「佐渡島の金山」世界文化遺産登録について、ユネスコ事務局より「推薦書の一部に十分でない点がある」との指摘があり、推薦書を再提出することになった件で合同会議が開催された。

本件は、まさしく〝役所の大チョンボ〟と言うべき大失態である。

ユネスコから指摘を受けた外務省、文化庁から「佐渡島の金山」がある新潟県佐渡市への情報共有・提供が全くなされていなかったことも明らかになり、会議では猛省を求める声も上がった。

今年の2月1日にユネスコへ「佐渡島の金山」の正式な推薦書を提出後、ユネスコから推薦書の不備を指摘されたのは2月28日であったようだ。
しかし、発表は昨日7月28日であり、五ヶ月間も情報が共有されなかったことになる。
新潟県の副知事も報道を見て初めて知ったということだが、外務省、文化庁が情報共有をしなかった理由としてはあくまで外交上の理由でユネスコの態度硬化の懸念もあったとされる。

そもそも「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録の申請を本年にこだわったのは、来年の秋に世界遺産委員会の委員国に韓国が入る可能性があり、謂れのない批判や抵抗を受けることが想定されるからだ。

本年の第45回世界遺産委員会の議長国はロシアである。6月に予定されていた世界遺産委員会は今般のロシアによるウクライナ侵攻により、日程の延期を決定したが、ロシアが強硬に議長国の座を下りず日程が決まる目処も立っていない。
つまり、委員国としての任期である2023年秋までロシアが議長国の座を下りないということも想定される。
本年の世界遺産委員会のプロセスが遅れている中、ユネスコ事務局とその再考を求め議論を続けてきたものの、推薦書を再提出することになったことは誠に遺憾である。

今後は9月末までに推薦書暫定版を、2023年2月1日までに正式な推薦書を提出することになる。

本日の合同会議において「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録に関する決議を採択し、世界遺産登録実現に向けて一致結束することを確認した上で、即座に末松文部科学大臣に対し、申し入れを行った。