本日の外交部会・領土に関する特別委員会合同会議では、我が国EEZ内における中国海洋調査船による調査活動について議論した。

 

今月4日から7日にかけて、中国の海洋調査船が石垣島の北およそ75キロにある我が国EEZ内で、事前通報を行うことなくかつ無許可で、日本側からの中止要求にも関わらず、4日連続で海洋調査を強行した。これは、我が国が実力行使に出ることはないことを中国側がわかっているため、日本の要求を意に介さず、4日連続で活動を続けたというものであり、このような傲岸不遜の主権侵害行為を絶対に許してはならない。他方、5月28日から30日にかけて、韓国の調査船が、竹島周辺の我が国EEZ内で、日本側の中止要求にも関わらず無許可で海洋調査を強行する事案が起きた際、日本側の対応が弱かったことが中国の今回の行為に影響している可能性も否定できない。

 

日中両国が東シナ海における相手国の近海で海洋の科学的調査を行う場合、相互に事前通報を行うこととした「日中の相互事前通報枠組み」が2001年より運用開始となっているが、外務省より、本件は同枠組みの外であるとの説明があった。また、これまでも中国からは同枠組みに違反する行為が繰り返されてきている。

 

漁業操業や海底資源の調査の場合、漁業法や鉱業法を根拠として、無許可で探査を行う船舶に対して海上保安庁が強制的な法執行、例えば立入り検査や作業の中止命令等の措置が可能となるが、水質、水温、水流、あるいは島の地形図の作成目的等の海洋調査に対しては、強制的な法執行を実施できるものがない。中韓はそれを見抜いているため、これまでよりも日本により近い水域で調査を行ってきた。特に今回、中国船が活動した海域は沖縄県の尖閣諸島・大正島と石垣島の中間付近であり、尖閣の領有権を意図した海洋調査であるとみることができる。また、今回は海洋調査船一隻だったが、今後中国海警船が随伴する可能性もあり、その場合海上保安庁の対応はさらに難しくなる。

 

これまで中韓に対して、外交ルート及び現場において再三抗議及び中止を要求したにもかかわらず、不正な海洋調査を継続してきた。このようなことは看過することができない重大事態である。このような状況を受け、今般、自由民主党政務調査会、外交部会、領土に関する特別委員会は、「わが国排他的経済水域における外国の海洋調査船による不正調査活動に対する提言(案)」を作成した。本日の議論も踏まえ我が国としての海洋調査の戦略的なあり方や組織的体制の強化等もしっかり盛り込むかたちで、15日にも党の政調審議会に提言案を諮り、政府に申し入れを行いたい。