外交部会・外交調査会の合同会議が開催された。

 

ロシアから避難・亡命するロシア人に取り扱いについて、国内の議論・検討が不足している。 ロシアにおける予備役の「部分的動員」に伴い、動員をいやがってロシア国外へ脱出するロシア人は既に出てきている。その中から周辺国の日本大使館に亡命を希望するロシア人への対応方針はどうなのか?また、日本にも約1万人のロシア人がいるが、約4千人が在留資格を持ち、約6千人がロシア国籍を有している。予備役動員法の対象となる在日ロシア人が亡命を希望したらどう対応するのか。あるいは昨年国後島から泳いで日本に渡り亡命を希望したロシア人がいたが、同じように極東地域から船で日本へ逃げてくるロシア人がいたらどう対処するのか。 政府与党は、国際社会の動向を先読みし準備を進める必要がある。

 

日中国交正常化50周年に伴い記念レセプションが東京と北京で開催されたが、その温度差について懸念している。 東京ではホテルニューオオタニにおいて外務大臣含めて800人が参加したが、北京側はいつも開催している人民大講堂ではなく釣魚台迎賓館という格下げの場所で参加者200人という結果であった。また、参加した代表者も全人代の副委員長で共産党員ではなかった。また、安倍元総理の弔問で万鋼副主席が来日したが、一般的な外交的考え方をするならば国葬の後にそのまま残って東京の記念レセプションに出席するだろう。 日中間には4つのトゲ(尖閣、日本人拘束、食品輸入禁止、香港・ウイグルでの人権問題)に加え、更に2つのトゲ(ミサイル着弾、ALPS処理水)が加わっている。これらのトゲを抜かずに秋のAPEC、G20における日中首脳会談を設定するといった前のめり外交は国益を損するものであり、到底理解できない国民も多いのではないか?

日中国交正常化50周年のお祝いムードに流さることなく、日中の外交当局が努力してトゲを抜いた形での首脳会談となるようにすべきだ。