何年前か忘れてしまったのだけど、昔、僕には2歳年上の兄がいるのですが、その兄と池袋で深夜にラーメンを食べた後、自宅がある板橋区まで歩こうとなんとなく二人で決めたことがありました。

 

その頃兄は、自宅から離れて京都に暮らすことになって、それで、しばらく離れる地元の風景をその目に焼きつけておきたいという意図があったみたいでした。

 

その当時、運動もしないで完全に自堕落な生活をしていた僕は、兄の提案に「超面倒くせー」と思いながらも歩きました。確か6月の終わりで、夜になってもうっすら日中の暑さが残っていて、少し歩いただけで汗ばみました。

 

電車に乗ったら2駅か3駅ぐらいの距離を歩いてみると、思ったよりも時間がかかります。2時間ぐらいテクテク歩いている中で、「江戸時代の人は基本的にずっと歩いていたんだよな」という話になって、長い時間を汗をかきながら歩いていると、色々な悩みがけっこうどうでも良いと思えたりもしました。

 

江戸時代の事情なんてもちろん知りません。

 

でも、今の世の中に生まれた人達って、多分「体を動かさないで待っている時間」って圧倒的に増えたのだとその時感じました。

 

つまり、悩むために使える時間が圧倒的に増えた。

 

もちろん、僕は暑苦しく「体を動かしましょう」とか、そういうことを推奨する人間ではないです。

 

ただ何か、座って解決しない悩みって、けっこう「えいや!」って汗をかくぐらいに歩くとか、そういう、めちゃくちゃ単純な行動によって違う糸口が見えてしまうことが、僕には過去多々あって、自分が悩んでる時って「悩むために時間を使い過ぎているのではないか?」という線を一応疑うようになったりもしました。

 

特におちはないのですが、夏が近づいてきた夜に、なんとなく思い出したことを書いてみました。終わり。