このところ、本の整理をしていますが、
また読みなおしたい本が次々に出てきています(汗)

その中でまずはこの本
『一〇三歳になってわかったこと』篠田桃紅

墨を用いた抽象表現主義の美術家で
2005年90歳のころニュースウィークに「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれるなど
晩年まで精力的に活動を続けられた方です。


長寿の方が書かれたご本を読むと
その年齢の方がそれこそ100年を通した人生の中から
見つけられた知恵や言葉が溢れているなぁ~と
改めて考え深く読んでいます。


その中で今日は「いい加減」について。
最近はあまりよくない意味に使うことが多くなったのでしょうか。
「いい加減なことを言う」とか
「いい加減な人」のように。


でも本来は「程よい状態にするために加減する」から「いい加減」と。
「お湯はいい加減だよ」
「お加減はいかがですか」などなど


桃紅は「日本の文化には余白を残し、臨機応変に加えたり減らしたりすることのできる「いい加減」の精神がある」と。


食べすぎの家族をみて「いい加減にしておきなさい」
兄弟喧嘩を見て 「いい加減にやめなさい」などなど
私はたしなめたり、叱るときに使ったりするように感じていましたが、

本来の言葉の意味を考えると

決定的なところに行く前に「ちょうどいい加減」を見つけなさい、という意味で
その「いい加減」は人によって、状況によって異なるのでしょうが、
この言葉はそれぞれの「加減」を知っているよね!と
確認しているように感じました。


100歳を超えた人からの言葉として受け取ると、
日本語にあるこういう「いい加減」を改めてもっと大切にしたいと想わずにはいられません。


この本にはすてきな文章がたくさんあるので
またの機会にご紹介したいなぁ~と。

改めて読みかえした本と仕合わせています。

今日もお読みいただきありがとうございます💞

<ライター:伊藤惠子>