昨日は鎌倉研究仲間の内田めぐみさん主催の「お話会」があり、5人で歌人としての源実朝についてお茶を飲みながら楽しく語り合いました。

源実朝(1192~1219)は鎌倉幕府の第3代将軍ですが、朝廷と武家の複雑な政情、事情に翻弄された儚い人生で、鬱屈した心情を和歌に昇華させた早世の天才歌人という一面も持ちます。

『正月一日よめる

けさ見れば 山もかすみて ひさかたの

天の原より 春は来にけり』

自作の和歌を600首以上集めたオリジナルアルバム⁈「金槐和歌集」の第1首です。

「今朝見ると山に霞がかかっている。待ちに待った春が大空からやって来たのだ」

旧暦の正月(睦月)は現代の2月頃で寒いながらも蠟梅や白梅が咲き始めたり、景色が霞んだり、春の気配を感じられる頃です。3日が節分、4日が立春ですね。

その時の辛い気持ちを寒い冬に例えながらも春の兆しに希望を持ちながら生きていこうという前向きな気持ちが詠まれているものと思われます。

能登の皆さん、辛いでしょうが、ここはひとつ仕合わせる力で乗り切ってくださいね。

(私たちの原典「仕合わせる力」は東日本大震災の後、福島在住の玄侑宗久師により書かれました。)

今日も仕合わせる一言をお読みいただき、ありがとうございます。

<ライター:沢☆一休>(鎌倉愛好家)