現在ライターズと一緒に読み進めている本は河合隼雄先生の「こころの処方箋」ですが、同じく「処方」とつく一冊を紹介させてください。別の読書会のグループと読んでいます。
 

「社会的処方 孤立という病を地域のつながりで治す方法」 西智弘・編著 学芸出版社 2020年



帯から抜粋します。
《 認知症・鬱病・運動不足による各種疾患…。医療をめぐるさまざまな問題の最上流には近年深まる「社会的孤立」がある。従来の医療の枠組みでは対処が難しい問題に対し、薬ではなく「地域でのつながり」を処方する「社会的処方」。制度として導入したイギリスの事例と、日本各地で始まったしくみづくりの取り組みを紹介。》


わたしたちは、こころやからだの調子が悪いときに病院に行き、薬を処方してもらいます。この時、薬だけでなく、体操や音楽、美術館、ボランティアなどの活動を紹介されたらどうでしょうか?薬と同じように社会とのつながりが処方されるので、社会的処方と呼ばれます。


イギリスではじまった社会的処方の取り組みでは、釣りや編み物、アートプログラムなどの集まりに参加した高齢者が鬱病から脱した例などもあるそうです。つながりがないこと「社会的孤立」は、健康に大きな影響を与え、認知症の増加や、寿命にも影響を及ぼすということがわかってきています。


とはいっても、誰とどうつながってよいのかわからないことも多いのではないでしょうか。性格的に人と関わるのが苦手な人もいるでしょう。なにか困りごとを抱えているときに「自己責任」と言われたら「こんなことで困っているの…」と声をあげにくいこともありそうです。


ちょっとしたことでもいい。今こんなことが心配、相談したい、サポートが欲しい。それを声に出して誰かに伝える。伝えられるつながりがある。そんな関係をつくれるような何かができたらいいねと、読書会の仲間と話しました。そして、今度の集まりまでに、自分自身ができる社会とつながる具体的活動へと半歩でもいいから踏み出してみようという宿題が出ました。今のところアイデアはありませんが、人と人がつながる、人と人をつなげる、し合わせるためのアクションです。


必ずしも地域だけでなく、ネットでのつながり方もあるのでしょうか。私にとって、オンライン読書会もひとつのし合わせるつながりといえるでしょう。好きなこと、興味のあること、これなら私にも出来そう!というところから、つながりをつくっていけたらいいですね。


最後までお読みいただきありがとうございました。

<ライター:うのゆ♨