第27回「地域の中で子どもが育つために必要なことは?」 | ほっこり 知恵袋

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今回は、府中市のわらしこ保育園園長の大伴美砂子先生にお話を伺いました。パネルディスカッションでは、パネリストに主任児童委員をされている、那須史子さんにもご登壇いただきました。子供を取り巻く環境を踏まえて、今地域で求められていることとは何でしょうか。皆様と共に考えてみました。

日時:2018 年9月30日(日) 14:00~16:00
場所:聖マルコ教会(JRまたは京王線分倍河原駅徒歩5分)


❰講師プロフィール❱
大伴美砂子(おおともみさこ)
社会福祉法人わらしこの会わらしこ保育園)園長地域の拠り所として2000年に設立。子育てひろば、赤ちゃん講座、園庭開放など子育てに関する地域への発信を続けている。
❰パネリストプロフィール❱
那須史子(なすふみこ)
主任児童委員、保護司、あおば学習支援など地域の子どもたちと関わり続けている。

❰プログラム❱
14:00-~14:30  講演「子どもが健やかに育つには?」わらしこ保育園園長
14:30~14:40休憩
14:40~15:40  パネルディスカッション「地域の中で子どもが育つために必要なことは?」
15:40~16:00質疑応答、終了


第1部わらしこ保育園園長、大伴先生の講演の感想
わらしこ保育園の理念は、子どもの感覚を大事にすること。
五感を使い、子どもが自分で学びながら成長していくことを大事にしているそうです。園庭は、特別な遊具はない。泥んこ遊びができるように砂場があり、木や丸太がある。他にプールがある。できるだけ手を加えない自然の環境を保っている。子どもが自ら手を触れたり、工夫して遊べるようになっている。
子どもの自主性を見事に引き出していると思いました。敢えて過保護にしないことで、子どもの能力を引き出していました。
子どもが自らの失敗などの体験を通して、工夫していく。
心身ともに頼もしく成長しているところは素晴らしいです。



第2部のパネルディスカッション
テーマ「地域の中で子どもが育つために必要なことは?」
パネリストに主任児童委員の那須さんのお話を伺いました。
子どもが今、置かれている現状は、問題が顕在化しにくいこと。
SNSの普及により、いじめの拡大があり、複雑化していること。スマホは小中学生の利用まで及んでいる。小中学生利用の仕方は、遊び感覚ということもあり、注意しなければならない。利用時間を決めることが必要になるということ。
ある中学校では、生徒会で利用時間を決めたところ、劇的に効果があったそうです。
・親の都合でスマホを持たせる場合もある
両親共働きの家庭が多くなり、連絡を取る手段として早くから子どもに携帯電話を持たせることが普及している。
・友人同士などの連絡手段がLINEになっているため、参加しないと情報が得られない。仲間外れになりたくない。
・対面での会話が少なくなる理由は何だろうか?
家族揃って食事をする機会が減少している。家族との会話がなくなり、気軽に悩みなどを相談できなくなっている。両親共働きや片親の家庭が増えているため、家族も子どもの話を聞く余裕がなくなってきている。

・子どもが安心していられる場は、どういうところだろうか?
信頼できる大人がいること、話しやすい雰囲気や場であること。子ども食堂もその中にはいる。
・塾や部活動に参加できない子どもはどうなのか?
学校の図書館、児童館などを利用する場合がある。ボランティアで学習支援をしているところもある。大学生が参加してすることで、よい相談相手になるそうです。

・医療機関などで虐待が疑われるときは、どこに通報したらよいのか?
児童相談施設、地域包括センター、保健所など。
警察に通報する前に、子どもを安全な場所へ避難することが先になる。

❰感想❱
子どもが健やかに育つことは、誰もが願うことです。
子どもが安全に育つためにには、生きていく力をつけることが重要になります。
わらしこ保育園での取り組みは、敢えて与えすぎない自然の環境で、子どもの自立を育てる保育をされています。自分の頭で考え、行動する力は人生の基礎となります。ところが、現在の子どもを取り巻く環境は著しく変化しています。
家庭環境の変化、コミュニケーションの取り方、経済格差などが背景になります。顔の見えないコミュニケーションは、顕在化しにくく、人間関係も捉えにくくなっています。子どもたちの生き辛さは、現在は益々大きくなっているとおもわれます。では、地域の中で子どもたちを手助けするために、大人たちはどのように関わればよいのでしょうか。その一つがボランティアだと思います。
募金でも、チャリティーバザーでも構いません。何かひとつでよいから、参加してみることです。そこから気づくことをまず始めてみることではないでしょうか。本日参加された方で、府中市の子ども食堂、「こどもの居場所作り@府中」に寄付をしてくださった方がいました。ご高齢の方で、「子どもたちのために少しでもお役に立てれば。」と。そのような気持ちこそ、大切にしたいです。今、自分ができることは何でしょうか。身近な小さなことでよいのです。先ずは始めてみようではありませんか。