双眼鏡をはじめ、暗視スコープやレーザー距離計など、アウトドア、ハンティング、ゴルフ等広範囲の光学製品をラインナップする。
ゴルフ用品として、ピンシーカーの名で、レーザー距離計（GPSナビ付レーザー距離計もUSでは有り）を提供している。
２，３年前まで、ブッシュネルのレーザー距離計は、後発の国内メーカー品（NIKON、レーザーアキュラシー）に比べ、性能、機能ともに追い越され、価格も割高で不人気だった。
具体的には、
・光学倍率が低い
・サイズが大きく、重い
・計測反応速度が遅い
・ピンシーカー機能の精度、反応がイマイチ
・高低差機能が貧弱（アメリカでは高低差のあるコースが少ない）
・価格が高い
というデメリットが多く、あまり普及していなかった。
しかし、最新モデルでは、
・光学倍率が国内メーカー並みの6倍に（ただV3シリーズはまだ5倍と低倍率。NIKONやレーザーアキュラシーは6倍レンズ）
・反応速度が改善（以前ほどではないが、NIKONやレーザーアキュラシーよりは反応がやや遅い）
・ピンシーカー機能の性能が向上
という点でデメリットが減り、
さらに、国内メーカーに対して、
・計測可能距離が長い
・JOLT（バイブ）機能を装備
・カラーの液晶表示
という優位性も出てきたため最近ユーザーが増えている。
ただし、
・サイズが大きく、重い
・高低差機能が貧弱（アメリカでは高低差のあるコースが少ない）
・価格が高い（ほぼ同スペックのレーザーアキュラシーPINPOINT900より1万円以上高い）
については、依然として国内メーカー品に負けているので、すべてのユーザーにベストな選択とはなりにくい。
また、ジョルト機能というピンシーカー機能でピンをとらえたときに、本体が振動するバイブレーション機能があるが、実際に使用してみるとピン以外を計測しても振動してしまうこともあるし、そもそも測定完了したら、液晶に数字が表示されるので振動で知らされるメリットをあまり感じず実用性に乏しい印象。
実売価格がNIKON、レーザーアキュラシーの倍近いので、
「お金に余裕があり」
どのモデルもサイズが大きく重いので、頻繁な使用や携帯には不便なので、
「いつもは使わないが、はじめてのコースで使用する」
ような人に向いている。
また、高低差は表示せず、機械的にうつべき距離を表示するだけ。日本の丘陵、山岳コースでは、急な傾斜のホールも少なくなく、また、樹木の高さなどを測る場合にも、45度以上の計測範囲は欲しいところだが、ブッシュネルは20度までの傾斜にしか対応していない。（そもそもブッシュネルは高低差の数値を表示しないのでこうした使用法ができない）
「高低差機能を重視しない」
測定可能距離は最低でも1000ヤードなので
「1000ヤード以上の測定が必要で、ピンシーカー機能も400ヤード以上を必要とする」
といった高スペックを求める人（業務用？）もブッシュネルが最適。
整理すると、
・お金に余裕があり
・いつもは使わないが、はじめてのコース等でときどき使用する
・高低差機能を重視しない
・1000ヤード以上の測定が必要で、ピンシーカー機能も400ヤード以上を必要とする
こんなゴルファーに向いている。
また、イチオシのモデルは、ピンシーカースロープツアーV3ジョルト。ネット最安で税込4万円ちょっと（ゴルフショップなどでは6万円以上の価格）。他メーカーに比べると大きめで携帯性は低いが、1000ヤードの計測距離は十分。液晶表示も黒で赤液晶のZ6より見やすい。
ピンシーカースロープツアーZ6ジョルト
■使用レポート
高低差機能付きのZ6。最大計測距離1300ヤードの高性能計測システム搭載。本体のグリップ部分の高さ74㎜（NIKON COOLSHOT 40iはグリップ部高さ約60㎜）と高く日本人の手には握りにくく（女性はかなり厳しい）、重さも他社が180ｇ台が主体なのに対し、約２５％程度重い227g、専用ケースも大型で携帯性は低い。高低差の少ないゴルフ場がほとんどのアメリカの製品らしく、高低差については、計測可能角度（±20度。レーザーアキュラシーシリーズは±60度）も狭く、実際の高低差ではなく角度しか表示しないので、高低差の多い日本のコースでは不満が残る。
距離に関する測定性能は文句なし（ただし計測スピードはNIKON、レーザーアキュラシーより遅い）。
赤の液晶表示も特徴だが、これは、計測する対象や天候、時間帯によって見やすさが異なる。黒の方が見やすい時と赤の方が見やすいときが
あるが、平均すると黒の方が使いやすい。実際、アメリカではすでに赤と黒を切り替えるモデルが出ている（日本未発売）。
先述したようにジョルト機能も実用性は低い。
