小林茂子オフィシャルブログ「生きてみよ、ツマラナイと思うけど」Powered by Ameba -8ページ目

無礼者

今だから言える。

それは、息子五代目三木助の襲名披露パーティーだった。

受付に何人かの落語家…前座だか二つ目か

全く誰かわからない。

たくさんの来賓

わざわざ来て下さった方々に挨拶で翻弄されていた。
ホテルオークラには、控えの間と来賓控え室を用意

来賓控え室担当は、パーティーの主役三木助

一般の控え室は私

暗黙の了解で動いてはいたが、落語協会のたくさんの方々

とは言っても知り合いはたくさんいる。

三木助に取っての先輩も私には、昔馴染み

あれこれ挨拶して一般控え室を見ると円楽や木久扇がいる。

そこには、群がる人

慌てて来賓控え室へ案内

そして来賓の担当に「あなた落語家だったら、円楽や木久扇が来賓だってわかるでしょう。きちんと来賓控え室へ案内してよ!!」

すると相手は「忙しいんです。だったら自分でやって下さい。」

目がテン

今まで落語家にそんな口きかれたことない。

ちゃんと手伝い料は払っているはず

もし、これが四代目三木助の主催だったら私は「帰れ!!お前のような馬鹿者に受付は任せられない」と一喝するところだが、誰だかわからない。

ムッとしながら、私は無視して来賓受付にいた。

並みいる落語家が「お姉さんおめでとうございます。」と挨拶する。

パーティー会場で私は、名も知らない落語家達に「本日はありがとうございます。三木助の母でございます。」と挨拶してから、上座の落語家の席に行った。

挨拶する前に「お姉さん、お疲れでしょうからお掛けください」

私は譲られた席に腰をかけ「なんで私があんたらの弟子に頭下げなきゃいけないの!!」

「申し訳ございません。」

主賓には「どうも」

来賓には「なんで…」

名も知らない落語家には手厚く

それだけ高学歴かもしれないが、落語界のなんたるかを知らない有象無象がいる落語界。

こちらから願い下げ

とある落語家が母から祝儀をもらった。

送ってきた礼状の書き出しは「おばあちゃん…」だった。

連絡先を知っていたので、「確かに三木助のおばあちゃんだが、あの人は三代目三木助師匠のおかみさんだから、貴方も落語家なんだから、礼状の書き出しはおかみさんだよ!!」

そこに対し彼は素直に「教えていただきありがとうございます。」だった。

家業を継ぐと弊害も起きてくるが、躾第一だった落語界もご意見番は消えて行く。