下山口キリスト教会

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埼玉県所沢市にある、下山口キリスト教会のメッセージページです。礼拝での牧師先生のお話を公開いたします。諸事情で礼拝にお越しになれない方、以前のメッセージを思い起こしたい方、また教会での話に興味のある方、どなたでもぜひご利用ください。

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3月12日安心して行く

ルカ8:43~48    

吉澤恵一郎

 

 そこでイエスが女に言われた、「娘よ、あなたの信仰があなたを救ったのです。安心して行きなさい」 

ルカ848


「いやし」という言葉を耳にする機会が増えました。殺伐とした現代社会の中で、一時的であっても小さな安らぎを求めていると思います。しかし本当の「いやし」は決して一時的なものではありません。


 この箇所には12年間、長血を患っていた女性が出てきます。彼女には多くの苦しみがありました。まず、病気による肉体的苦痛です。さらに、経済的に困窮していましたし、多くの医者から苦しめられたことによる人間不信もありました。思春期に発病したことにより、恋愛や結婚の希望を持てなかったということもありました。そして、最大の苦しみは病気によって差別を受け社会的にも宗教的にも疎外されていることでした。このような苦しみは、私たちの想像を超えていると思います。 


 しかし、この女性は「イエス様なら治せる」と信じていました。そこで、人ごみに紛れこみ、イエス様の衣のふちに手を伸ばしたのです。このことは、この女性にとって簡単にできることではありません。一大決心をした人生をかけた行動でした。そして、この時たちどころにいやされたのです。


 しかし、その直後にイエス様が女性のことを捜し始めました。彼女は隠しきれないと思い、震えながらイエス様の前に出て行き、さわったわけと、いやされたことを話しました


 イエス様はなぜ、この女性を捜したのでしょうか?それは、この女性を完全にいやしたかったからです。ここでイエス様はこの女性の話を聞き、人格的な交わりを持たれたのです。長血という病気が治っても、人間不信という苦しみから解放されなければ彼女の人生は何も変わりません。

 この出来事は会堂司の娘が死にかけているためイエス様は一刻も早く移動しなければならない状況で起こりました。イエス様は急いでいましたが、この女性と向き合いました。イエス様は、決して意味なく後回しにされるような方ではありません。このことも彼女を全人的にいやしたことだと思います。そして、この女性がイエス様に告白したように、私たちも決心したことや示されたことを公に証をすることが大切です。イエス様は、そのことを喜ばれる方であり、待っておられます。


 最後にイエス様は「あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい」と言われました。勇気を出して決心し、大胆に行動した信仰をほめられたのです。そして、12年間安心したことのなかった女性は、ここから安心して行くことができました。同じように、私たちも決心して信仰の一歩を踏み出すべきです。その時、いつまでも変わらない安心が与えられます。これが本当のいやしであり、「救い」なのです。