ササポンのブログ

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映画、音楽、アニメにドラマ
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             「ザ・ロード」
                   



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まずこのドラマが

面白いのが

もうそれ過去に何回もやってるでしょう

それ

完全に昔の、B級SFじゃん

企画会議で一笑に付されそうな

設定やディテールを

なんの臆面もなくやってのけていること

しかし

よく考えてみれば

これはキングの得意技だ

傑作中編「ランゴリアーズ」も

あらすじだけ読めば

昔の「トワイライトゾーン」に

よくありがちな話だ

ところが

それをキングが丁寧に丹念に

愛をこめて

自分なりの解釈で表現すると

あらあら、不思議、

完全に見たこともない世界が広がる

とにかく

脚本の構成が抜群にうまい

 

失踪した息子

錯乱する母親に息子の気配、そして呼びかけ

よくあるパタンだ

しかし

ここで観客は完全に母親に寄り添っているので

母親側の気持ちになる

さらに

周りに起きる怪現象を見せられるので

観客は

母親以上に

異次元世界のことを知っていく

そして

もうひとり

街の警察署長であるホッパーが

第三者として事件をおっていく

この署長が過去に自分の娘を

病気で亡くしている常軌を逸した母親にも

同情的だ

さらにここが巧みなのだが

80年代という設定なので

悪の組織が多少、迂闊で

セキュリティが緩くても

それほど気にはならない

金網を切って潜入して

敵の秘密を探るなんて描写久しぶりにみた

娯楽映画は単純であればあるほどいい

ただ

リアルでなければいけない

最近の映画もドラマもこのリアルの壁が

上がるだけ上がりきって

複雑怪奇になっている

どうせ嘘話

でもその大嘘をいかにも本当らしく語るのが

ジャンル映画の宿命だ

まあ、なんども引き合いに出して恐縮だが

JJのドラマなんか見ていると

その化学的説明いる?と思うシーンがある

このドラマは

そこを構成の巧みさによって

鮮やかに飛び越している

そして

これが

このドラマの最大の成功の要因

 

観客を絶対に裏切らないこと

いやなやつはひどい目にあう

怪物は出てくるし

主人公は

大変な目に遭いながら助かる

 

つまりは

観客がこうなってほしくないという方向に

連れて行きながら

(それがサスペンスになる)

最後は

こうなってほしいという結末に集約していく

つまりは

やっぱりいまの観客も

キングやスピルバーグや

カーペンターが好きなんだということなのだ

 

 

 

 

このドラマが大ヒットしたことで、

ある真実が証明されました

それは

キング、スピルバーグ

そして

カーペンターが

作り上げた世界観は

時代を貫いて存在し続ける

普遍性があるということ

 

信じられないことだが

宮崎駿が好きと言っている

10代、20代、30代の子は

「風の谷のナウシカ」を

見ていない

 

「もののけ姫」以降の作品を

見ているが

「風の谷のナウシカ」が見てない子が多い

僕の感覚では

「風の谷のナウシカ」を見ていないのに

宮崎駿を好きなんていうな・・だが

この映画が封切られたのは

1984年だ

33年前!!

 

最近では、

あまりTVでもやらなくなった

見たことない若い子がいても

不思議はない

 

「ET」の封切りがその2年前

「ニューヨーク1997」が、3年前

「シャイニング」の翻訳本が出たのがその4年前

 

スピルバーグも、キングのまだ現役だ

カーペンターも細々とマイナー世界で創作している

 

でも、

残念ながら

あのころの全世界を

そして

僕たちを完全に打ちのめした切れ味はない

それも

仕方ないことだ

創作者は常に成熟という名のパワーダウンを

余儀なくされる

しかし

彼らが生み出したパワーを浴びて

大人になった創作者が

それを

さらに

磨きをかけ

増幅させ

再構築してしまったのだ

 

確かにJJもスピルバーグの生み出した息子だ

ただ、彼は、忠実に再現したわけではない

いくら好きだとはいえ、時代遅れだとわかっていた

だから彼なりの構築理論で、

大ヒットドラマを作り出した

ただ、それによって、

図らずも証明してしまったのだ

スピルバーグ、キング、カーペンターの

あの頃の世界観の古さを

 

