どうして なんで そんなことに | 陽だまりのうた             かとう しこうのブログ

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大和の国 日本の心よ 何処へ

心だけが取り残されるこの時代に生きる人たちへ

頑固じじいが贈る温かなエールです

どうして なんで そんなことに



雨にも負けず


風にも負けず


貧にも負けず


命のために尽くす


心のために尽くす


黙々と尽くす


明日の ひかり 信じて





じんせい



とうさんや かあさんは


どうして なんで そんなことに


いっしょうけんめいに なるの



よそのひとは たのしそうに


じぶんのことを しているのに



いちねんじゅう 


やすむときが ないことや


びょうきにも なれないこと


なんでやってるの




とうさんや かあさんはね


みてみぬふりが できない 


にんげんで


うまれたから


かわいそうな どうぶつたちと


やくそくを すると


うそついたり うらぎることが


できないのです




きっと かみさまや ほとけさまが


そのしごとを くれたのだと


おもって いきていくのです


そういうのも じんせいですよ



      しこう




            




冷たい雪が 空から降りてきては


景色を 白く 塗り替えてゆく



休日の街は 車も人も姿を消して


別人のように 黙り込んでいる


ときおり 


屋根から 滑り落ちた雪の


鈍い音




そんな 景色の中を


父は リュックひとつ しょって


餌を待ち続けている 


猫たちのもとへと


杖を ついて 歩き始める


自転車ならば 片道15分


今日は ゆっくり歩きで 一時間弱





長靴を履いて 


手袋つけて出かけてゆく


具合が悪くなるから 危ないからと


何度言っても 言い聞かせても


自分の体が 


ぜんまい仕掛けの時計のごとく


動かなくなる その瞬間まで





きっと 父は 続けるつもりなのだ





週に1・2度 私や 姉が


御用聞きで 通っているが


こんな時は どうにもならない


せいぜい電話で 状況を訪ねて 


今日は やめておきなさいと言う


しかし 大丈夫だ の一点張りで


聞き入れない




わかっている 


そう わかっているのだ





これは 私たち親子にしか


わからない 


じっと ずっと 


ひたむきに守られてきた約束で


どんなにそれが


時代の流れに逆らうこととて


信じた道を


ただ一筋に 守り抜くと決めた


父の生き様であり


私たちが見てきた


大きな背中でもあるのだ




そして これは


一日も早く 不遇な猫たちが


いなくなりますようにと


心で支え合う 温かな世の中が 


生まれますようにと


40年の間 願い 続けてきた


父の祈り そのものである





そんな餌場の猫たちも

 

残すところ 老猫と あと数匹

 

最後まで なんとか 

 

看取ることができそうだ

 



父に 力を貸して下さる

 

里親さん ボランティアの方の

 

協力も大きい

 

エゴもない 損得もない


同じ思いの稀有な人たちの


紡ぐ 優しさが


どれほど多くの 


猫たちの命を救ってきたことか




この行為を


偽善だという人がいる


自己満足だと笑う人もいる




路頭に迷う猫たちこそが


人間の身勝手さの


犠牲者なのだ


せめて 街の片すみに身を寄せて


健気に生きようとしている


この小さき者の


声無き 声を聞き


優しさの ほんのひとかけらを 


分け与えて やってもらいたい







それにしても


今日の雪は あと どのくらい


降り積もるのだろうか


この哀れな猫たちの体の上に


見守る人たちの上に


音もなく 降り続く 




私は 


ただただ恨めしく 


空を見上げ


青空と 眩い日差しが


今にも 天から降り注ぎ


この白い冷たい冬の使いを


どこか遠くへ



消し去ってくれないものかと


何にもできずに


窓の外を眺めて



祈り続けている








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