ヌード撮影を通して女性の中の美しくなろうとする力を魅き出し貴女のストーリー写し込む    Nude×命 写心家 中田しのぶ -21ページ目
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見えない時間

ふと思った。


『時間』って かさばらないよなぁ・・・。




重ねるけれど 決してかさばらない。 


つくづく不思議だ。





何気ない表情にグッと来る。



 

 

 


 

 

 

二人の間に重なっている 誰にも見えない時間を・・・


ワタシは密かに感じながらシャッターを押す。

 

 

 

 

ワタシだけが知る


ふたりの「これまで」と「これから」が繋がる瞬間は



言葉に出さずに 『写心』に込めよう。




そっと 



    そっと・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中田しのぶ

 

 

 

一瞬 と 瞬間

春は たくさん花が咲き 

シアワセ色に包まれて
ウキウキした気分になるけれど

なんとなく 気持ちの引き締まる季節でもあります。



散りゆく様も美しい 『サクラ』。


『花の命は短くて・・・』という表現がぴったりのイメージです。


そんな 桜に囲まれながら

ふと 自分の使命について考えました。



おふたりの かけがえのない『一瞬』を残す役割。


責任重大さを感じながらも シアワセをたくさんいただく『瞬間』。


そして その『瞬間』を追い続ける。



なんとなく花の命に似ている。




時間は取り戻せない。


だから美しいのだと思います。



心に写ったそのままを 『写心』として



・・・たくさん 残せますように。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

中田しのぶ

 

 

 

 

Tendre Rain

『お母さん・・・一番良い席で見てくれてますか』


披露宴の最期に 花嫁さんが問いかける。


その会場に お母さんの『姿』は無い。


 

その日は 朝から雨で

しっとりと 透明感のある空気が 京都を包む。




その雨は ワタシの持つ『ふたつのジンクス』のうちのひとつの証。


最強晴れオンナのワタシが 唯一受け入れる雨。



ご両親のどなたかが天にいらっしゃる時は

『喜びの涙』が空から落ちる。



   『優しい雨』になって・・・



そんな事を考えながら



挙式前のわずかな時間 


『優しい雨』を眺めるお父さんの背中を見ていたら

急に涙が溢れてきた。



愛する人を失うって どんなカンジなんだろう。



もしワタシなら・・・ 
自分の愛する人がこの世からいなくなってしまった時に


その運命を静かに受け入れる事ができるだろうか。




いつ離ればなれになっても ありがとうが言えるほど
一生懸命愛しているだろうか。



お父さんの力強い背中からは

愛の深さと強さ 


例え様のない優しさが にじみ出ていた。





愛を誓う と言う事は

覚悟を決める と言う事



もう1000組を超えようと言うのに


あらためて その誓いの意味をかみしめながらシャッターをきる。




『お母さん・・・一番良い席で見てくれてますか』




問いかける花嫁の隣りには


お母さんの分も愛してくれる人が立っていた。



これからの人生 ずっとずっと一緒に歩いて行く人が。

 

 

 

 

 

 

中田しのぶ

 

 

 

 

 

横顔

お式当日の花嫁

最初はたわいない会話にくったくのない笑顔



お支度が進むにつれて


    横顔が『花嫁』になっていく


少し言葉が少なくなる



私はこの瞬間がたまらなく好きだ



『これまで』と『これから』が交差する瞬間


いろんな想いが溢れる瞬間



  胸の奥がキュッと熱くなる



私の 魔法の鏡は 急速に威力を増し


映す事を越え 花嫁と溶け合い始める




この感覚を感じた時


  必ずミラクルが降ってくる




『写心』を実感する かけがえのない瞬間

 

 

 

 

 

 

中田しのぶ
 

乳房

一人の女性を紹介された。
とても清楚で上品な40代の方で
笑顔がとてもかわいらしい。


明後日が乳ガンの手術で
片方の乳房を取ってしまうという。


『無くなってしまう前に ふと残しておきたくなったんです。』


その言葉から 言い知れない重みと思いが伝わってくる。





なんだろう この気持ち。

少しの緊張・・・というか責任というか
いつにも増して胸が熱い。



『大切に撮らないと』と表現するのがぴったりかな。



いつも どんな時も大切にシャッターを押すけれど




“無くなってしまう乳房”

     と

“覚悟を決めた優しく穏やかな笑顔”


     が同じ女である私を震わせる。



自分に置き換えてみる

乳房が無くなるってどんなカンジだろう。


目の前のこの人のように こんな穏やかな笑顔で
いられるだろうか。




なんだか異常に感情がたかぶる

 涙が溢れる





私は私を 抑えながら

 精一杯 私を注ぐ




その強さと美しさと 最後の乳房に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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