漂泊民・移動生活者、

いわゆる『ロマ/ジプシー』と

いわれる人々は英国にもいて

現在(多くの場合)

『トラヴェラーズ』と呼ばれる。

 

とはいえ私はこれまで

『トラヴェラーズ』を

自称する人とは

直接会ったことはありません。

 

イングランドに行った時に

「この間、地元のお祭りに

ロマの占い師が来ていた」

とか聞いたことはあるんですが

根が疑り深い私はそういう時

「それはいわゆる

『ビジネス・なんちゃら』で

本当はロマでもなんでも

ない人がロマの看板を掲げて

集客を図っていただけと違うか」と

考えてしまう傾向があり・・・

 

ただ移動生活者問題は

イングランドでは

(スコットランドに比べ)

より身近な印象であるらしく、

「どこそこの公園・農場に

ロマが集団キャンプを

設営しちゃって

それはそれは大変だった」

みたいな話を

耳にする機会もありました。

 

「それは無許可なんですか」

 

「無許可なんだよ。

それで何が大変って

一度設営されたキャンプを

撤収してもらうのも大変だけど、

その後に残されるゴミの山が

土地の所有者にとっては

大問題なんだよ」

 

それは確かに大変な問題だろう、

が、移動生活者には

『移動して生活する権利』

のようなものがあるはず

(英国トラヴェラー問題に

関する私の漠然とした知識)、

だから警察や自治体も

強くは言えないのかな、

あれ、でもそれだと

キャンプを設置された側は

泣き寝入り一択ってことか?

 

それはおかしくないか?

 

いや・・・昔に比べて

『誰のものでもない土地』が

増えてしまったことが

そもそもの原因なのか?

 

18世紀とかなら英国全体に

『人目につかない場所』が

今より多かっただろうし、

ゴミ問題なんかも当時は

基準が緩かったというか、

ほら、プラスチックがまだ

生み出されていない時代だから

キャンプの後に残されるものも

すべて有機物で自然風化も

もっと早かっただろうし・・・

 

 

で、ここでちょっと

英国の各自治体の対応などを

調べてみたらですね、

基本的にどこの自治体も

『移動生活者向け滞在地』

みたいなものを公に

提供しているんですよ。

 

ですから単純に考えると

何故トラヴェラーズの皆さんは

そうした公式滞在地ではなく

公園とかに一時滞在

しちゃうのかな、と。

 

自由を愛する民として

『お上(かみ)』に

一時的とはいえ

「ここに住め」と言われるのは

耐えられない、みたいな、

つまり『誇りの問題』?

 

それと同時に各自治体は

『移動を止めて定住したい

トラヴェラーズ』のための

支援住宅みたいなものも

用意していて、うーん、

私ならとりあえず一度

移動生活を止めて

どこかで定住を試みて

みたいところなんだけれども、

でもこれは土地や財産に

心を縛られた

哀れな定住生活者の

狭い料簡というもの・・・?

 

つまりほら、行政に

用意してもらった家に住んだら

その時点で自分は

『保護を受けている身』に

なってしまうわけでしょう?

 

私は生活保護とか

非常に優れた現代社会の

システムだと

思っているんですが、

そういう保護を

受けたくない人の

気持ちもわかる。

 

トラヴェラーズの人々は

(私がこれまでフィクション系の

本や映画を通して漠然と

理解していることから

推察すると)世界のすべてを

『誰の所有物でもない』と考える、

土地も水も花も

すべては誰のものでもない、

故にそれらはすべて

自分のものと考えられる、

移動生活を続ける限り

「それが自分の哲学です」と

胸を張って言うことが出来る。

 

しかしそこで移動生活を止め

定住を開始するとなると

話は全て変わってしまう、

大地は自分の物ではなくなり

水も花も誰かの物となる。

 

世界が根本から

変わるわけですよ。

 

そりゃあなかなか

決断は出来ないよなあ・・・

 

ただ移動生活って

私としてはどう考えても

非常に大変そうなんですが、

定住の利便性を振り捨てるほどの

魅力がそこにはあるものなのか?

 

山の下に暮らしていれば

ぬくぬく冬も越せるのに

あえて断崖に挑んでしまう

登山家などと似た心境?

 

何が彼らをそこまで

移動生活に駆り立てるのか?

 

移動をしながら

彼らは何をしているのか?

 

移動そのものが重要なのか?

 

つまりロマ/ジプシー、

トラヴェラーズと

呼ばれる人々は

定住を好む私や

多くの現代人とは

全く異なる価値基準を

持っているのか?

 

持っているならそれは何故?

 

そもそも彼らは今、

いったいどこで

どう暮らしているのか?

 

それを知りたいと思って

私は書物を

読むことにしたのです。

 

続く。

 

 

ジプシー/ロマ/

トラヴェラーズについて

過去にお勉強・

研究した人が今回の私の

この記事を読んだら

「・・・危ないこと

書いてますなあ」と

思われるかもしれない

 

これね、今回の私の

自由研究の過程なので

どうかもう少し

お付き合い願いたいです

 

論文発表ではないので

この自分の危うげな

思考の揺れみたいなものも

記録しておきたい、みたいな

 

よろしくお願いしまする

 

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