

ヨーロッパで一番早かったのはフィンランド

1906年 フィンランド

1913年 ノルウェー

1917年 ソビエト連邦

1918年 ドイツ

1920年 アメリカ合衆国

1921年 スウェーデン

1928年 英国

1931年 スペイン

1944年 フランス

1944年 イタリア

1945年 日本

1948年 イスラエル

1952年 ギリシャ

1963年 イラン

1964年 アフガニスタン

1971年 スイス

2005年 クウェート

2015年 サウジアラビア

 

イランの犠牲者

ファーテメ・バラガーニー(1814~17年の間に生まれたとされ1852年処刑される) 詩人

 

社会主義者、現わる

クララ・ツェトキン(1857-1933)ドイツの政治家・フェミニスト

ローザ・ルクセンブルク(1871-1919)ポーランド生まれ ドイツ共産党の創設者

 

女性の身体をめぐる闘い

マーガレット・サンガー(1879-1966)

 

かぎ針は、もうイヤ。悪しき記憶とはもうさよなら!

 

自由恋愛

サッフォー(紀元前612頃-紀元前630頃)歴史上で最初の女流作家

 

マララはどいつだ?

マララ・ユスフザイ(1997-)

 

【解題】少女と女性たちに手渡していきたい本 牟田和恵(大阪大学 ジェンダー論)

 

最後にこのように締めくくられています。

150年前、女性と男性はまったく別の人生を送っていた。

女性は投票をすることも、自分でお金を稼ぐことも許されなかった。

自らの身体に対する決定権も、完全には持たなかった。

 

ところが女性が連帯し始めたことで、変化が起き出した。

 

この本では作家のマルタ・ブレーンとイラストレーターのイェニー・ヨルダンが、女性運動における数々のドラマティックな闘いを語る。これらの闘いは、現代の私たちをも魅了し、ヒントとなることだろう。

女性たち、とりわけ若い世代に届けたい一冊です。

 

外国のコミックの絵柄は独特で違和感を持ってしまうものもありますが、この本の絵柄、作風、わたしはとても好きです。

 

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