ネットの最安価格は、高低差機能無しの低グレード品のピンシーカーツアーZ6ジョルトよりも安いという逆転現象が起きている。。
測定可能距離：5～1300ヤード
測定精度・表示単位：精度±0.5ヤード、0.1ヤード表示（5～125ヤード測定時）、 精度±1ヤード、1ヤード表示（125ヤード以上測定時）
勾配角度：±20°（上げ下げ20°までの起伏）
勾配精度：±1°
モード：ピンシーカー、スロープ、ジョルト機能
三脚取付ネジ穴：○
望遠倍率：6倍
視度調整：±2°
レーザー：1クラスアイセーフ
アイレリーフ：16mm
ひとみ径：3.5mm
構造：完全防水（IPX7：雨天使用可能）
電源：CR2リチウムイオン電池1個（付属）
サイズ：33×102×74mm
重量：227g
実売価格
42,000～60,000円（税抜）
計測距離 ★★★★★
高低差機能 ★☆☆☆☆
ピンシーカー機能 ★★★★★
携帯性 ★★☆☆☆
光学倍率 ★★★☆☆
実売価格 ★☆☆☆☆
ピンシーカーツアーZ6ジョルト
■使用レポート
ピンシーカースロープツアーZ6ジョルトの高低差機能がない、直線距離専用モデル。角度やうつべき距離の表示がない。
距離の最大計測は同じ1300ヤード。
ネットでは、高グレードのピンシーカースロープツアーZ6ジョルトの方が安いのでこれを選択する意味は見当たらない。
測定可能距離：5～1300ヤード
測定精度・表示単位：精度±0.5ヤード、0.1ヤード表示（5～125ヤード測定時）、 精度±1ヤード、1ヤード表示（125ヤード以上測定時）
望遠倍率：6倍
レーザー：1クラスアイセーフ
構造：完全防水、全天候型
電源：CR2リチウムイオン電池1個（付属）
サイズ：33×102×74mm
重量：227g
実売価格 44,000～55,000円（税抜）
計測距離 ★★★★★
高低差機能 ☆☆☆☆☆ なし
ピンシーカー機能 ★★★★★
携帯性 ★★☆☆☆
光学倍率 ★★★☆☆
実売価格 ★☆☆☆☆
ピンシーカースロープツアーV3ジョルト
■使用レポート
最大計測距離は1000ヤードとピンシーカーツアーZ6ジョルトより劣るが、必要十分な性能。ボディはNIKONやレーザーアキュラシーに比べるとかなり大きい。ケースも大きいため携帯性が良くない。デザインも写真で見ると、かっこよく見えるのだが、安っぽいプラスチックの外観で、NIKONやレーザーアキュラシーと並べると見劣りする。アメリカらしい武骨な製品だ。大きなサイズだが、重さは187gと国内メーカー品と大差はない。ただ、かなり大きいのに重さが同じなので、中身がなく安っぽく感じてしまう。実売価格がNIKONやレーザーアキュラシーより1万円以上高いのに残念だ。高低差機能は、ピンシーカーツアーZ6ジョルトと同じで、±20度と計測範囲が狭く、高低差の数値の表示がなく、角度とうつべき距離のみを表示。ピンシーカーツアーZ6ジョルトと違い、黒い液晶は見やすい。ただし、V3の欠点が光学倍率が5倍と低いこと。6倍が当たり前の中、5倍はやや頼りない。テレビの画面で言うと、42インチテレビと35インチテレビの違いと同じ。遠くの細いピンなどを計測するのだから、やはり大きく見えた方が使いやすい。
測定可能距離：5～1000ヤード
測定精度：±1ヤード以内
勾配角度：±20°（上げ下げ20°までの起伏）
勾配角度精度：±1°
モード：ピンシーカー、スロープ、ジョルト機能
三脚取付ネジ穴：○
ピント調整：±2°
望遠倍率：5倍
アイレリーフ：21mm
ひとみ径：4.8mm
構造：雨滴防水、全天候型
電源：CR2リチウムイオン電池1個（付属）
サイズ：41×109×74mm
重量：187g
実売価格：38,000～58,000円
計測距離 ★★★★☆
高低差機能 ★☆☆☆☆
ピンシーカー機能 ★★★★☆
携帯性 ★★☆☆☆
光学倍率 ★★☆☆☆
実売価格 ★★☆☆☆
ピンシーカーツアーV3ジョルト
■使用レポート
ピンシーカースロープツアーV3ジョルトの高低差（スロープ）機能がないモデル。上位モデルのピンシーカースロープツアーV3ジョルトの方が実売価格が安い。スロープ機能以外の使用感はピンシーカースロープツアーV3ジョルトと同じ。
測定可能距離：5～1000ヤード
測定精度：±1ヤード以内
望遠倍率：5倍
レーザー：1クラスアイセーフ
ひとみ径：4.8mm
電源：CR2リチウムイオン電池1個（付属）
サイズ：41×109×71mm
重量：187g
実売価格
計測距離 ★★★★☆
高低差機能 ☆☆☆☆☆ なし
ピンシーカー機能 ★★★★☆
携帯性 ★★☆☆☆
光学倍率 ★★☆☆☆
実売価格 ★☆☆☆☆
次回はレーザーアキュラシー。