本日、佐藤が事務局長を務める自民党の国防議連を開催。

今回は東京大学先端科学技術研究センター専任講師の小泉悠氏を講師に招き【ユーラシア大陸の不安定化と日本の安全保障】をテーマに、最新のロシア・ウクライナ情勢等をご講義いただいた。

 

まず最初に、昨年2月から始まったロシアによるウクライナ侵攻で露呈した、アメリカの秩序維持能力(意思)の低下の問題が小泉氏より話された。

ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ侵攻開始の前後に核エスカレーションを示唆する発言を行っていた。それに対し、アメリカのバイデン大統領は通常戦力による戦闘のエスカレーションを懸念し、ウクライナに対する軍事援助を出し渋る発言を行った。

 

アメリカを含め西側諸国としては、第三次世界大戦を引き起こしたくない思いと、ウクライナを見捨てたくはないという二つの目的があった。そのため、中途半端なウクライナへの軍事援助となり、戦争の長期化につながっているとご解説いただいた。

 

それ以外にも、戦争の長期化によるウクライナ戦争の今後の見通し。来年行われるロシア大統領選挙。現状のロシア国内の政治的・経済的な状況、抑止の重要性などを小泉氏よりお話いただいた。戦争が始まれば、被害も甚大になる。戦争を抑止するためにも、プーチン大統領の戦争開始の意思決定に影響を与える認知戦も大事だ。

 

また、衛星画像に基づいた最近の極東ロシアの動きなどの解説がなされた。

アメリカなどは欧州方面の衛星画像や情報などのインテリジェンス能力は高いが、東アジア方面では弱い。だからこそ、日本が衛星画像を基に我が国周辺の懸念地域に関する情報を収集・発信することが重要となってくる。

 

ウクライナ戦争は長期化し、今年10月にはイスラエルとハマスの紛争も勃発。今回の講義のテーマにあるようにユーラシア大陸は不安定化してきている。

これまでの国防議連では、アクティブ・サイバー・ディフェンスを中心に日本の安全保障に関する勉強会を重ねてきた。今後、国防議連で議論されてきた内容を取りまとめて、政府への提言に向けて動いていく。