『鎌倉市民 第九コンサート2023』を聴きに行きました。

   

第九を聴いたのは 今から60年ほど前、学生時代以来のことでした。その時は学生仲間の友人が合唱団に加わっているということで、チケットを購入して聴きに行ったのですが、合唱団が加わる第四楽章に入るまでが あまり長いので退屈してしまったのを覚えています。(つまりは聴きに行ったのではなくて、お付き合いで演奏会に行ったのでした。)

演奏時間は70分を超える大曲ですが、今回は大満足でした。動きの大きい阿部未来の指揮ぶりも、クラシック初心者と言える私にはわかりやすかったです。第一楽章第二楽章とも耳に残る主題が良かったですが、2階の席から見下ろしているとティンパニの音が爽快で 奏者の動きに目が離せませんでした。これはレコードで聞いている時(私が持っている第九はまだCDではなくレコードなのです)では味わえない経験でした。それとは別にコントラバスとチェロのピチカートが耳と目に残りました。これもライブだから感じたことでした。お待ちかねの「歓喜の歌」第四楽章は 公募による180名以上の市民合唱団が活躍しました。今回も知人が参加しているのですがどこにいるのか見つけることはできませんでした。4人の独唱者はもちろん素晴らしかったのですが、大編成の神奈川フィルハーモニーも聴かせてくれました。

第九の演奏が 年末コンサートの代名詞のように言われていますが,これは日本だけのことだそうですね。でも久しぶりに第九を聴いて この圧倒的な音量を体に受け止めると、一年間の音楽体験のまとめとなった気がして「年末にふさわしい」気がしました。

今年 後半は鎌倉でのコンサートに絞って音楽会を楽しみました。

9月は鎌倉文化祭オープンのアマチュアバンドを、10月は『鎌倉芸術館』で村田望の歌声を、11月には『鎌倉能楽堂』で水谷川優子のチェロ、12月は『カノンハウス鎌倉』でヴァイオリンとチェロとピアノのトリオを聴きサロン音楽を味わいました。おまけにジャズを学んでいるアマチュア20人以上の演奏会も『鎌倉きららホール』で楽しみました。そういうわけで『鎌倉芸術館』で 第九を歌う歓喜の集いと銘打った『鎌倉市民第九コンサート2023』が私にとっては 気持ちの良い今年の締めくくりになりました。

 

 

●歓喜の歌 の 歌詞の一部を紹介します。

    大いなる幸せに恵まれた人たち、

    それは、友と友の繋がりを得た人たち、

    また、優しい人を伴侶にした人たち、

    ともに喜びの声をあげようではないか!!

                                      松本憲治:訳 

仕合わせよう!! ということですね。

(ライター:山口一郎)