外交部会・外交調査会の合同会議が開催された。

 

在ウラジオストク総領事館の領事官拘束は、ウィーン条約や日ソ領事条約違反であるだけでなく、非常に悪質で前代未聞の事案といえる。

領事官が目隠しされ手を縛られて拘束・連行される場面や尋問の場面を動画で撮影しTVやネットで流している。外交に携わる人物の尋問されている顔を公にさらすなどあり得ない。しかも、国葬儀の当日、日本時間の27日未明という日本側が反応・抗議しづらいタイミングで出している。こんな悪質なことはありえない。また、ロシア語の堪能な総領事館員に対して、ロシア側はわざわざ日本語で尋問して日本語で答えさせていることから、明らかに日本人に向けたアピールとしてやっているのだ。すなわち、日本に対する嫌がらせである。総領事館員の名誉を守るためにも、徹底的に抗議すべきである。

政府はロシア大使を呼んで抗議と謝罪を求めたと言っているが、それでは不十分である。ロシア国内でこのニュースが何回も取り上げられているとともに、この動画はネット上で100万回以上再生されているのだ。密室の中で大使を呼んでも日本国内と国際世論に伝わらない。外務省は、情報発信競争で勝つための努力をすべきであり、例えば、大臣が次官を呼びつけてカメラの前で日本の総領事館員は不法な情報活動はしていない証拠とともに冒頭抗議をするといったように、情報発信を踏まえて不当な扱いに対する怒りを強くアピールすべきである。

 

加えて、ロシアはまだ本件のようなカードを持っているかもしれない。

政府は徹底的な対抗策を講じるだけでなく、再発防止策の準備を万全にすべきである。