僕、酒屋なのに知らなくて蔵元さんに行ったんで気になってたから聞いてみて、日々勉強だなってつくづく思う『酒のしのぶや』三代目店主(仮)の佐藤浩一です。

 

日本酒って空気にも弱いのになんでいっぱい入ってないんだろう…

先日の広島・山口蔵元訪問出張(大人の修学旅行)の時に、前から気になってたことがあったんで雁木を醸す山口県岩国市の八百新酒造さんの小林社長に聞いてみました。

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日本酒の天敵といえば【光・熱】ですけど、さらに空気に触れることにより【酸化】が始まってしまいます。

だからなるべく空気に触れる面積を小さくするために日本酒の保管は立ててと僕は思ってて、だったら蓋のところギリギリまでお酒を入れればいいんじゃないの?って疑問に思っていたんです。

だってそうすれば空気に触れることも最小限に抑えられるし、いいんじゃないのって。

空気に触れて酸化してしまうの防ぐために醤油でも空気に触れることなく最後まで使えるものとかもありますね。

 

 

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この部分に空気が入ってるから酸化しちゃうんだから、この部分をお酒でいっぱいにしちゃえばいいって。

でもそんな簡単なことじゃないんですよね。

その方がいいなら当然ながら蔵元さんはやってると思います(^^;)

 

これには理由があって日本酒を造る際に『火入れ殺菌』という工程があります。

火入れってのは搾ったお酒を加熱して火落菌(ひおちきん)と言われる貯蔵しているお酒を白く濁らせたり味の劣化を招く恐れがある厄介者の乳酸菌の一種を殺菌したりとか、お酒を搾っても勢いがあって熟成を早めてしまう酵素の働きを止めるためにする加熱殺菌のことなんです。
やり方としては温度を60から65度位に保った管『蛇管(じゃかん)』の中を、お酒を通してから急冷する加熱殺菌の方法と、手作業で手間がかかるけどお酒を瓶に入れてから湯煎で殺菌を行う「瓶燗火入れ」の方法があります。

この瓶燗火入れの時に目一杯にお酒を入れておくと、中のお酒が熱膨張によって吹き出してしまうんです。

だからその膨張することを考慮して減らしてあるんだそうで、小林社長いわく目で見てハッキリと違いがわかるくらいで2〜3cmは熱膨張するそうです。

 

えっ!そんな事?って思っちゃいましたけど言われて納得しました。

僕も酒屋を22年やってますけど初めて知りました(^^;)

 

本当に何事も日々勉強ですね!