先週あるラジオを聞いていたら、「僕は恥がある人が好きです。恥がある人って、ネガティブなようで、それって品があるってことじゃないですか。逆に、恥がない人ってやっぱり品がない」という言葉が出てきて、すっごい共感したのです。

 

恥じらい、品、節度って、僕自身は若い頃にはそれこそ「意味のわからない」感覚でした。

 

若い頃って、0か100かの感覚が今の自分よりも何百倍も強くて、ほら、「いや、俺のこと好きじゃないなら振ってくれよ」とか言っちゃう公衆電話の夜とかあったわけじゃないですか。すごいごめんなさい。その後ちゃんと「嫌いです」と言われました。ありがとうございました。

 

話戻って、僕が占いを勉強し始めた頃に、易っていう昔中国の占いがあったのです。

 

当時は占いで「直接当てる」とかじゃなくて、易の中にある壮大な物語がすごく好きで、64個の物語の中に、その中に6個の「今の勢位」みたいなものがあって、そういう専門的な話はここでは一切はしょります。

 

その、易占いの中ですごく好きな卦があって、それは「節」というものなのです。

 

これは要は「節度を持ちなさいよ」という、どっちかっていうと「戒められる」時によく出た占いの結果でした。

 

節度を知っている人って、品があると思います。

 

「やろうと思えばできてしまうことを、それをやってしまうと実は色々なものを傷つけてしまう可能性がある」

 

そういうことをやらない節度って、実は巡り巡って、その人が「信用される」という実益につながっていくことがかなり多い。

 

家族と一緒に住んでいる弟が、冷蔵庫の中にすごい美味しそうなプリンを発見した。そのプリンって、多分お姉ちゃんが買ってきて、会社から帰ってきたら食べるのを楽しみにしているものだと気づく。でも、「何食わぬ顔で食べちまえ」ってやった時のダメージって、実は大きいんじゃないかって話なのです。

 

それをやんないで、後から美味しそうにプリンを食べているお姉ちゃんを見て「それ美味しそうだね」って言えば、もしかしたら会社の帰りにプリンを二つ買って帰ってきてくれるかも知れない。

 

ズルって二種類ある。

 

誰がどう見てもズルなケースと、「気づかれなかったらOK」というズル。

 

実は、後者のズルの方が深まっていくダメージは大きいんじゃないか。

 

もちろん気づかないうちに「あ、ヤバイ。ズルしちゃったかも」と冷や汗をかくことってあります。何か、その冷や汗をかいて落ち込んでいるうちは大丈夫な気がする。背中に冷や汗をかかなくなってきたら、ちょっとそれはマズいのかも。

 

節度。

 

「やろうと思えばできることを、あえてやらないで遠回りする勇気を持つこと」

 

そこに何か、その人の「あの人さ、いいよね」と言われていく魅力につながってくるんじゃないか。魅力がある人ってちゃんと遠回りしている人だから。