ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司主演の映画「Perfect Days」をご覧になりましたか?2月に劇場で観て誰かと感想を話し合いたくなり、3月に<Perfect Daysをみて話す会>をリアルとオンラインでそれぞれ一回ずつ開催しました。5月に<Perfect Daysを歩く会>を計画し、先日ロケ地を巡ってきました。

 

 

 

「こんなふうに生きていけたならー東京・渋谷でトイレ清掃員として働く平山(役所広司)は、静かに淡々とした日々を生きていた。同じ時間に目覚め、同じように支度をし、同じように働いた。その毎日は同じことの繰り返しに見えるかもしれないが、同じ日は1日としてなく、男は毎日を新しい日として生きていた。その生き方は美しくすらあった。男は木々を愛していた。木々がつくる木漏れ日に目を細めた。」(映画HPより引用)

 

 

午前は、役所広司が扮する平山が清掃する公衆トイレを巡りました。渋谷区にある17か所の内、映画に出てきた3か所と映画には出てこなかった2か所を見学!有名な建築家やデザイナーが設計した公衆トイレは、全ての動作を声で指示する「ボイス・コマンド」がコンセプトの非接触型トイレあり、鍵を締めると不透明になるガラスのトイレあり、公共の水場としての手洗い空間を提供するトイレありと、様々な工夫や特徴が印象的でした。また平山が仕事の休憩時間にサンドイッチを食べ、木漏れ日の写真を撮っていた代々木八幡宮にも参詣。映画で見て想像していたよりも広く、とても気持ちのよい境内でした。

 

 

 

午後は、平山の住んでいるスカイツリーの見える浅草界隈を散策しました。定期的に本を買いに行く古本屋、一日の終わりに呑みに通う浅草駅の飲み屋、ちょっと気になるママが経営する居酒屋、自転車で往来する隅田川にかかる桜橋など、映画のシーンを思い出しながら回りました。平山が何を見て、何を聞き、何を感じていたか?ヴェンダース監督が何を伝えようとしたのか?そんなことをつらつら考えながらも、実際にその場に立ち、そこから見える風景を見て、波の音や電車の音を聞き、川の匂いや湿った空気を感じました。

 

 

 

ひとりでなく集まった友人らと回ることで、映画の中で感じた疑問の答えを見つけ、別の視点、感じ方などを知り、より深く映画を味わえました。ヴェンダース監督が捉えた東京を巡り、新たな街の魅力に触れることもできました。さらには、自分にとってPerfect Daysとはどんな日々だろう?どんな街でどのように暮らしたいのか?という問いにまで発展し、これからを考えるきっかけにもなりました。

 

映画を観て、語り、その場に立って感じてみる。いろんな仕合わせ方で、主人公や登場人物に自分を重ね合わせ、映画を追体験すると同時に、「今度は今度、今は今」を確認する時間でした。

みなさんはどのように映画と仕合わせていらっしゃいますか?今度おしえてくださいね。

 

長文、最後までお読みいただきありがとうございました。

<ライター:うのゆ♨

 

https://www.perfectdays-movie.jp/

https://tokyotoilet.jp/