もうずっと昔の話のように感じてしまうのですが、僕はまだその時年齢が30代前半で、仕事に対して命がけで、自分にも他人にもバキバキに厳しかった時期があったのです。

 

ある日、長い付き合いの友人を通じて仕事を紹介してもらえて、その紹介者と仕事をした時に、相手のミスや不手際が目立って、ちょっとその方と一緒に仕事をしていくのが難しく感じられました。

 

イライラしながらその友達に会って、その人が紹介してくれた人の不手際とかミスについて話し出そうとした時に、やっぱりその友人は長年の付き合いだったから気配で察知したのでしょう。僕の発言を制して、きちんと目を見てこう言ったのです。

 

「みんな、一生懸命生きているんだよ」

 

その発言がすごく突き刺さって、今でもその友人がその時強く言ってくれたことを感謝しています。

 

自分に対して厳しい基準を持つから、当然のことのように他人に厳しく接すること、100点じゃない部分を探すことを「当たり前」のように感じて生きていた時期がありました。その時はすべての人に対して「競争関係」であったんじゃないかと今ではそう考えています。

 

それから数年経って、先月の10月なのですが、不思議なことに突発的にご飯を食べに行った方達が何人かいました。

 

その人達に共通していたのが、「何を言い、何を言わないか」を自分の価値観の中で大事にしていたのです。

 

ある人が言った言葉を、ここに残しておきたいのです。

 

「気が合うって、すごく不思議だったんだけど、今現在の僕の暫定的な答えだと、“何を恥ずかしいと思うか”が一致する人だと思う」

 

何を恥ずかしいと思うか。これはけっこう深いぞ。