新しい本、『しいたけ.の12星座占い 過去から読むあなたの運勢』(KADOKAWA)の紹介も佳境に入ってまいりました。今日は山羊座です。水瓶座と魚座の方も、いつも辛抱強く待って頂いて本当にどうもありがとうございます。

 

僕はある程度長い間占いのお仕事をしてきて、山羊座の行動力のすごさや奇跡的なアイデアをもとに偉業を達成していくような力、他者に対して「これも何かの縁だから」と言って尽くしてしまう温かさって、その根源には実はコンプレックスがあるからだと考えているのです。それは「私のことを理解してもらえるのは難しいだろうな」というもの。山羊座って、多かれ少なかれ対人関係における「理解」を諦めているようなところがあります。だからこそ「自分で黙々とやって、結果を出していってしまったほうが速い」という思考に結びついたりするのです。そして、「一人でもやってやろう」と腹に決めた暴走成分がある。山羊座の他者に対する寛大さって、理解されない悲しみや不遇な時を過ごしている痛みに対する強い共感からきているのです。

 

 

『しいたけ.の12星座占い 過去から読むあなたの運勢』(KADOKAWA)p.162 あなたの未来〈2020年以降〉より

 

「誰かに理解されること」って、人が生きていく中でとても大事な場所にあると思うのです。

 

ちょっと個人的な思い出になってしまうのですが、僕が20代の頃、進路に全部行き詰ってしまった時がありました。その時に学校の恩師から

 

「君は図書室の本を整理しながら自分のアイデアをコツコツと作っていくタイプではなく、まず砂漠に出ていって勝手に何か宝物を見つけてしまうタイプなんだよ。だから、まずは砂漠に出ちゃって、その後に図書室に戻ってくれば良い」

 

と言われたことがあって、その言葉を支えに今でも生きられているところがあります。

 

どうしてこの言葉がそんなにありがたかったか。

 

「この人だけは、他人から疎まれたり、はみ出していると思われている性質を違う面から理解してくれている」

 

があったから。

 

ただ、僕は大人になってみて思うのが、「誰かから理解される」ということももちろん大切だけど、それと同じぐらいに「理解されなかった時間」というのも大事なんじゃないかと思うのです。

 

それは別に、いたずらに「苦しさに耐えろ」とか、そういうことを言いたいのではなくて「あ、自分が面白いと思うものがなければ、自分で面白いと思うものを作っていってしまえば良いんだ」って、そういう逆転の発想が生み出されていくこともあるから。

 

山羊座のすごい武器って、「理解のされなさをどう鍛えてきたか」なのです。

 

だから、ちょっとキツい時もある。

 

山羊座って何か、すごく大事な人へのプロポーズの場面で里芋を送っちゃうようなところがあるのです。

 

「みちこ君、これ、開けてくれたまえよ」

 

「え、何なのかしらこれ。楽しみだわ」

 

「里芋だよ。すごく大事に育てたんだ。ベランダで里芋を育てるってね、大変なんだよ。土は北海道から取り寄せた」

 

とか。

 

僕は山羊座が大好きなんです。

 

時々、すごく決定的なシーンでこれをやったりするお茶目な暴走特急だから。

 

「なんだ君は!里芋の良さがわからんのか!もういい!僕は帰る!あなたをうならせる世界一の里芋をきっと作ってみせるさ!」

 

って。

 

山羊座が道に迷うことがあったら、たまには「自分が良いと思う方向に突っ切ってしまう」というのも大事だと思います。

 

もちろん、すべての山羊座の人生の重要な場面に付き合えないし、ケースバイケースという言葉もあります。

 

でも、「ここは何か、全員に理解されなくても良いんじゃない」って、「ちょっと暴走してやろう」という気持ちですさまじい結果を出してしまうことがある。

 

山羊座の人生は

 

「大ハズレか大当たりのどっちか」

 

があることが多いです。

 

大ハズレが出たら、できれば大笑いしてみて下さい。

 

結婚プロポーズに里芋をちゃんと送る。それが外れた時から勝負が始まるって、山羊座の人生にはよくあることだから。

 

山羊座は、何か人生の大切なお話がそういうところからスタートすることが多かったりします。

 

自分が一生懸命やってきたことが、あんまり響かなかったこともある。あれ?と思い、そこから落ち込むこともある。でも、そこから自分なりに積み重ねていって、少しずつ応援者が増えていって、勝負所でちゃんと暴走をしていく。

 

「負けることは、新しく見える景色の始まり」

 

そういう離れ業を山羊座ってできます。

 

負けを経験したことがある山羊座は、今浮かばれなかったり、共感されなかったりする他人に対してとんでもなく優しかったりもします。

 

勝ち負けを経験してきているところから、「こんなやり方じゃ勝てっこない」とか、そういうシビアな物の見方も裏ではちゃんとしています。

 

もしよければ、山羊座の色々についてもっと本で書きましたので、読んで頂けたら嬉しいです。