しいたけ.です。先月出した本『しいたけ.の12星座占い 過去から読むあなたの運勢』(KADOKAWA)がオリコンランキングにも入りました。どうもありがとうございます。

 

僕は本をはじめ、自分でいわゆる「商品」を世に出す時に、自分で決めたルールがあります。

 

それは

 

「世の中には他にも類似した商品やサービスが溢れている。では、なぜ自分はそれを出したいのか?」

 

という問いを常に自分に出すことなのです。

 

僕は、「仕事論」を偉そうに語れるような経験値をまったく持ち合わせていません。だけど、世の中のあらゆる仕事って「その仕事にしかない居場所」を見つけ、育てていく意思の中に応援してくれる人が現われてくれて、そして、必要とされていくことが大切だと考えています。

 

では、今回僕がこの『しいたけ.の12星座占い』を出したいと思った理由は何か。

 

それは

 

「分かり合えないことって、分かり合うということの一種なのかも知れない」

 

と強く思ったことがあったからなのです。

 

いわゆる、占いとか、誰かを分析する本って

 

「この人はこんな人だよ」

 

そういう、その人とか“自分”のことをもっと知るために書かれることが多いと思うのです。

 

でも、たとえば、僕が12星座占いをやっていて毎回すごく面白くて楽しいのが

 

「牡牛座って、こういう時に、こういう考え方をするのか」

 

とか、そうやってわかった時なのです。そして、「なんでこの人こんなことするんだろう?」と「分かり合えないの谷底」に突き落とされた時なのです。

 

「牡牛座が自分が好きなアイスクリームを否定された時のダメージって、獅子座や双子座が『あなたってこういう人だよね』と、相手の価値観とか常識の中で勝手に決めつけられてきた時のダメージに匹敵する」

 

とか。

 

そういうのって、他の星座だったら「なんでチョコミントなんて食べてるの?」と言われたところで、特にそこまで傷つきはしないと思うのです。でも、牡牛座は「昔から大好きで、大事に大事にペロペロしてきた思い出の情景が詰まったチョコミントのアイスクリームを簡単に否定された日にはお前もう、許してはおけない」ってなったりする。大好きなアイスクリームを買いに行く日、ポケットの中に大事にしまった320円の温かみとか、そういうのを全て覚えているからです。

 

僕が12星座の占いを書いて、そして、自分以外の星座の人の「大変さ」を知ってもらって、読者の方にどういう感想を持って欲しいか。

 

「あー、〇〇座ってなんか知らないけど大変だな」

 

というものなのです。

 

自分とは違うポリシーや、価値観や、大切にしているものがある。そして、極度に面倒くさいところがある。蠍座とか、もう何百回「あー、ここまでやったのにわかり合えないんだ」とか、何回谷底に沈んだのか。

 

僕はすべての人が持つ「面倒くささ」が、なんか知らないけど大好きなんです。

 

それは多分、僕が自分のことを「ノミの心臓を持ったガラス細工人間」と言っているぐらいにすぐに逃亡をしたくなり、すぐにトイレの個室に籠りたくなる人間だからです。

 

もしこの本を読んでもらって、その面倒くささについて「あー、これは分かり合えないな。でも、この分かり合わなさを尊重しよう」と思ってもらえたら、今まで何回もトイレに逃げこんできた体験も浮かばれます。笑

 

もう購入して読んでもらった方も、これから本屋さんに行って手にとってもらって立ち読みして頂く方も、表紙のたなかみさきさんの表現がかわいくて手に取る罠にかかった方も、改めてここで「ありがとうございます」と伝えさせて下さい。

 

しいたけ.というものに関係するものを自分の手で私物化するのではなく、僕自身が「しいたけ.」というキノコのファンであることを自負しているので、これからも皆様と一緒にこの変なキノコを喜ばれる形で育てていけたらと思います。

 

今後ともどうぞ、ご指導ご鞭撻のほどをよろしくお願いします。

 

2019年7月19日

 

しいたけ.