第211回世日クラブ講演会が開催されました | 世日クラブじょーほー局

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【世日クラブオンライン講演会】

「政治改革」不履行のツケ

 

(講演する髙橋利行氏)

 

【自民は負け幅縮める戦いに】

 世界日報の読者でつくる「世日クラブ」(近藤讓良会長)の第211回定期講演会が16日、オンラインで開かれ、政治評論家の髙橋利行氏が「崖っぷちの岸田政権」と題して講演した。髙橋氏は、自民党の政治資金パーティー券を巡る問題について「政治改革の失敗、あるいはきちんと履行できなかったツケが回ってきた結果だ」と指摘。次期衆院選では「自民は負け幅をどれだけ圧縮できるかだ。50議席減なんてことも当然ある」と予測した。

 自民党が所属議員に課したパーティー券販売ノルマを超えた分を政治資金収支報告書に記載しないままキックバックしている問題を、1988年の大型贈収賄事件・リクルート事件になぞらえる声もある。髙橋氏は、リクルート事件が起きた背景には「政治家を育てようという思想もあった」とし、「今回は(思想も)何もない。派閥に対する忠誠心の話で、リクルートよりもっと悪質だ」と強調。自民に対し、政治資金の透明化や党幹部らの派閥解消などを掲げた89年の「政治改革大綱」に立ち返り、「生まれ変わった気で改革しないといけない」と求めた。

 一方で、次期衆院選で野党が政権を取ることは「難しい」と分析。自公が議席を減らして、日本維新の会、国民民主党を加えた4党連立政権をつくることになったとしても「その政権は大変もろい」と述べた。その上で、覇権主義を強める中露や北朝鮮などを念頭に「日本の政治が息も絶え絶えでは(他国から)いいようにつけ込まれる」と強い危機感を示した。

 また、支持率の下落が続く岸田文雄首相に対しては、「政権を取ったときは良かったが、その後何をしたいのか分からない。きちんと説明しないのはそれで有権者を騙(だま)せると思っているからだ」と批判。「『聞く力』ではなく『説明する力』がないといけない。聞き流すだけでは国民が政治不信を持つのは当たり前だ」とし、自身の政策を国民を信用してもらうことが非常に重要だと語った。

 講演に先立ち、世日クラブの近藤会長は「安倍晋三元首相は日本も核シェアリングの論議をすべきと言ったが、岸田首相は自分の内閣では核保有の議論は一切やらないと封印し、考えもしない。国家は防衛力、経済力を第一に優先すべきではないか」とメッセージを寄せた。(2023年12月18日付世界日報1面より転載)