“知の馬”



左の親指に針が刺さった。


ぷつん、と小さなまあるい血が、でた。


血は赤く、なめたら鉄の味がした。


どくどくと身体のすみずみまで流れてる、血。



“血を、血はすべての情熱を知っている”



あの赤は、


あの味は、


わたしのなかに流れゆく情熱。


血は知。


わたしを知るために、血は走る。


血は知、駆けめぐるうつくしい知の馬。


わたしの情熱を。


あなたの情熱を。











佐藤寛子✴Hiiro







知の馬


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