夏も終わりですねえ。

今日は湿気ていると思っていたら、案の定、午後から雷雨です。

そして今日は15日ですから十五夜なのかと思いきや、

新月でありました。

中秋の名月は今年は9月29日なのだそうです。この日は満月なんですね。

 

さてさて、「ばらかもん」の収録も10日前に終わり、春から張り詰めていた(そうでもないけど)私の気持ちも、秋の風とともに解き放たれています。

 

最近は番組の宣伝をSNSでやることが多く、メイキングなどもどんどん流して、まるでスマホの上にもう一つの番組ができるかという勢いですが、

 

こうしてメディアの形というものも、刻々変わっているんですね。

 

この夏の思い出に、「ばらかもん」の他に、ペーター・ストルマーレとの再会がありました。

 

ペーターは、スウェーデン人で、スウェーデン王立劇場の主演俳優だった時、日本のグローブ座に俳優として訪れた後、請われて舞台の演出もしました。

 

ちょうどその頃、彼自身の生活も過渡期で、アメリカに活動の場を移し、日本で知り合って結婚した日本人の奥様と共にアメリカに居住したと思ったら、ハリウッドに進出、メキメキと頭角を表し、今や押しも押されぬハリウッドスターになりました。

 

その彼が、夫の上杉祥三に「僕たちはもう一度舞台をやらなくちゃいかん」とメールを送ってきたのが、今年の春。

 

前述したように、1990年代〜2000年ごろ、ペーターは上杉祥三をリーダーとするグローブ座カンパニーで何本も作品を作っていて、そこに出演していた俳優たちが大好きのようでした。

 

ハリウッドでは俳優業しかしていなかったようですが、ペーターの演出力は他の誰をも抜きん出ていて、小劇場しかやったことのなかった私は、目から鱗が落ちまくりでした。

 

同じ頃日本で活躍していた、デヴィッド・ルボーとも並び称されていましたが、素晴らしかったけど、どこか想定内のルボー演出と比べると、ペーターの演出は奇想天外で、頭もハートもガッこんガッこんと揺さぶられるような気がしていました。

 

そんな彼がもう一度日本で演出したいーーー

と言うのですから、これはもうやっていただくしかない、と私たちは色めき立って、私たちの伝手を辿り、何人かのプロデューサーと劇場関係者に会ったわけです。

 

が、みなさん、今ご自分が抱えているプロジェクトのことやその順番や、はたまたコロナ助成金が出ないのに、コロナが流行っていることなどに気を取られていて、新しいプランには到底、飛び付けないご様子。

 

まあ、仕方ないのですが、こんな宝物を前にしても、パッと顔が輝いたりしないものでしょうか、と、責任ある人々を見ていて、その肩の荷物、降ろしてあげたくなってしまいました。

 

私みたいな根無草にそんなこと言われたくないでしょうが、どこにも根っこを張っていないというのは、とても気軽なものです。

 

発想も自由、発言も自由、行動はそれなりに規制されますが、それでもフリーになってから、ますます頭の中は自由です(笑)。

 

今日もこれからペーターの出演したハリウッド映画を観て、「ペーちゃん、すごいな〜」と涎を垂らします。

 

どうか、みなさん、いつかペーターの演出が日本で叶ったら、「やったね!」とお祝いしてくださいね。私もちまちまと動きますので!