だから

この「ストレンジャー・シングス」の企画は相手にされなかった

ところが

ほとんど無名だったダファー兄弟が作り出したのは、

スピルバーグ、キング、カーペンターの全盛期の世界を

堂々と緻密に再構築することによって

40代以上の世代には懐かしい

それ以下の世代には初めて見る新鮮な世界に写ったのだ。

 

さて、

次回は肝心のドラマの中身を分析する

当然、ネタバレ全開になる

ほんと

悪いことは言わない

Netfilkは入ったほうがいいよ

僕のブログを読んでいるような

脳みその半分が

映画、ドラマ、音楽でできてるようなご同輩は

もう

世界が一気に広がるから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それにしても

このアメブロもレイアウトしやすくなったなあ

昔なんか、

画像を張るのも一苦労だったのにな・・

 

昔はよかった・・という

言葉はなるべく使いたくはない

だからと言って

若い奴に無理やり同調して

痛いおやじにはなりたくもない

そう思い続けて幾星霜

 

時代はなぜか

どんどん逆行していく

年寄りが、昔はよかった・・というよりさきに

若者が

「昔のって、いいよね」と

言い始めた

最近のヒット曲は

本当に最近かと思うものが多い

デビット・ゲッターとか、ブルーノ・マーズとか聞いていても

これはいつの時代の曲だと思ってしまう

思い出の80年代ヒットなんていう

コンピレーションに混ざっていても

全然違和感がない

 

映画の世界も完全に

逆行現象がおきている

 

おそらく

今一番実力も勢いもある劇伴作曲家の

マイケル・ジアッチーノの

代表曲を集めたプレイリストを

アップル・ミュージックで見つけたのだが

なんだか

かわいそうになってきた

 

「スタートレック」

「ミッション・イン・ポッシブル」

「スターウォーズ」

「ジェラシック・パーク」

まあ、メインで組んでいるのが

JJだから仕方ないとはいえ

かつて

他の作曲家が強烈な代表曲を残している作品ばかりだ

これはある意味

今の時代の映画界を象徴している

先日、JJがこんなことを言っていた

「僕はもうリブートはやりたくない」

最大のヒットメイカーがこんなことをいう時代なのだ

おっと

久しぶりなのに

以前の勢いというか悪い癖が

よみがえってきたぞ

肝心の作品の話がなかなか始まらない

 

さて

この「ストレンジャー・シングス」だが

ストーリーをいつものように

ウキさんから引用

 

1983年11月6日、インディアナ州で、12才の少年ウィル・バイヤーズが失踪する。

ウィルの母のジョイスは半狂乱となって息子を探す。

警察署長のホッパーが捜査を始める。

翌日、不思議な能力を持つ謎の少女が現れ、暗く邪悪な物事も起き始める。

そして

この写真を見てください

もう

僕のブログを読んでいるひとなら

わかりますよね

「ET」です

 

少女の不思議な能力というのは

ある研究所の実験によって生まれたもの

キングの「ファイヤー・スターター」です

 

さらにこの主題曲

 

もろ、カーペンターだ

ついでにいえば

タイトルの感じは「デッド・ゾーン」を想起させる

 

それだけではない

行方不明になった少年が

家にいる母親に呼びかけるのだ

「ポルターガイスト」だ

 

これらの引用はもうキリがないので

これぐらいにするが

ここまでの感じの引用やオマージュならいままでもあった

JJだって「スーパー8」なんていう

スピルバーグオマージュ映画を撮っている

 

新鮮さなどなにもない

だからこそ

このドラマの企画は17もの会社から

蹴られたのだろう

完全に「いまさら・・」だから

 

でも

結果的に

NETFILKで配信されると

熱狂的なファンを生み

シーズン2の告知CMはあのスーパーボールで

放映される騒ぎになった

なぜなのか?

 

それは

次回の講釈で・・

とりあえずは

この予告動画を見て想像してください